教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 81回  ペアによる「違いを見つける」「感想を加える」指導

前回は、ペアによる聞く指導、相手の意見の代弁者にすることでした。
代弁する内容を少しずつ長くしていき感想発表を代弁するようにします。


今回は、指導例「違いを見つける」


ペアによる話し合いの結果、相手と自分の意見の違いを見つけて代弁します。
聞くということは、常に、自分の考えと照らし合わせて聞いています。
(本当は、自己を無にして聞くことも必要ですが・・・先入観なし)


お互いに相手の話を聞いて「ここが同じ」「ここが違う」ということを発表させます。できることなら、「違う」ことだけを発表させます。
同じ意見であっても、その強さ、ニュアンスが違っているはずです。
うまくできない子には、同じであるという意見だけでいいです。
他の子どもたちの話を聞いて、少しずつ学ばせるようにします。


違いを見つけるというのは難しいです。
自分の考えが明確であることが前提です。
だから、話し合う前に自分の考えをノートに書かせます。
自分の考えを練ってから発表に入ります。
たとえ、一行だけでもいいです。
思考のかけらでいいです。


聞く指導とは、つまりは思考訓練です。
「考えながら聞く」「聞いて考える」


ペアで話す内容ですが、最初は、考えがわかれるものがいいです。
これも短い言葉で発表できるものから少しずつ長くしていきます。
「先日の校外学習の感想を一つ言ってください」



指導例「相手の考えに自分の感想をつける」


相手の考えたこと、思っていることを聞いて、自分の感想を付け加えます。
少しずつ難しくなっていきます。
「○○さんの考えはこうです。それについて、私は・・・と思いました」
難しいので、発表させる前にノートにまとめさせます。
そのあとで発表するようにします。
書くという行為は、思考するためのクッションです。
書くという行為は、自分と向き合って自分の心を見つめ直すことです。
心の声をすくい上げる営みです。
それは自分を深く掘り下げる行為です。


指導例 「意見ラリー」


今までの指導と平行させて実施します。
全員起立。
社会科などの資料、特に、わかりやすい絵が最適です。
「絵を見てお互いに自分の思ったこと、気づいたことを出し合いなさい。」
「ただし、交代で話します。」
「5秒間以上、間が空いたら座りなさい。」
「できるだけ長く離せるようにします。スタート」
ペアの相手の話につなげながら話すようにします。


これは、聞いて自分の考えを続ける練習です。(考えのラリー)
間合いの時間制限は、子どもの実態に合わせます。

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