教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年4月のブログ記事

  • 教育随想 49回 授業における先生の 立つ位置は

    授業するとき、先生が教室のどこに立っているか、座っているかということは、私にとっては、授業を進行する上できわめて重要な要素でした。 ふつうは、先生は教室の前面中央に立って話します。子どもたちからすると先生が中央に立つ方が見やすいでしょう。 しかし、この中央に先生が立つときは、先生が中心であるという... 続きをみる

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  • 教育随想  48回 GWあけ 本格的に学び方の指導が始まる

    ゴールデンウィークが始まりました。  この休日は、先生にとってほっとする期間でもあります。4月は、子どもたちとの出会い、新学期の事務処理等で忙しかったことと思います。  子どもたちにとっても慣れない学校生活で緊張の連続でした。  家庭訪問も終わり、家庭での子どもたちの様子や保護者の子どもに対する願... 続きをみる

  • 教育随想 47回 自治能力を育てる朝の会・帰りの会 その5 最後に

    「今日の反省」 一日の反省はむずかしいです。 子どもたちを観察していると。形式的な反省が多いです。 マイナスの反省が多すぎるようです。 反省とは、物事を振り返り、次に乗り越えるための具体策をもつことです。 たとえば、「教室の掃除がおそくなりました」という反省があると「今度からは気を付けます」という... 続きをみる

  • 教育随想 46回 自治能力を育てる朝の会・帰りの会 その4「今日の見通し」

    自分たちの生活は、自分たちの手で管理させるというねらいのもとに実施していきます。 その中に「今日の予定」「今日の見通し」(高学年)というコーナーを置きます。 先生の連絡の中にあった今日の活動予定を子どもたちの手に少しずつ、一年間をかけて移行していきます。 登校して下校するまで(朝の会)、そして、明... 続きをみる

  • 教育随想 45回 自治能力を育てる朝の会・帰りの会 その3 「今日の欠席」

    朝の会は、子どもたちのくらしが充実していくなかで、その内容も充実させます。 最初は、連絡だけでいいです。それ以外の内容がなくても全く困りません。 4月は、帰りの会は、できるだけ短くします(子供たちは早く帰りたいからです)  「明日の予定」「先生からの連絡」「さようならの挨拶」のみにしておきます。五... 続きをみる

  • 教育随想 44回 自治能力を育てる朝の会・帰りの会(2)

    朝の会は「あいさつ」と「連絡」のみ 最初から朝の会・帰りの会は短くします。 私は、どの学年においても、新しい出会いの子供たちとは、「あいさつ」と「先生からのお知らせ(先生の話)」だけから始めます。 「先生からの話」も連絡だけですから、小黒板に書いておきます。 だから省略することもあります。 連絡は... 続きをみる

  • 教育随想 43回  自治能力を高める 朝の会、帰りの会 その1 

    目的は何か どの学級にも朝の会、終わりの会(帰りの会)があります。 会はなくても生活できるのではないかと先生自身が問い直します。 問題は、何のために朝や帰りの会を設けるのかです。 ほとんどの場合、指導のねらいがありません。 惰性的に行われていないでしょうか。 前学年からの習慣として行われています。... 続きをみる

  • 教育随想 42回 掲示は はずすためにある

    どこの学級でも、背面黒板には、習字や絵が掲示されています。 これらの賞味期限(子どもが興味をもって掲示を見ている期間のこと)はどのくらいでしょうか。 子どもたちを観察していると一週間です。 三日間は食い入るように見ていますが、それ以上の時間がたつと掲示物の前で立ち止まる子どもは皆無です。 それにも... 続きをみる

  • 教育随想 41回 掲示物 学級、学校目標 その効果は

    すばらしい掲示、学級が華やかさに満ちている学級があります。 一つ一つ丁寧に作成された掲示物を見ると頭が下がる思いがしたものです。 新学期は、教室や廊下にある掲示物は新鮮です。 一年がたつとどうなのでしょうか。 教室の前面に掲示されている学級の目標です。 たいがいの教室には掲示されています。  「な... 続きをみる

  • 教育随想 40回 発問? 質問?

