教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 71回 「ふだんの授業」を「いい授業」にするには その6

「書く」ことによって子どもの考えを深める


これはすべての先生が実践されていることです。いまさら、言うに及ばないことかもしれませんが、私見を言わせてください。


考えるために書くということ


考えを文字に表すことは簡単なことではありません。
考えることとそれを文字に表現することは少し違うかもしれません。
しかし、考えるために、殴り書きでもいいから文字に表してみることです。
表した文字を見ているうちに、自分の考えをより鮮明にしたり、広がったりします。
きちんと書かせなくてもいいです。
考えを深める段階にいかなくてもいいです。
まずは、文字に表してみます。
そして、それを読み返すうちに、自分の考えが少しずつ滲みでてくるものです。


子どもたちには、一語でも一文でもいいから、頭に浮かんだことを文字に書かせます。きちんとした文章を要求すると、子どもによってはプレッシャーになりますね。


それよりも必要なことは、子どもにいつ書かせるかということです。


質問に対して、自分の答えをノートに書かせるようにします。(筆答ですね)
発問・・・筆答・・・挙手
子どもたちが発表する前に、必ずノートに書いて考えさせます。その習慣を身につけさせます。
書くことは時間がかかるので、つい、横着して省略することがありますね。
だから、短くていいのです。
きちんとした文章を書かせる必要はありません。
自分の考えた一部が文字に表れていればいいです。


書かせるということは、子どもたちの独り思考を保証する時間です。
だから、短くていいです。


授業後の感想をノートに書くとき、「一行感想」「二行感想」と行数を指定します。ただし、指定された行数以上に書かせません。
できる子どもは要約します。苦手な子どもは、少しだけならがんばれます。
行数を増やすことだけが書かせることではないです。
行数を減らして書くことのほうが難しいです。


大切なことは子どもの口を借りて言わせる。


学習において、キーワードになる言葉は、先生が話すのではなく、子どもの口から語らせるようにすると、学習において、子どもたちが主人公であるという自覚が生まれてきます。
学習の結論は、先生が助言を加えながら、最終的には子どもたちにまとめさせるようにします。
「みんな、よく、まとめたね。すごいじゃない」
とほめます。
子どもの発言も同じです。


一番大切なことは、子どもの口から言わせるようにします。
9のヒントをだしても最後の結論は子どもに語らせるようにします。
先生の助言とは、ヒントで支えることです。

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