教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2020年4月のブログ記事

  • 教育随想 320回 漢字指導は 学年限界を超えて

    漢字指導、ドリルを使ったり先生が板書したりして教えます。 当該学年の漢字の範囲で指導します。 私は、少し違います。 漢字は学年に縛られることなく、漢字の世界を広げていくことのほうが楽しい漢字の世界を経験できます。漢字は文化です。 私達が学校教育で教わった漢字よりも、学校外の世界で覚えた漢字のほうが... 続きをみる

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  • 育随想 319回 授業 広場づくり そこに ビルを建てる

    コロナ対応の授業で授業時間数に限りがでてくる可能性があります。 そうなると、教材の核をもとにして切り捨てるものもでてきます。 たとえば、4年国語「白いぼうし」は物語文の最初です。 一年間で「白いぼうし」「一つの花」「ランドセルは海をこえて」「ごんぎつね」 「プラタナスの木」「初雪の降る日」、この中... 続きをみる

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  • 教育随想 318回 教材解釈の二面性 作品の論理よりも子どもの論理

    教材解釈には二面性があり、対象に関わらず、その教材がもっている不変な面と、その学年、発達段階に応じて改革できる面が備わっています。 よくあるのは、先生が教材解釈と称して自分の考えを固定し、一時間、子どもの考えを無視(受け流し)して、突っ走る授業です。 料理のレシピを見て調理します。 レシピには、対... 続きをみる

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  • 教育随想 317回 全員発表 と 授業の質 とは無関係

    教室の前に「全員発表」という掲示をしている学級があります。 研究会で取り上げられる内容として、全員参加したか、全員発表したかが取り上げられることがあります。 あるいは、全員発表までいかなくても、「多くの子どもたちが意見を言っていましたね。」という発言がなされます。授業の質を全員発表、あるいは、発表... 続きをみる

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  • 教育随想 316回 音読の苦手な子 授業のどの場面で読ませるのか

    今、教科書を音読することが苦手な子どもがいるとします。 先生は、音読が苦手な子どもを全員学習の場で生かしたいと願っているとします。 そこで、あまり深く考えずに授業の最初に指名して読ませたとします。 どのような現象が表れるでしょうか。 授業の始めは、一応どの子もそれなりに意欲が充満しています。 一刻... 続きをみる

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  • 教育随想 315回 目立たない子どもが集団を動かす

    集団維持機能、推進力は、一人ひとりの所属感が重要です。 勉強ができる子が中心になっている学級。 発言をよくする子どもが中心になっている学級。 運動のうまい子どもが中心になっている学級。 先生の親衛隊が中心になっている学級。 真の集団を動かす力は、ふだん学級内で目立たない存在にされている多くの子ども... 続きをみる

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  • 教育随想 314回 学級集団とは 名ばかりの集団

    自治体で雨カッパの寄付を募ったところ、たいへん多くの人々からカッパが送られてきました。困っているときには、お互いに支え合おうという気持ちを強く感じました。その陰には、自治体の首長の献身的なリーダーシップがあります。 ここにきて、政治家(民のために体を張る人))と政治屋(選挙を意識して対面を繕う人)... 続きをみる

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  • 教育随想 313回 自学自習 教えて離す 離して教える

    4月は、どの子も能力、意欲に関係なく、参加なくできるような授業の流れを計画します。しかし、この授業の流れが一年間変わらなかったらどうでしようか。 授業の目指すものは、自学自習への道です。 滑走路を走る飛行機が速度を上げて、やがて離陸するように、子どもたちの学びも先生から離陸するようにしたいものです... 続きをみる

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  • 教育随想 312回  子どもがいない教室に 子どもの姿あり

    バロメーターは先生によっていろいろ考えられていると思いますので、今回で終了します。私が力点をおいてきたものだけをお話しています。 最後に二つだけお話します。 例(1)子どものいない教室に秩序が見られるようになる。 人間の行動には3つの過程があります。 取りかかり(行動開始)➡実際に活動する➡振り返... 続きをみる

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  • 教育随想 311回 教育効果 子どもが歩く姿に表れる

