教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2022年5月のブログ記事

  • 教育随想 756回 3年国語「まいごのかぎ」  子どもたちとドキドキできる指導者

    いよいよ最後の場面、クライマックスである。 指導目標 「どうしよう」「これが最後だからね」と言い訳をしながら、バスの時刻表にかぎを差し込んだ時のバスの様子とりいこの心の揺れを想像する。 この場面では、りいこの心のゆれが明確に表れている。 今までの場面と比較して読み進める。 りいこのつぶやきだけで学... 続きをみる

  • 教育随想 755回 3年国語「まいごのかぎ」 想像しあう 共通の仲間意識

    指導目標      「お魚にかぎあななんて」とへんだと思いながら、かぎを差し込んで起こったあっけにとられた出来事の様子と りいこの気持ちを想像する。 指導にあたって  キーワード2つ ② 「あっけにとられて」してしまう。りいこは悲しくなりました。」 ②「わたし、やっぱりよけいなことばかり ★りいこ... 続きをみる

  • 教育随想 754回 3年国語「まいごのかぎ」 登場人物のつぶやきを核にして

    登場人物のつぶやきの中には、子どもたちを登場人物に近づけるものがある。 その言葉を板書の中心にして指導する。 第3場面 指導目標 「でも、もしかして」 と、ベンチにかぎをさしこむことでおこる ひっくり  返りそうな出来事の様子とりいこの気持ちを想像する。 導入において、前の場面のさくらの木の様子を... 続きをみる

  • 教育随想 753回 3年国語「まいごのかぎ」2場面「まさか、ね」がキーワード

    物語を読みすすめる時、その入り口は、感嘆詞など短い言葉である。 「まさか、ね」⇒「あっ」⇒「どんぐりだ」⇒「びっくりした」 これらの言葉は、子どもたちにとって親近感を抱かせる。 2場面の指導目標 大きなさくら木にかぎをさしこむ       青々とした葉桜になった大きなさくらの木にかぎをさしこんだこ... 続きをみる

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  • 教育随想 752回 最後まで読むための課題 3年国語「まいごのかぎ」第一場面

    国語の場合においても、問題を意識させて読み進める学びが必要である。 単元通しての課題は、最後までその問題を意識できるものであること。 「なぜ」「どうして」という意識が継続できる課題設定を必要とする。 第一場面において、いりこはファンタジーの世界に入っていく。 物語全体を読み続けるための課題は 「ま... 続きをみる

  • 教育随想 751回 3年 国語「まいごのかぎ」 学習指導例 その1

    学習指導例は、あくまで参考にすぎない。 読んでどんどん捨てていくことである。 指導の角度 〇りいこの心の動きに寄り添いながら読み進められるようにする。 〇そのためには、りいこの言葉と行動描写をていねい取り上げる必要がある。 〇「語彙をふやす」という目標があるが、言葉の示すところを具体的に想像できる... 続きをみる

  • 教育随想 750回 3年国語「まいごのかぎ」  ファンタジーの世界(その二)

    前回に続いて 第三場面  緑のベンチのかぎあな 緑色のベンチの手すりに小さな穴 「そんなはずないよ」 通りすぎようとしたが、ふと立ち止まってしまいました。 「でも、もしかしてー」と思いながらかぎあなにかぎをさす りいこ。 どこまでも自分の気持ちが欲するところに動いていく りいこ。 「わあ」ひっくり... 続きをみる

  • 教育随想 749回  3年国語「まいごのかぎ」  ファンタジーの世界

    教材文は、まず、指導者が自分なりに楽しみ味わうことから始まる。 指導書の解釈があって、教材があるのではない。 自分の生き方のなかから解釈は生まれてくる。 それが、時には独善になるかもしれない。 しかし、私は、教材研究の出発は、どの教科も先生の独善から始まると考えている。 そのあと、参考書等の資料で... 続きをみる

  • 教育随想 748回 「読めばわかるのに」無駄な情報伝達

    子どもたちに明日の連絡をするとき、口頭で伝えることが多い。 あるいは、学習予定(時間割など)の連絡の時、書いてあるのにさらに口頭で伝えることも多い。 子どもたちによって、耳から情報を入れる子と目から入れる子がいる。 先生が黒板に書いても、どうせ先生かぜ説明してくれると安心して文字で表現された内容を... 続きをみる

