教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年5月のブログ記事

  • 教育随想 81回  ペアによる「違いを見つける」「感想を加える」指導

    前回は、ペアによる聞く指導、相手の意見の代弁者にすることでした。 代弁する内容を少しずつ長くしていき感想発表を代弁するようにします。 今回は、指導例「違いを見つける」 ペアによる話し合いの結果、相手と自分の意見の違いを見つけて代弁します。 聞くということは、常に、自分の考えと照らし合わせて聞いてい... 続きをみる

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  • 教育随想 80回   聞くことは、話し手の再生活動から

    「聞く」ということは、相手の心の中に入ることです。 「聞く」ということは、相手と打ち解けることです。 話し手は、言葉という電波に乗せて、自分の気持ちを聞き手に送ってきます。 聞き手は、電波に乗せられた話し手の意図や想いをくみ取ります。 回転ずしのぐるぐる回るレーンがありますね。 レーンが言葉で、皿... 続きをみる

  • 教育随想 79回  聞くことは 誤解すること

    聞くという行為は、常に、話し手の意図を誤解するところから始まっています。 話し手の伝えたいことを的確に把握することは、大人でも難しいことです。 まして、話し手の言葉の奥に隠されている思いは、簡単にはわからないです。 聞くという行為を、「目を見て聞く」「体を話し手に向けて聞く」という姿勢だけを問題に... 続きをみる

  • 教育随想 78回 聞く姿勢は、聞かせる姿勢から 

    子どもを鍛える最初の指導は「聞く子どもを育てる」ことから始めます。 聞いている子どもを見ると、体や目の動きが停止しています。 聞いていない子どもは、体のどこかが動いています。 聞いている子どもは、椅子に座っていても前傾姿勢です。 聞いていない子どもは、背もたれに自分の体を任せてしまっています。 子... 続きをみる

  • 教育随想 77回 鍛えるということ

    運動会や音楽会で成功した時、先生や子どもたちは、その喜びを分かち合います。「ここまで、みんなよくがんばったね」という先生の子どもへのねぎらいの言葉。 諸手をあげて喜ぶ姿勢。 流行っているお店が急に勢いをなくし客足がへっていくことがあります。最も多く客が出入りしている時がその店の頂点ですが、同時に下... 続きをみる

  • 教育随想 76回 学級崩壊の子どもたちを修復 実践 最終回

    学級崩壊に導く子どもたちは、内部エネルギーが大きく衝動的です。 方向性さえ自らつかむことができたら、自分の力でぐんぐんと前進します。 大人や先生に対する不信感、そこからくる不安と抵抗がみなぎっています。 「どうせ、ぼくはだめなんや」と口癖のように言いました。 A男は、算数が苦手でした。 4年生の時... 続きをみる

  • 教育随想 75回 学級崩壊の子どもたちを修復 実践 その4

    子どもの得意なことでつながりをもつ 学級をかきまわしている子どもは、どの場合も核となる子どもは3人ぐらいです。 3人の子どもがだれであるかを早い時期に見つけることが大切です。 さて、わたしの話になりますが、3人のうちの中心はA男です。 A男は、金髪(茶髪ではなく)で学校中の目立つ存在でした。 他の... 続きをみる

  • 教育随想 74回 学級崩壊の子どもたちを修復 実践 その3

    崩壊している子どもたちは、学ぶ意欲を見せることはありません。 少数の勉強したい子どもたちがすこし挙手して発表しますが、例の子どもたちが発言者を茶化します。時には、「うるさいわ」と妨害することもあります。 このような学級で型通りの授業はできません。 やはり、授業というのは、一人ひとりの子どもと仲良く... 続きをみる

  • 教育随想 73回 学級崩壊の子どもたちを修復 実践 その2

    崩壊した学級 初日の出会い 次の日から、胃が痛くなるような日々が続くことになりました。 子どもたちとの出会いの日、3人の男の子が教室の真ん中の席を占拠しています。周りの子どもたちは、机の間をあけてすわっていました。 昨日整頓していた3人の机の位置は大きくずらされています。 教室はざわついています。... 続きをみる

  • 教育随想 72回 学級崩壊した子どもたちの修復実践 その1

    「学校、始まって以来の学級崩壊です。」 近くの学校の校長先生が私に会いにこられました。できれば、その学校に赴任してほしいとい要請を受けました。 そのとき、私は、躊躇しました。今まで、何度も、崩壊した学級を担任してきましたが、校長先生のお話の学級は、私が今まで出会ったことのない子どもたちでした。 正... 続きをみる

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  • 教育随想 71回 「ふだんの授業」を「いい授業」にするには その6

