教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年12月のブログ記事

  • 教育随想 245回 イギリスの教育に学ぶ

    イギリスは、かつての身分制の影響が残っています。 上流階級出身者のための教育と労働者階級の出身者が受ける教育が別になっています。名門大学へ進学するためのエリート教育があり、一方では、早くから職業選択を意識した中等教育があります。 上流階級のための名門私立高校は「パブリックスクール」と呼ばれ、高額な... 続きをみる

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  • 教育随想  244回 ドイツの教育から学ぶ

    ドイツの教育の特色は、小学校4年生が終わった段階で進路を決定することです。将来の自立を意識された教育システムになっています。 大学進学コースである「ギムナジウム」は9年間学ぶことになります。 職業コースの「実科学校」は、6年間です。教育レベルが高く人気のコースだそうです。単なる技術者としてではなく... 続きをみる

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  • 教育随想 243回  フィンランドの教育から学ぶ

    フィンランドという国は、国家予算の一割を教育費につぎこんでいます。 したがって、大学まで一切の授業料がかかりません。教材や給食もすべて無償です。 経済的、家庭的な事情に左右されることなく、どの子も自分の持っている可能性を引き出すチャンスが与えられています。 少人数学級が徹底しています。 この国の改... 続きをみる

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  • 教育随想 242回 オランダの教育に学ぶ

    オランダでは、子どもの自立がとても早いことが知られています。 子どもが自立することを念頭においた子育てや教育が早い段階から始まっています。 日本の場合は、大学に入学してからどんな仕事をしようかなと考える若者は少なくありません。とりあえず、大学に入っておこうという考えがあります。 オランダでは、自分... 続きをみる

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  • 教育随想 241回  教育の多様化について

    子どもたちの特性は多様で、関心をもつ対象も違います。本来は、その子に適した教え方があるのですが、現実には、子どもの多様性よりも、同じことをすべての子どもが学ぶという方向にあります。 近代教育が始まったその趣旨は、すべての子どもに平等に同じ知識を教育するところから始まっています。 画一的な内容を、画... 続きをみる

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  • 教育随想 240回 過保護は 子どもよりも大人が求めている

    親の過保護、どこからが過保護なのか、その基準ははきっきりしません。 ただ、言えることは、過保護は子どものためではなく、親自身のためにあるということです。 「どうして自分で服が着られないのよ。お母さんがしてあげるからね。」 「お母さんがいないとだめだね。」 「お母さんの言ったとおりしていたら心配ない... 続きをみる

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  • 教育随想 239回 学校の保育園化

     学校は公教育として、それぞれの家庭で育てられた子どもたちを引き受けて、社会の成員としてふさわしい知識と心を育てる場所です。 しかしながら、昨今、その学校が保育園化しています。 ひたすらけがのないように、問題を起こさないように心がけて、子どもたちを託児所のごとく預かっている場になっているところがあ... 続きをみる

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  • 教育随想 238回 規則で子どもを管理 子どもが規則を作りだす

    北条氏の時代の話だそうです。 町の人々が集まって、新しい禁令の高札を読んでいました。 すると、そこに通りがかった旅人が「北条氏の世も永くないな」とつぶやいたそうです。それを聞いた人が、その言葉の意味を聞きました。 昔に通りかかったときは、この高札にかかれた禁令は五条か六条であったが、今は、二十近く... 続きをみる

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  • 教育随想237回 めあてから始まり めあてで終わる

    授業の最初に子どもたちにめあてを提示したり考えさせたりします。 たとえば、「かけ算の筆算の仕方がわかり、計算できるようにしよう」というめあてをたてたとします。 学びのゴールを確認します。 ところが、このめあての把握が具体的ではないのです。 子どもたち一人ひとりによって、そのめあての受け取り方が違い... 続きをみる

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  • 教育随想 236回 いじめは、乗り越える問題としてとらえる

    学校には、生徒指導部会があります。 学年の代表が集まって、それぞれの学年における生徒指導上の問題を出し合います。 私の勤めていた学校では、職員会の最後に各学級から状況報告をしていました。全職員が学校の実情を把握して問題を共有しておく必要があるからです。 そのときに、問題のある学級から、特定の子ども... 続きをみる

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  • 教育随想 235回  些細な事実が「いい授業」につながる

    だれもが「いい授業をしたい」という気持ちを持っています。 これは悪いことではなく、当然のことです。 授業をスタイルから入ることも大切です。 いい授業をしたいという気持ちが強いほど、授業者がどれだけ授業に打ち込んでいるか、そのバロメーターになります。 玉のようにどこも欠けたところがない授業を望むこと... 続きをみる

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  • 教育随想 234回  授業修正の場としての個別学習