    教材研究をしたことは、その柱、核として発問となって表れます。 しかし、授業中の先生の発問と質問の区別はあいまいです。 授業中の先生の活動は以下のとおりです。 発問・質問・指示・命令・説明・補足・助言と細かくわかれています。 発問は、先生自身が子どもの答えをはっきりと予知できない問いを指しています。... 続きをみる

  • 教育随想 39回  授業で 子どもと仲よくなる

    授業で、子どもと仲良くなります。 「えっ、仲良くなるのは、子どもと遊んだり話しかけたりするからではないですか」という疑問が生まれます。 それだけでしたら、先生でなくても誰でもできることです。 先生は、授業を通して子どもたちを引き寄せなければなりません。 授業ほど、子どもたちを魅了するものはありませ... 続きをみる

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  • 教育随想 38回 先生の 指導力と感化力

    低学年では、学習に対して意欲を見せますが、高学年になるに従って、学習に対する意欲も関心も放棄した子どもが多くなっていきます。 子どもの顔も高学年になるほど暗く、陰鬱な表情を見せることが多くあります。 先生の顔色はどうでしょうか。 朝から帰りまで子どもの前で仏頂面をして、果たして学習効果があがるもの... 続きをみる

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  • 教育随想 37回  わかるとわからないの間にあるものこそ学びの原点

    さらに、前回に続きます。 私たちが物事を理解するとき、すべてがわかることはありません。 「わかりました」というのは、わかることをあきらめた時にでてくる言葉です。 なんとなくわからないところ、すっきりしないところかあるはずです。 でも、それ以上追究することが面倒になって「わかったことにしよう」という... 続きをみる

  • 教育随想 36回 「わかりましたか」とたずねて「はい」と本当に言える子どもがいますか?

    前回に続き、「わかる」ということについてお話します。 重複するところもありますが、大切なことなので続けます。  「わかりましたか」という言葉を授業の中で何回使われるでしょうか。 「わかりましたか」という問いかけに対して「ぼくはわかりません」という子どもが何人いるでしょうか。 できる子どもが「わから... 続きをみる

  • 教育随想35回 学びとは 「わからなさ」を捨てないこと

    学ぶ力とは、子ども自身が教えられたものに対して、自ら問いかけることができる力であり、内発的なものです。  先生が教えたことに対して、「でも、こんな場合はどうなるのか」「本当にそれでいいのか」と簡単に納得しないことです。  授業において、子どもたちに簡単に「わかった」と言わせないことです。  「わか... 続きをみる

  • 教育随想  34回  先生の話し方を 振り返って

    先生の説明は、子どもたちの思考の速さに合わせることです。 子どもたちの考える働きに合わせて話す速さを調整します。 低学年の子どもには、さらに、間合いをとって話します。 低学年の子どもたちは、先生の話を自分の頭の中で再度繰り返します。 その繰り返しが終わるまで、間をとってあげることが必要になります。... 続きをみる

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  • 教育随想 33回  生物を育てることは 命を看取ること

    理科は一学期は生物領域の学習が多いです。 中学年は年間を通して、四季の移り変わりと生物の変化を学習します。  命を大切にする気持ちを育てることがねらいです。  理科の学び方は問題解決学習です。  ただ、最初においては、クイズ形式の問題、三択式とか○×のどちらかを考える学習もおもしろいです。全員参加... 続きをみる

  • 教育随想 32回  耳で見る(聞くではなく) 返事は   

    授業にとって最初に指導するのは、「返事」です。 ただし、声の小さな子どもに対して「もっと大きな声で返事をしなさい」とは言いません。言ってはいけないのです。返事の声が小さいという事実の原因が大切だからです。  4月に子どもたちと出会いますね。  一週間は、出席簿をもとにして一人一人の名前を呼びます。... 続きをみる

  •  教育随想  31回 係活動 なくても生活できるところからの出発

    係活動はほとんどの場合、6月ぐらいになると形骸化しています。 係活動がなくても学級生活は維持できます。本当に必要なのかというところから子どもたちに考えさせる必要があります。  子どもたちに問いかけます。  「係がなくて困ったことはありますか。どんなことですか。」 「係があってよかったということはあ... 続きをみる

  • 教育随想 30回  講義形式の授業ができてこそ

    話し合い学習がすばらしいのではありません。  講義形式よりも話し合い学習の方がすばらしいという風潮があります。 子どもの姿が目に見えることで、あたかも、子どもたちが主体的に学んでいるように見えます。 私は、生涯、話し合い学習を大切にしてきた人間です。 だからこそ、一時間、講義できる話し方、子どもを... 続きをみる