    「書く」ことによって子どもの考えを深める これはすべての先生が実践されていることです。いまさら、言うに及ばないことかもしれませんが、私見を言わせてください。 考えるために書くということ 考えを文字に表すことは簡単なことではありません。 考えることとそれを文字に表現することは少し違うかもしれません。... 続きをみる

  • 教育随想 70回 「ふだんの授業」を「いい授業」にするには その5

    子どもと勝負するところを一つ入れておきます。 勝負というのは、子どもたちに投げかけてみて、どうなるか予測しにくい場面をつくります。 あるいは、これは難しいかもしれないと考える場面をつくります。 先生にとって、新しい指導方法の導入であったりもします。 そのような、どきどきする場面をつくることが自分の... 続きをみる

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  • 教育随想 69回 「ふだんの授業」を「いい授業」にするには  その4     

    子どもの位置から教材を読む 指導計画がどうしても先生主導になりがちです。教材研究が進めば進むほど、あれもこれも教えたいという一方的な先生の欲が表れます。 これは仕方がないことです。子どもたちの知らないことを教えたいという先生の想いは当然ですね。 ところが、そうして授業をしてみると、何となく子どもた... 続きをみる

  • 教育随想 68回 「ふだんの授業」を「いい授業」にするには その3

    指導内容の選択  指導内容を紙に箇条書きにします。  教材の価値を考えた上で、指導すべき内容とは  子どもたちの学びの力を育てるための指導内容 要するに、自分で指導したいことをランダムに列記します。その中で、絶対に見逃してはいけないものに◎、準じるものに○を記入します。 指導内容の精選です。  次... 続きをみる

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  • 教育随想 67回 「ふだんの授業」を「いい授業」にするには その2

    多くの先生が、日々実践しておられることをお話しします。私たちの若い頃は、職員室で教材研究の話も少しはしていましたが、いつしか、ほとんどしなくなってきたように思います。当たり前のことで申し訳ありませんが、やはり、基本だと思うのであえてお話します。 若い時に先輩の先生から教えを受けたことは三つです。 ... 続きをみる

  • 教育随想 66回 ふだんの授業をいい授業にするには その1

    年に数回しかない校内研修授業。 掲示の準備をしっかりとして、黒板は短冊カードでいっぱい。資料の準備もボリューム満点。 教科書の拡大コピーを用意して、黒板をいっぱいにさせます。黒板がなんとなく演劇のステージに仕上がります。 研修後の講評。 「よく準備されましたね」というあたたかい言葉。先生の成し遂げ... 続きをみる

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  • 教育随想 65回 たかが指名発言  されど指名発言 

    子どもたちが手を挙げて、先生が指名して発言させます。どの教室でも行われている発言の形態です。  指名発言について考えてみます。  指名の仕方、手の使い方。 人差し指で指名されると、どきっとします。 何か威嚇されているような雰囲気がでてきます。 大人でも、このように人差し指を向ける方がいますが、私は... 続きをみる

  • 教育随想 64回 そろそろ 不登校が始まる 

    先日もある先生から不登校の子どもの相談を受けました。 この時期から6月の上旬にかけて第2弾の不登校の子どもがでてきます。 第1弾は、4月です。 子どもたちは、「先生、しんどいので保健室に行っていいですか。」と言って、保健室を避難場所にします。 保健室に行く人数の多い学級は要注意です。 子どもたちの... 続きをみる

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  • 教育随想 63回 ネット依存

    ある習慣が行きすぎてしまい、その行動をコントロールすることが難しくなってしまいます。その行きすぎた行動のために、健康問題や社会的な問題を引き起こすことがあります。 カジノをつくるかどうかという国会の問題において、ギャンブル依存が取り上げられています。 アルコール依存、ニコチン依存、覚醒剤依存なども... 続きをみる

  • 教育随想 62回  机間巡視で うちとける

    下調べをしっかりした先生が、次の日の授業でうまくいかないことがあります。 自分の思うように子どもたちが反応してくれないからです。 そうなると、さらに、自分の描いた授業計画通りに進めようとします。無理にやらせたり、聞かせたりすることが多くなります。子どもたちは先生のペースで進められている授業に興味を... 続きをみる

  • 教育随想 61回 授業の 縦軸 横軸

    授業の縦軸とは、教科目標、教材目標に向かって、主体的に学ぶ能力です。 そして 授業の横軸とは、集団の中で自分を律する自己能力。 共に学び合う仲間を意識して、自分を律することを通して学びます。 相手の考えをじっくりと「聴く」ためには自分を律することが要求されますね。 集団の中に自分を投げ入れて養う社... 続きをみる

