教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 68回 「ふだんの授業」を「いい授業」にするには その3

指導内容の選択
 指導内容を紙に箇条書きにします。
 教材の価値を考えた上で、指導すべき内容とは
 子どもたちの学びの力を育てるための指導内容


要するに、自分で指導したいことをランダムに列記します。その中で、絶対に見逃してはいけないものに◎、準じるものに○を記入します。
指導内容の精選です。


 次に指導書や参考書(ネットも含む)に目を通して、不十分な点、考え違いをしている点について是正します。ここで、初めて、外部の資料を参考にするのです。


指導内容の順序
45分という制約の中で考えます。この45分間という感覚は、長い間、授業をしていくうちに、時計を見なくてもほぼ体でわかるようになります。
ちなみに、私は、教室の時計は子どもたちだけが見える前面中央にとりつけました。


指導内容をできるだけ絞ります。
あれもこれも入れてしまうと授業が平板なものになります。
 1時間の授業は、「導入」「展開」「まとめ」の三つの分節を基本とします。
 したがって、発問は3つです。発問を書いておきます。
 導入のための発問、展開させるための発問、まとめるための発問です。
 この「まとめ」という部分ですが、いろいろな終わり方を考えます。
 わかったことを結論としてまとめるというのは一般的ではありますが、できるなら、わかったことをさらに「ひろげる」という内容にしたいものです。
まとめは次時への始まりになるようにします。
だから、できるなら、完結してから次時の課題に入ります。


ちなみに、私の考える基本的学習過程です。
 ①問題を把握する段階「とらえる」
 ②「仮説をたてる」段階 「予想」です。
 ③仮説を検証「たしかめる」段階
  予想と比べるようにする。
 ④「まとめる」わかったことを概念化する。
 ⑤わかったことをもとにしてほかのことにもあてはめる「ひろげる」段階
 ⑥これまでの学習と比べてみる。
  類似点・相違点、新しい疑問、困難点
  「振り返り」の段階です。


さらに、一時間の授業の流れをまとめると


 「とらえる」「たしかめる」「ひろげる」
「とらえる」は、目標をおさえる、問題をとらえる、見通しをつける 行動内容になります。
「たしかめる」は、計画を実施し、予想を実証します。
「ひろげる」は二つにわけます。
 「きたえる」内容を覚える。
 「ひろげる」は一般化です。原理原則を適用して、概念の強化をはかります。


「ひろげる」が「まとめる」ことに終わらないのは、授業を一時間で簡潔しないためです。次の授業につなげるためです。
 「もっと知りたいこと」「それでもすっきりしないこと」を次時への学習にします。
 あるいは、このあと、どのような学習をするのか見通しをたてます。
 映画の予告編のような感じかもしれませんね。


 「とらえる」段階、導入の段階はできるだけ5分以内が望ましいです。
 無駄な言葉、内容を省いて一気に学習の核に入ります。
 問題(めあて)は、子どもたちに探させる場合と先生が一気に課題として提示する場合があります
とにかく、前置きをしないことです。


「たしかめる」(深める)場面に時間を使います。
このように、指導を三つの段階に分けて指導するということを先生自身の習慣にします。
朝会指導の話、職員会の提案、子どもたちへの訓話等、この3分節を意識するようにします。
指導や提案の流れを考える上で便利です。


 さらに、「その4」 次回に続けます。

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