教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2023年8月のブログ記事

  • 教育随想 1012回 小学5年国語「たずねびと」③場面全体を読み取れる言葉

    平和祈念資料館から追悼平和記念館へ 場面を子どもたちに読み取らせるために、発問でひっぱらないようにします。 場面には、場面全体を読み取れる言葉、文があります。 綾は平和記念資料館を見学することで、大きなショックを受けます。 展示されているものすべてが信じられないことばかりだからです。 そこで、次の... 続きをみる

  • 教育随想 1011回 小学5年「たずねびと」② 文と文との間を読む

    一場面 不思議ポスターが目に飛びこむ(きっかけ) 言葉と言葉の間を読むということ。 この場面は二つの文を押さえる。 その間を子どもたちが読み解くことになる。 最初に「すごく不思議なポスターだった」 後に「本当に不思議な気がした」 最初は「すごく」が「本当に」とポスターを見て納得している。 「すごく... 続きをみる

  • 教育随想 1010回 小学5年国語「たずねびと」その1 物語の構造

    物語文の指導の場合、短い文の中に大切な内容が入っています。 子どもたちか自力で読み進めるためには、言葉で引っ張りまわさないことです。 場面ごとにキーワードを見つけて指導します。 今回、5年生の「たずねびと」の教材について、大まかですが読み取りの指導あり方についてお話します。 まず、指導書の言葉を引... 続きをみる

  • 教育随想 1009回 国語5年「からたちの花」学びの入口

    二学期の最初に指導する詩の授業です。 子どもの実態に配慮して進めます。 詩は、作者のなかで湧き上がってきた感動を、自分の言葉で、自分のリズムで書き表したものです。 そして、この詩は、「繰り返し」「暗喩」「七五調」「呼びかけ」といった技法を使っています。 繰り返してでてくる言葉や文がとても多いです。... 続きをみる

  • 教育随想 1008回 7月の印象に基づいた学習は避ける

    始業式から二週間、遅くても運動会までには一学期の学びの水準を とりもどします。 そのための授業のあり方についてお話します。 二学期の始めは、4,5月の授業の形をとります。 〇進度はあせらない。  子どもたちを夏休みの疲れから回復させるものは授業、学習です。  学習を一学期の前半ぐらいのペースに戻し... 続きをみる

  • 教育随想1007回 新学期 すでに学級が解体している

    一学期、意識して学級づくりに取り組まれたことでょう。 そして、夏休みを迎えました。 二学期を迎えました。 ところが、無残にも一学期の姿は消えていたという例が多いです。 その理由をお話します。 一学期は、個人のやる気を高めるために月日を重ねたのではないからです。 学級のスタイルを求めた結果なのです。... 続きをみる

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  • 教育随想1006回 新学期 子どもを失望させること

    夏休みに限って、子どもたちは2学期の到来を新鮮な気持ちで待っています。 ところが登校してみて 先生の服装・顔・子どもたちに接する態度に1学期と全く同じものを感じたらどうでしょうか。 1学期のイメージが蘇ってきます。 それだけで、子どもたちの2学期の意欲はたちまちのうちに減退します。 そうなのです。... 続きをみる

  • 教育随想1005回 季節外れの 教室

    二学期への期待を胸にして、颯爽と校門をくぐり教室へ。 眼前に展開する教室は 汚れ切ったガラス窓 一学期の展示品 掲示物 枯れた花の生けてある花瓶 汚れ切った水槽 ほこりだらけの机 ざらざらした感覚が伝わってくる床 なんとなく、くぐもったにおいが漂っている教室 ・・・これが二学期を迎える教室だとした... 続きをみる

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  • 教育随想 1004回 二学期の始まり ゆっくり ゆったり

    子どもたちは夏休み、特に、今年は暑いですから体力を落としている子どもたちも多いことでしょう。 ですから、いきなり教育活動のスピードをあげないようにします。 車のアクセルをいきなり吹かすのではなく、ゆっくりと発進させます。 休憩時間を少し長めにとる。 授業内容を全員でゆっくりと取り組めるような内容に... 続きをみる