  • 教育随想  60回 指導には 副作用がある

    宿題を忘れたら居残り 果たして、指導かどうかは疑問ですが、よくある場面です。 先生としては、宿題を最後までさせたいという強い思いがあります。 怠けている子どもが許せません。 忘れた子どもは、友達が下校するのを横目でみながら宿題をすることになります。 宿題はさせることはできます。 その副作用はないの... 続きをみる

  • 教育随想59回 病院から学べる 教育のヒント

    総合病院の待合室でのこと。  脳外科と内科の診察室の前に座っていました。  脳外科の診察室に独りの患者がハイツ定期真下。ドアをあけたとは、医者の表情を垣間見ることができました。コンピュータに指のせて、顔だけで患者に挨拶していました。気むずかしい顔でした。決して、診察する目ではありませんでした。  ... 続きをみる

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  • 教育随想 58回  教育のヒントは 日常にあり

    く見かける風景です。 その様子から母親の子どもへの気遣いや愛情を感じます。 事例1 保育園の迎えのバスを待っている若い母親たちがいます。 母親は会話に夢中になっています。 その横で、3人の子どもたちが走り回っています。 歩道ぎりぎりのところまで追いかけっこしています。 母親は、楽しそうに会話をして... 続きをみる

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  • 教育随想  57回 休み明けの子どもに応じた 学習指導

    休み明けの月曜日、子どもたちはどことなく落ち着きませんね。 まして10連休ともなるとなおさらのことです。 子どもたちが休みによって、生活習慣が学校とはちがってしまうので、学校のように規則正しい生活には窮屈さを感じるようです。 休み明けの一時間目の授業は子どもがのってこないことがあります。  しかし... 続きをみる

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  • 教育随想 56回 引き寄せ、寄り添って、 離していくのが指導

    私のところに勉強に来られている先生が、低学年を初めて担任されました。 「高学年よりも低学年のほうがエネルギーをいっぱい使っているような気がします。 指示をださないと次の活動に進まないことが多いです。」 と言われました。 その先生がおっしゃるには、「まるつけをします。」と言っても子どもたちはきょとん... 続きをみる

  • 教育随想 55回  音読が苦手な子の指導

    音読が苦手な子は、文字に対する視野が狭くなっています。 文章を見て、一回に目に入る文字数が非常に少ないですね。 音読の指導にはいろいろな方法があるので、これがベストというものはないのかもしれません。私は、教育技術の源は、目の前の子どもたちの中にあると思っています。したがって、先生方が、今の学級の子... 続きをみる

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  • 教育随想 54回 ノート指導は 指示ではなく 指導

    ノートの指導において、決して譲ってはいけないことがあります。 「ていねいに書く」ことです。 文字はへたでもいいです。 ていねいに整理して書くことを要求します。 たとえば、算数の学習の単元名で「グラフに表そう」という題名があります。 まず、それだけを書かせて手をおかせます。机間巡視してチェックを入れ... 続きをみる

  • 教育随想 53回 一人は独りから ノートで鍛える

    連休明けから、独り勉強の指導を強化します。 「一人」ではなく、誰にも頼らない孤独を基本とした「独り勉強」「独り学び」です。 学び方については、多くの先生方が、すでに実践されていると思います。 教科書をどのように活用するか。 復習と予習のあり方について。 宿題としての漢字練習の仕方 いろいろと考えら... 続きをみる

  • 教育随想 52回 科学から遠ざかる 理科学習

    理科の学習がいい加減に行われているのは、今に始まったことではありません。 いい加減とは少し言いすぎましたが、本当に科学の基礎としての理科学習から離れているように感じています。 テストに出るから覚えておきなさいという指示も多いようです。 教科学習は、その教科の本質、特性を理解しておかなければなりませ... 続きをみる

  • 教育随想 51回 指導案は 失敗が わかるために 書く

     指導案をつくるのは、授業が計画どおり進むことが目的ではありません。  授業が計画どおりいかないことを確認するためのものです。  そんなバカなと思われるかもしれませんね。  機械部品や大型機械は、設計図があって、計画された通りにつくっていかなければなりません。少しの間違いも許されません。ものづくり... 続きをみる

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  • 教育随想 50回 子どもたちとは 誘われるまで遊ばない

     新学期、子どもたちは、休憩時間になると運動場で元気な声をあげながら遊んでいます。 先生は、つい、子どもたちの遊びの中に入りたくなることがあります。 しかし、子どもたちがドッチボールや鬼ごっこをしている中に、先生がいきなり入るのは、子どもたちにとってあまり嬉しくないのです。 もちろん、喜んでいる子... 続きをみる