教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2023年11月のブログ記事

  • 教育随想 1055回 教師の生きざまは 花瓶の下敷き

    病気にかかることがありますね。 医者に診察を受けて薬を処方してもらいます。 医者の立場からみると、患者の病気を治したということになります。 しかし、医者は病気をなおしていません。 患者自身の生命力と治癒力が病気を回復に向かわせています。 医者は、その底辺を支えただけです。 医者が直接病気を治してい... 続きをみる

  • 教育随想1054回 先生を裏で支える五者(学者・医者・易者・役者・芸者)

    は子供たちの前でいろいろな先生を演じています。 一日、朝から放課後、下校するまで子供たちの前でどんな自分を演出されているのでしょうか。 先生は、それぞれの場面で意図的に自分を演出します。 もちろん、自然にその先生から出ている場合もあります。 私が師匠からうかがった五者のことをお話します。 学者 知... 続きをみる

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  • 教育随想 1053回 子供に厳しすぎると? 保護者から

    子供の指導を厳しくする。 厳しく指導する時はあります。 指導が厳しすぎるということで保護者からクレームが上がっています。 学校の話です。(相談を受けて) 3年生の学級です。 担任の先生の指導が厳しすぎて、学校に行きたくないという子供たちが増えているとのことです。 どんなところが厳しいのか全体像はわ... 続きをみる

  • 教育随想1052回 教師の適性「いっときの力」ではなく こつこつと

    丹精をこめて育てる。 植物に花を咲かせるには「いっときの力」ではだめです。 年間を通して、その植物の育て方に通じていることです。 寸時を惜しんで世話をしなければなりません。 その世話をやくことが、この上なく幸せに感じられる人。 これが教育につながります。 要するに、教育は瞬間的な技術ではないのです... 続きをみる

  • 教育随想 1051回 教師の適性 師弟間の愛を育む

    動物を愛することができる人、子供は胸の内を開きます。 よくいわれることに「動物は餌、人は言葉」で仲良しになるといいます。 しかし、子供たちと深くつきあって、お互いが協調できたり、理解したりする間柄になるには、師弟間の愛が必要です。 言葉ではないもので先生と子供が分かり合える。 目に見えない放射線で... 続きをみる

  • 教育随想 1050回 教師としての適正 微笑みをもって見守る

    詩人のサトウハチロウさんは、「子供のにおいは太陽の匂い」と表現されていました。 子供たちと付き合っていて感じること。 春先に、若い草が萌え出す前の枯草。 春をいっぱいためこんで、これから青い空に向かってぐーんと伸びだす匂い。 清流のなかで気持よく泳ぎまわる鮎の匂い。 どれも、枠に縛られないエネルギ... 続きをみる

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  • 教育随想 1049回  授業は「させる」意思を明確にもつ

    かつて、総合的な学習が始まって以来、子供の気づきを大切にするために、意図的にさせる学習をよしとしなくなってきた。 かつて指導案の指導目標の文末は、「・・・させる」という 文言で終わっていた。 やがて、「指導者の意図を前面にたざずに、子供たちが学びにおいて気づいていけるようにする」という考え方に変わ... 続きをみる

  • 教育随想 1048回 先生に対して 保護者が不信に思うとき 前半

    保護者とのトラブル、私の耳にも入ってくる。 先生にとって、つらいときでもある。 自分ではがんばっているつもりでも、保護者が不信感を持つ。 先生と保護者の間には、子供がいる。 その子供は最初において当然、保護者よりである。 4月から指導が進むと、少しずつ子供が先生に近づいてくる。 そして、子供が先生... 続きをみる

  • 教育随想 1047回   ノートは 学びの足跡

    タブレットの上にだいたいの字(漢字も含めて)を書けたらよしとする。 現場の先生が「漢字をしっかりと書けなくても形さえあっていればよしとする」ことに疑問を持たれていた。 その学校では、百字練習をやめようという方向になっているそうだ。 したがって、漢字の止めやはねは許容範囲だという。 文科省の指導書に... 続きをみる

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  • 教育随想 1046回 授業開始5分間で 授業終了前5分間で

    授業についての考え方の一つとして例をあげる。 あくまで一つです。 教材を子どもに理解させ伝えていく。(文化継承という側面) 理解過程は内容に興味関心を持たせることが始まり。 そのために、いかに、効率的に、わかりやすく 伝えるかが大切。 授業開始5分間。 大抵の授業は、導入に5分間以上かかっている。... 続きをみる

  • 教育随想1045回  植物の冬ごし 人間の冬ごし

    4年理科の教科書に「生き物のふゆごし」の学習がある。 単元のねらいは以下の文言である。 1.冬の動物の活動や植物の成長に興味・関心をもつ。 2.動物の活動や植物の成長と季節のかかわりをとらえることができる。 3.春・夏・秋における生き物の様子と比べて観察することができる。 この学習の方向性を次のよ... 続きをみる

  • 教育随想 1044回 全国大会の研究授業 その前後に関心をもつ

    かつて、全国大会の研究会に参加された先輩の先生の話。 話題1 ・・・研究授業が終わったあとの話。 あとの反省会には参加されなかった。 終わったあと、各教室の廊下をぶらぶら歩いておられたときのこと。 教室から突然の怒号。 「なぜ、昨日のようにしなかったのだ。なぜ、先生に恥をかかせたのか」 その先生が... 続きをみる

  • 教育随想 1043回 授業者の指示は繰り返さない

    現場の先生によく質問されるのは、「子供に対する言葉かけをどうしたらいいですか」という内容である。 先生がたは、言葉を教育の主力媒体だと思っておられる。 もちろん、子供らに指示したり評価したりする時に言葉を使う。 決して言葉をないがしろにするものではない。 ただ、問題なのは、言葉かけを問題にされるな... 続きをみる

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  • 教育随想 1042回 「働き方改革 担任の先生は3人」???

    ある小学校の取り組みの記事。 その中からいくつかの文言をとりあげる。 ・・・担任の先生は3人です。新しい取り組み・・・その名も「チーム担任制」「早く帰れる」先生たちの働き方改革。 学年2クラスを3人の先生が担当する。 学級担任1組と2組、そして学年担任で3人のローテーションを組む。 一週間交代で担... 続きをみる

  • 教育随想 1041回 言葉が渇き その重みがなくなった

    供たちの登下校の行き帰り。 学校でおもしろかったこと、いやなことの不満が聞こえてくる。 しかし、その話を周りの子が同意しているわけではない。 どちらかという聞き流しの状態である。 友だちの不満を自分のものとして受けとっていない。 ある子は、自分の気に入っているゲームの話をしている。 不満の話もゲー... 続きをみる

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  • 教育随想 1040回 問題は わかったら迷え

    理科や社会の問題解決学習において最後は結果、結論にたどり着く。 そして、結論を出したらすぐに正しい知識として指導者は子供たちに理解を求める。 どのような結論であっても、そこには、角度を変えると疑問がわく。 その疑問こそ、学びの一歩である。 学びは疑うことである。 本当にそれでいいのか。 それでは、... 続きをみる