教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 65回 たかが指名発言  されど指名発言 

子どもたちが手を挙げて、先生が指名して発言させます。どの教室でも行われている発言の形態です。


 指名発言について考えてみます。
 指名の仕方、手の使い方。


人差し指で指名されると、どきっとします。
何か威嚇されているような雰囲気がでてきます。
大人でも、このように人差し指を向ける方がいますが、私は好みません。


手のひらを広げて上にして「どうぞ」という空気を醸し出して指名します。
とても柔らかい雰囲気が生まれてきます。


まなざしで指名します。
目と目をあわすようにして、目があったらにこっとして発言を求めます。
自然と子どもたちは目を合わせるようになります。
子どもたちとまなざしで話せるようになったら、かなり近い関係が構築されています。


 次は、質問の仕方です。
問題をだしていきなり指名は、子どもたちをドキッとさせます。
精神的に常に緊張感を強いることになります。
特に、勉強の苦手な子にとっては恐怖です。(子どもの意見として)


どうでしょうか。子どもに質問するときに、先に指名します。「○○くん、聞いてもいいかな」というように、心の準備をさせます。
この方法は、学習や発言の苦手な子にとってかなり有効でした。
大人の会議でも、急に振られるといやなものです。
でも、先に指名されて、そのあと質問をもってこられると、ワンクッションがあって話しやすくなります。
 


次は、今までとは全く逆の指名です。
指名して瞬時に言わせます。発言の得意な子どもにこれを使います。
指名されたら5秒以内に答えさせます。
こうすることで、発言や学習のできる子どもたちの緊張感を高めることができます。


 さらに、質問のあと、わかったらすぐに起立させます。
 一番の子を指名します。
 教室全体の緊張感を高めます。
 深く思考するような質問ではなく、瞬時に答えられるような質問にします。
 頭の回転を鋭くします。


指名発言、いろいろと工夫してみてください。
子どもとの距離感が違ってきます。
先生の指名は子どもたちへの 愛情表現の一つです。

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