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  • 教育随想 1003回 夏休み明けは 新たな学級づくりのチャンス

    学級集団は、最初からばらばらです。 まとまりのないのが集団の始まりです。 違った雰囲気、考え、感受性を持った子どもたちの集まりです。 そのような集団を一つの方向性を持たせていくのが学級づくりです。 学級づくりの目標は二つです。 集団モラルの育成。 個人の学習意欲の育成。 学級づくりは、友だちとの関... 続きをみる

  • 教育随想 1002回 違いこそ 学びの原動力 学習集団

    学級づくり、集団を育てる、集団学習・・・。 現場の先生の指導の様子を伺っていつも感じることがあります。 問題になる子の生徒指導に手を焼いている。 教科学習の指導が個人のみに対応している。 遅れている子ども、教科内容が理解できない子どもへの手だて。 ほとんどが子ども個人をどのように指導するかという相... 続きをみる

  • 教育随想 1001回 七つの顔をもつ先生

    先生方は、学校におられるときにどのような顔で過ごされていますか。 いや、どのくらいの顔をもって過ごされていますか。 子どもに微笑みを浮かべて話を聞くときのやさしい顔。 子どもと共に笑いあっている時の和やかな顔。 子どもを厳しく注意したり叱ったりする時の厳しい顔。 学びを追求しているときの真剣な顔。... 続きをみる

  • 教育随想 1000回 授業で差別感が育つ

    学級集団において、自分が周囲から受け入れられているという安心感をもてることは大切です。 子どもは、集団の中においては、皮膚感覚で周囲の目を敏感に感じ取ります。 自分は友だちからどのように思われているか。 自分は好かれているか嫌われているか。 自分の言動を認めてくれているかどうか。 子どもたちがお互... 続きをみる

  • 教育随想999回一学期実践(13) 学級と自分の進行方向を重複させる

    3の段階  一人ひとりの子どもの心を拓く 4月において、新しい学級の子どもたちは、それぞれの勝手な風を吹かせています。 たまたま、一緒になったという友だち集団です。 そうしたなかで、一か月、二か月・・・と生活していく上で、自分の行動や意識を周りの友だち(集団)と合わせる必要がてできます。 周りと合... 続きをみる

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  • 教育随想998回一学期実践(12) 集団に寄与する 集団に従う心を育てる

    3の段階  一人ひとりの子どもの心を拓く 子どもたちは、やがて社会を支えていく存在です。 国民として、地域の人として、周辺の人々とつながりあって生きていきます。 社会は共同体です。 そのなかで共に生きていけない子どもであっては、子どもたちは卒業と同時に生きることに失速してしまいます。 個の生き方と... 続きをみる

  • 教育随想997回一学期実践(11) 子どもの支援は共感から

    3の段階  一人ひとりの子どもの心を拓く 一人ひとりの子を支援する学級づくりの基礎をつくる 子どもたちが集団に属することには不安を伴います。 子どもによって、友だちと交流するのが苦手な子がいます。 自己評価が低い子は、周りの友達と自分とを比較して萎縮します。 自分が失敗することを恐れる子います。 ... 続きをみる

  • 教育随想996回 一学期実践(10) 学習の目的を子どもと共有する

    3の段階  一人ひとりの子どもの心を拓く 学習の目的を先生だけが知っているのではなく、子どもと共有する。 先生の指図(発問)に従っているだけの学習に止まっていることが多いです。 どんなことをどのように学習するのか。 どこまでわかったら、できたらよいかを理解する。 例をあげて説明します。 先生は、一... 続きをみる

  • 教育随想995回 一学期実践(9)  「分かりません」を喜び、激賞

    3の段階  一人ひとりの子どもの心を拓く 「わかりません」と言える子どもは学習が進んでいます。 「わかりません」という言葉を出すには勇気がいります。 「分かりました」ならかっこよく思える子どもも多いです。 しかし、「分かりません」は、学問の出発なのです。 分かる、分からないの弁別ができた子は素晴ら... 続きをみる