教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2021年9月のブログ記事

  • 教育随想 596回 先生の力量は 両極端の間にある

    教育の世界において、しばしば言われることがあります。 子どもに対して 褒めるのか、叱るのか、どちらがよいか。 厳しさか、やさしさか、どちらがよいか。 叱責か、賞与か、どちらがよいか。 家庭での教育については、放任か過保護か、どちらがよいか。 教育の世界では、多くのことが両極端なのです。 放任も過保... 続きをみる

  • 教育随想 595回  学級社会の活性化は、子どもたちの野性化から

    「子どもの一人ひとりを学級社会で活性化」というお話をしました。 しかし、子どもたちは、自分中心に動く子どもが多いです。 こういったなかで、子ども同士をつないでいくことは難しいです。 「みんな友だちだから仲良く暮らしましょうね」 「お互いに支え合っていきましょう。」 「自分だけのことを考えずに、相手... 続きをみる

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  • 教育随想 594回  子どもの一人ひとりを学級社会で活性化

    一学期は、子どもの観察時期でもありました。 二学期は、子どもと子どもをつなげていく時期です。 子ども同士の関係を形成していく時期です。 教育は、学級社会(集団)への参加を通して、子どもの人間性を育てます。 目の前の子どもたちは、やがて、社会の一員として役割を担うことになります。 社会という集団のな... 続きをみる

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  • 教育随想593回 担任の資格だけで 子どもに急接近しない

    私が中学に進学した時でした。 担任は30代ぐらいの先生でした。 生徒の一部がその先生を囲むほど人気があったようです。 その理由は、その先生が生徒に対して、フレンドリーな接し方をしていたからです。 私もその先生と初めて向き合ったとき「○○、なんでも相談に来いよ」と笑顔で言われました。 私は、その時、... 続きをみる

  • 教育随想 592回 学級崩壊をきたす 担任の先生とは

    今、タブレットを使ったいじめが問題になっています。 その集団がある学級で起こったことなら、すでに学級が崩壊しています。 お互いが支え合っていく支持的集団ではないからです。 教育機器を子どもに配備されることは、いじめが助長されることはすでにわかっていたことです。 何十年も前から、携帯メール等で友だち... 続きをみる

  • 教育随想 591回 タブレット端末で いじめが助長?

    悲しいニュースです。 「小6自殺、チャットの陰口丸見え」(読売ニュース) 子どもたちにタブレット端末が配備されました。 その児童の端末に「うざい」「きもい」「死ね」と中傷されていたそうです。 しかも、その中味を学級の子どもたちが自由に見ることができました。 チャットは、当人同士しか閲覧できないので... 続きをみる

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  • 教育随想 590回 学級崩壊 二学期、三学期の姿

    学級崩壊、少なくとも集団での学習が成立しにくくなっている学級。 定義や基準はいろいろあるようです。 実際に現場の先生は、自分の学級の崩壊を認めたくありません。 それは、自分が先生としての力量を外部から問われるからです。 したがって、月一回程度の生徒指導連絡会においては、「特にありません」が今でも多... 続きをみる

  • 教育随想 589回 ITを活用する授業 本当に必要か?

    勉強会で研究授業を予定されている先生が、指導案を持ってこられました。 見てほしいということで相談にのりました。 国語のポスターの引き付ける工夫を考える授業でした。 2つのポスターがあり、どちらのポスターを見て(内容は二つとも同じ)出かけたいと思ったかを表示します。 その理由もタブレツトに各児童がう... 続きをみる

  • 教育随想 588回 コロナ禍 学びの灯を消さない ネット授業?

    コロナ禍で学校が休校しているところがあります。 ネットを介して、学校の先生が家庭の子どもたちに授業配信します。 あるテレビのニュースで、学校の先生から次のような言葉を耳にしました。 「学校が休校になって、学びの灯を消してはいけないのです。」 かっこいい言葉に聞こえます。 知らない人から見ると、熱心... 続きをみる

  • 教育随想 587回 話し合い指導、先生が聞き方の一例を示す

    ペアによる話し合いの指導の在り方をお話してきました。 形式的な指導であってもいいです。 大切なのは、その形式的な指導において、指導者が根拠をもっていることです。 話し合いは、お互いの思いを理解し合うことです。 しかし、それは、いつも誤解し合っているという前提があります。 大人同士の会話においても、... 続きをみる

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  • 教育随想 587回 対話指導 まとめることをめざして まとめない