    教育効果のバロメーターというのは、指示しないでも自然にそのような行動を示していくことを言います。「しなさい」と指示、強制して定着したものは、バロメーターにはなりません。 子どもたちと日々生活していると、ある日を境目に変化することがあるものです。先週までの子どもと今週の子どもとは明らかに雰囲気が違っ... 続きをみる

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  • 教育随想 310回 教育効果 独りで職員室に入れる子

    教育社会以外の社会、特に、営利専門の職場であれば結果はグラフにでも表すことができます。しかし、教育はこれといった決め手がないから難しいといわれてきました。その通りですね。 だから、先生には二つの面が表れてきました。 一方は、目に見えない効果に対して、ひたすら一生懸命仕事をしている場合。 他方は、効... 続きをみる

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  • 教育随想 309回 理科 「自然にせまる」前に「自然の中に在る」

    どの学年においても、一年間、あるいは部分的に生物学習があり、自然が取り上げられています。特に、4年生の理科学習は、一年間を通して春夏秋冬の季節の変化を学習します。 次のように目標が掲げられています。 単元設定の趣旨 ★継続して生物の変化に関わることを通して、生物への興味関心が高まると共に  命を愛... 続きをみる

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  • 教育随想 308回 全員参加 入口を広くする授業 4年「春のうた」

    授業は、一人ひとりの子どもたちが「私も参加できる」という意識を一か月かけて育てます。ところが、教材を教えるという一方向だけで授業を実施すると、多くの子どもたちを残して見切り発車します。 教材の価値、ねらいがありますが、それと同時に学習者としての子どもたちの意欲をどのようにして高めるのかが大切です。... 続きをみる

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  • 教育随想 307回 全員参加を意識 国語学習「こんなところが同じだね」の実際 

    4年 国語学習指導計画案「こんなところが同じだね」 目次のあとにでてくる最初の教材です。 全員が参加できるような設定になっています。 1指導目標 〇様子や行動、気持ちや性格を表す語句の量を増し、話や文章の中で使うことができる。 〇話し手が伝えたいことや自分が聞きたい中心を捉え、自分考えをもつことが... 続きをみる

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  • 教育随想306回 授業開始は 教科書の表紙から 私でも参加できる

    授業を通して、子どもたちの顔を明るくしていきます。 それが、先生として、社会不安に対抗する一つの教育的方法です。 今日から、授業の教材を通して、授業の在り方をお話します。 具体的な場面を通して考えてみます。 どの教科でもそうですが、最初の子どもたちとの出会い、授業導入は入り口を広くしておきます。 ... 続きをみる

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  • 教育随想 305回 緊急事態を迎えて 教育努力目標の見直しを

    学校再開が地域によって異なっています。 マスクをかける人が急に増えてきました。 社会の底に流れる一抹の不安が見え隠れします。 人間のあり方が私も含めて問われる時です。 さて、学校が再開されて新年度に子どもたち(生徒)を迎えます。 先生として、これからの一年間をどのように教育していくのかを考えるとき... 続きをみる

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  • 教育随想304回  ていねいに ゆっくりと 子どもに近づくように

    あまり急いで子どもに近づかないようにします。 まず、そのためには、子どもについての情報を少しでも多く集めます。 先生が知らない子どもたちの実態調査をします。 そのためのアンケートを作成します。 まずは、健康面です。アンケートです。 大きな病気、けがの有無。 よくかかる病気。風邪をひきやすい、おなか... 続きをみる

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  • 教育随想 303回 4月初めの児童理解  挨拶・呼名・返事・自己アピール 

    教材研究 授業研究 その間にあるものは、児童研究(理解)です。 児童理解は子どもたちの事実の拾い上げから始めます。 あまり先入観を持たないようにします。 前学年の引継の時に「この子は手こずってねえ」「この子はすぐに暴言をはくので困りました」「この子には注意してください。親がすぐに文句を言ってきます... 続きをみる

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  • 教育随想 302回 4月の教室づくり その5  家庭的な雰囲気を大切にする教室づくり

    教室は勉強だけをする場所だから質素でよいという考えもありますが、私は、教室には温もりのある雰囲気を漂わせたいと考えました。 病院は患者の病気を治療すればよい、食堂は食べ物を提供すればよいから必要なものだけを用意すればいいと考えられることがあります。 しかし、安心して治療を受けたり、落ち着いて食事が... 続きをみる

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