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  • 教育随想 29回 無駄のある 教室づくり

    家では、食事をしたり睡眠をとったりします。それが家に求められる最低限の生活です。 ですから、台所と調理器具、布団があれば事足りることになります。 しかし、それだけではなんとなく寂しいものです。 いろいろな家具をおいたり、額をかけたりします。でも、それらのものは、生命維持に絶対なくてはいけないという... 続きをみる

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  • 教育随想 28回  学級づくりは 風をつくることかな

     レストランに行くことがありますね。 入店した瞬間、すでにレストランの風が吹いています。張りつめた風、わくわくする風、なんとなくけだるい風・・・・。 すっきりとさわやかな風が吹いているレストラン。この風はどこから吹いてくるのだろうかと考えます。 見えるものは、ごみ一つ落ちていていない床。清潔でてい... 続きをみる

  • 教育随想 27回  集団の空気に支えられて 学ぶ  

     近所に行列ができるラーメン店ができました。  新しいものには目がない私は、その店に行ってきました 食券を買ってから細い通路を通り、のれんをあげるとカウンター席がずらりと並んでいます。 席は、両側はついたてで仕切られており、食事中の様子が見えないようになっています。前は、小窓になっていて、店員が注... 続きをみる

  • 教育随想 26回    時を 守り 時を 生かす子

    学校における時間のしつけは大切なことです。 しかし、時間を守りなさいと言葉だけの指示では到底身につくものではありません。  時を守ることが時を生かすことになるという意識を育てたいものです。 授業開始のチャイムが鳴ってから何分後に授業を開始できますか。 5分間ぐらいかかっていませんか。 子どもたちが... 続きをみる

  • 教育随想 25回 最初の授業は 教科書の表紙から始める

    子どもたちは新しい教科書を前にして、うきうきしています。 新しい教科書は、子供たちにとってまさにリセット気分ですね。 さて、最初の授業は教科開きの授業です。 子どもたちは、授業が始まると表紙を開いています。 先生はこう言います。 「さあ、国語の勉強の出発だね。あれ、どうして表紙を開いているのかな。... 続きをみる

  • 教育随想 24回 前の担任の賞味期限は 長くて一か月

     「今年は、いい学級を受け持つことになりました。前の先生がしっかりと子どもたちをしつけているので手間がいらないです。楽勝ですね。」という先生。 気の毒なことに、連休明けぐらいから、学級の子どもたちへの愚痴ばかり。 前の担任の指導が生きているのは、長くて1か月ぐらいです。 2年生は、一週間で崩れてい... 続きをみる

  • 教育随想 23回 家族絵テスト 家族の中の子どもの位置がわかるかも

    心理テストはあくまで、先生の所見の参考にするためのものです。決して、鵜呑みにしないようにします。 その中で家族絵テストはおもしろいです。 A4の用紙に、「今、家に一緒に暮らしている人の顔を書いてください。その下に、だれなのかもかきます。そして、あなた自身、自分も書きなさい。もちろん、ペットも書きま... 続きをみる

  • 教育随想 22回  急がない ゆるりと始める 新学期

    新年度が始まると、学級生活の準備という名目で、大掃除、学級のめあて、学級のルール、係活動分担、当番活動の割り当てなど、新学期の三日間は大忙しですね。 先生としては、最初にきちっとした型作りをしたいものです。容器をつくってから液体を流し込みます。液体は漏れることはありません。しかし、液体は、その枠組... 続きをみる

  • 教育随想 21回 子どもの成長母胎 家庭環境に関心を

    先生の三大技術は  子ども理解 教材研究 授業技術だと考えています。  授業技術は、子ども理解と教材研究の深さに比例します。 教室は知識を満たすことだけではなく、人間関係を学ぶ上で最も重要な場所です。 家庭でも人間関係を学ばなければならないですが、学校は、生育歴、家庭環境、価値観の異なった子どもた... 続きをみる

  • 教育随想 20回 先生の持っておられる感性を信じてスタートしましょう

    ある先生がこんなことを言われました。  「4,5月ぐらいまでは、力が入って子どもたちに関わるのだけど、6月ぐらいになるとダウンするように思う。」 この気持ちはとてもよくわかります。 4月の先生と子どもの姿は活気にあふれています。にこやかに挨拶を交わす先生と子どもたち。 運動場では、先生と子どもたち... 続きをみる