  • 教育随想 747回 学びを刺激する 掲示

    以前にも書いたが、掲示ははずためにある。 何カ月も掲示するのは、単なる教室を飾るための壁紙である。 中には、一年間、はりっぱなしの掲示もある。 学級目標もその一つである。 目標は一年間変わらないのではずす必要がないと思われのだろう。 世の中の商業施設の看板を見てみよう。 看板が色あせているものがあ... 続きをみる

  • 教育随想 746回  一年間で減っていくのが 学級のきまり

    学級のきまりがつくられている。 今の時期、どれだけの数のきまりがつくられているだろうか。 きまりをつくるとき、二つの問題点がある。 一つは、それらのきまりが主に誰の手によってつくられたものか。 二つは、学級のきまりは、月日を追うごとに増えるのか減るのか。 この二点について考える。 「給食中は静かに... 続きをみる

  • 教育随想 745回 説明文指導 技能習得が中心

    説明文の教材は、短い説明文と長い説明文に分かれている。 単元目標  〇考えとそれを支える理由や事例との関係について理解することができる。   ★筆者の考えがどのような理由に基づいて述べられているのか、どのような事例を         使って伝えようとしているのかを理解するという意味。   筆者にと... 続きをみる

  • 教育随想 744回  説明文 筆者と同じ土俵にたつ

    説明文の学習は、筆者を読むことである。 筆者の読者に対する読ませるための意図的な仕掛けを学ぶ。 筆者の論述の仕方を子どもなりに吸収することで、自分の考えを表現することに役立たせる。 話す、書くの表現において、自分の考えをいかに効率的、印象的に伝えるか、その参考にすることができる。 説明文を受け身的... 続きをみる

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  • 教育随想 743回  説明文 内容を読む

    説明文は日常生活のほとんどを占めています。 ゲーム、電化製品、薬の説明書などは説明文です。 説明文は、筆者の意図を的確に読み取ることがねらいです。 曖昧な読み取りは、実生活においては支障をきたします。 さらに、理科、社会科、算数文章題なども説明文で書かれています。 ところが、説明文の指導の多くは、... 続きをみる

  • 教育随想 742回  全校生を相手にする授業 朝会指導

    毎月曜日に、輪番で職員が朝会指導をする。 週の目標や先週での問題点などを子どもたちに伝える。 先生方にとっては、全校生を相手にする授業。 そのような緊張感をもって取り組んでおられるでしょうか。 朝会指導は、教室の授業とは異なる。 一つ目は、視聴者が全学年であること。 二つ目は、視聴者の能力に学年差... 続きをみる

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  • 教育随想 741回  理科 播種、発根、重い土を押しのけて 発芽

    各学年とも、植物や野菜の種まきの学習があります。 そして、種をまいて、発芽してから観察記録が始まります。 土の上に発芽してから理科学習、観察が始まります。 植物を育てる学習は、命を育む学習です。 それは、点でとらえられるものではありません。 命のすべての現象は連続しています。 点ではなく線としてと... 続きをみる

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  • 教育随想 740回 授業において子どもはゲスト、お客様

    授業の本質は、いうまでもなく文化遺産の伝達です。 したがって、伝達が可能であれば、いかなる伝達方法をとってもよいわけです。 たとえば、先生の一方的講義型の授業であっても、すべての子どもに知的な感動を呼び起こしたり、技能習得を効果的にできたりするなら、それは見事な授業だと賞賛すべきことではないでしょ... 続きをみる

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  • 教育随想 739回 先生としての指導力がないと 嘆く必要はない

    学級担任としての願い、先生に共通して言えることは二つである。 一つ目は、学力保障。 子どもたちの学力はすべて同じではない。 知識・理解の程度以前に、学習意欲の差が大きい。 すべての子どもたちに同じ量の知識を理解させることはできない。 各教科において、能力差があるのは当たり前。 しかし、学力保障にお... 続きをみる