    対話を通して、子どもたち同士がお互いを尊重し合えるようになります。 人間の思いを理解しあうことは、お互いに相手に歩み寄ることです。 お互いに相手への思いやり、気遣いができるようになることです。 しかし、学習における対話は、常に、学習内容を進展させることにあります。 ただ、話し合うのでは意味がありま... 続きをみる

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  • 教育随想 586回 対話は 誤解をしあうこと

    一つの問題を子どもたちがノート使って考えます。 そこには、子どもたちの既習内容を活用したわかり方の枠組みができます。 習ったこと、考えたことの枠組みの中でしか考えることができません。 二人の子どもが対話します。 そうすると、そこは、お互いが自分の枠組みでとらえた考えの交流から始まります。 話を聞く... 続きをみる

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  • 教育随想585回 対話指導 相手の考えを代弁

    対話はリレーです。 話し手と聞き手が順番に代わるのが対話です。 野球のキャッチボールと同じです。 投げ手は受け手になり、受け手は投げ手になります。 そこから考えられるのは、ペアによる話し合いも、交互に話し合うことを基本にします。 一方的に話すだけ、聞くだけに終わらないようにします。 ペアの一方があ... 続きをみる

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  • 教育随想 584回  ペアによる話し合い 背中合わせの指導

    子どもたちを隣同士で話し合わせます。 いわゆるペア学習です。 対話の基本的な形式です。 もちろん。ノートに書いて自問自答することが前提です。 話し合いの一番小さなかたちです。 しかし、全体の話し合いよりも対話のほうが難しいです。 1体1は、話し手か聞き手かのどちらかの役割から逃げられません 全体の... 続きをみる

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  • 教育随想 583回 話し合い 自分との対話 自問自答

    あらゆる話し合いの源は対話にあると考えます。 話し合い(話し合い学習)を指導していく時に「対話」を基本にします。 自分との対話、それはノートです。 ノートで自問自答する指導を徹底します。 算数のノートは、数字がほとんどです。 しかし、少なくとも三分の一は作文が必要です。 新しい課題、問題を前にする... 続きをみる

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  • 教育随想582回  すべての話し合いは 対話である

    学習内容、目標を遂行することを通して、子どもたちの支持的機能を遂行できるのが話し合い活動です。 特に、学習を通しての話し合いは、子どもたちの学習意欲を膨らませます。 友だちと学習内容を学び合うことそのものがお互いの理解につながります。 私が話し合い学習に関心をもったのは、教員になってから3年目の時... 続きをみる

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  • 教育随想 581回 授業は 課題遂行機能と集団維持機能の両輪

    授業とは、課題遂行機能と集団維持機能の両方が効果的に働くことが必要であると考えています。 課題遂行機能とは、教材内容を子どもたちが理解していく過程です。 子どもたちにとってわかりやすい授業を考えます。 子どもたちがより深く理解、納得する過程を考えます。 教材の提示の仕方、学びのルートを考えるのが課... 続きをみる

  • 教育随想580回 学習集団の崩壊(学級崩壊にあらず)

    学習集団は崩壊していませんか。 崩壊という言葉は先生にとって、遠ざけたい言葉ですね。 学級崩壊ではありません。 学級崩壊の場合は、子どもたちの様子が顕著です。 学習集団の崩壊、考えてみてください。 授業風景をお話します。 体育、運動場での授業。 運動場では、教室と違って子どもたちの気が散りやすいと... 続きをみる

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  • 教育随想 579回   防衛的集団 と 支持的集団

    学級づくりがうまくいっていると授業が成功しやすい」とか、「授業の基盤は学級経営である」と言われていますが、果たしてそうなのだろうかという疑問を抱きます。 もし、そうであるならば、学級づくりは,何をもとにして実行するのでしょうか。 学級指導と特別活動、生徒指導なのでしょうか。 学級がうまくいっている... 続きをみる

  • 教育随想578回  道徳指導 負の感情からスタート

    係を決めて、子どもたちの活動の準備が進められていることでしょう。 3年の道徳教材「係の仕事に取り組むときに」(光村図書)を参考に係活動の在り方を考えます。 主人公の真由が一生懸命係活動にとりくんでいましたが、ある時「めんどうだな」という言葉を漏らします。 この言葉が指導の原点になります。 みんなの... 続きをみる

  • 教育随想 577回 学習技能目標は、人間目標の手段として

    学習技能の習得は必修事項です。 決して軽んじるわけではありません。 しかし、どの教科においても、教材指導には二つの目標が含まれています。 学習技能目標は中距離目標です。 人間目標は、長距離目標です。 ここで、3年生の国語「山小屋で三日間すごすなら」という教材を通して考えてみます。 単元目標として次... 続きをみる