    前回は、机間巡視が、「子どもたちに寄り添う」ことについてお話ししました。 今日は、それに引き続いて、 子どもたちの学習における理解度を把握して「全体の授業に組み入れる」ことについて考えます。 指導者は、事前の教材研究、授業計画において、子どもたちの理解度、興味関心度などを想定しています。 しかし、... 続きをみる

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  • 教育随想 233回 個別学習指導こそ 授業の中核

    授業の中で全体指導は大切な場面ですが、子どもたちに個別学習させている時が最も大切な時間です。 全体で子どもたちを指導する場面が華やかに見えますが、実際は、個別学習にあります。 指導技術、先生の洞察力は、この時にこそ発揮されるものです。 だからこそ、先生は、全力で取り組む必要があります。 ややもする... 続きをみる

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  • 教育随想 232回  現場の先生は 救急医

    救急医療の現場のドキュメントテレビが時々あります。 救急医療に携わる先生の逞しさにいつも感銘を受けています。 自分の専門はあっても、すべての病気、ケガに対応しなければいけません。 最初に患者に出会う医者としての責任は重いですね。 救急医療に携わる先生の言葉が印象的でした。 「他の病院が閉まっている... 続きをみる

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  • 教育随想 231回  先生 と呼ばれることが恥ずかしい私

    子どもが生き生きとして活動していくのは、先生の行動や態度、さらに、先生が成長していこうとする意欲を感じ取っている時ではないでしょうか。 先生が真剣でなくて、どうして、子どもたちが真剣になるのでしょうか。 若い先生が技能的に未熟であっても、その先生のひたむきな姿に子どもたちはついていきます。 逆に、... 続きをみる

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  • 教育随想 230回  侮辱、皮肉、ぼやきによる指導

    日曜日に散歩していると近くの小学校で少年野球の指導が行われていました。運動場の両側で2つのチームが練習していました。 一つのチームはとても静かな練習でした。コーチの方が怒鳴るような声がなく、ていねいに指導しておられました。 もう一つのチームは、数人のコーチがおられて指導しています。 コーチが投手を... 続きをみる

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  • 教育随想 229回 学級文化の創造 今までにないお楽しみ会

    子どもたちは、お楽しみ会といえば、体育的なものやクイズ、歌、ゲームが多いのではないでしょうか。  私は、お楽しみ会は、授業と同じぐらい重要な活動だと考えています。  子どもたちの子どもたちによるお楽しみ会の実現をめざします。  二学期と三学期の最後の週ぐらいに4時間ほどの時間をとります。  計画の... 続きをみる

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  • 教育随想 228回 森信三先生に学ぶ 最終回

    森信三先生は、私を初任者の時から指導してくださっていた先生(師匠)の流れをくむ方でした。師匠は厳しい先生でしたが、教えの根底には森先生の考え方がながれていました。それで森信三先生の言葉を取り上げてみました。 教育は時代とともに変化する部分も多くありますが、時代に動かされない真髄もあります。  先生... 続きをみる

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  • 教育随想 227回  森信三先生に学ぶ その4 眼前の些事からスタートする

    「学校の再建にはまず紙屑を拾うことから・・・次には靴箱のくつのかかとが揃うように。新の教育は、こうした眼前の些事からスタートすることを知らねばならぬ。」 (森信三先生) 子どもたちが靴をぬいだあとをまず先生がそろえておきます。「そろえなさい」ではなく、先生自身が率先して行うことが大切です。 ものを... 続きをみる

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  • 教育随想 226回  森信三先生から学ぶ  その3 「実践とは、どこか野暮ったく、泥臭い」

    「かっこいい、きれいごとの好きな人は、とにかく実戦力に乏しい。けだし実践とは、かっこいい、きれいだけではすまず、どこか野暮ったく、泥臭い処を免れぬものだからです。」(森信三先生) マスコミで答弁する先生の言葉は、常にきれいごとです。 だれでも納得するような言葉であり、誰にも心底理解されない言葉でも... 続きをみる

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  • 教育随想 225回 森信三先生から学ぶ その2 「足元の紙屑一つ拾えぬ」「 音をたてないように歩く」

    「足元の紙屑一つ拾えぬ程度の人間に何ができよう。人の風上に立つなどおこがましい」(森信三先生)  耳が痛いです。生まれてからこのかた、すべてにおいてできたかといえば「ノー」ですね。  しかし、先生になってからは、挨拶とともに特に気をつけて実践してきたことです。  教室でゴミが落ちていたら「そのごみ... 続きをみる

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  • 教育随想 224回 森信三先生の言葉から学ぶ その1

    教育は哲学です。 先生自身の生き方以外からは生まれません。 世の中には、過去においても優れた先生が多くおられました。 しかし、その先生の生き方、哲学的なものに目を向けることが少ないようです。 国民教育の師父として「この人あり」の名声を高められた哲人、森信三先生の語録を紹介します。 今、先生の言葉を... 続きをみる

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