教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年7月のブログ記事

  • 教育随想 133回  誤解を越えて分かり合うことが話し合い

    棒読みのような話し方、発表の仕方を見直してみませんか。 わざとらしい話し方もどうなのでしょうか。 学校の話し合いが、社会生活での話し合いと、かけ離れていることがあります。 話しているときに、相手は本当に自分の考えを理解してくれているのだろうかという不安。もしかして、誤解、曲解されているのではないか... 続きをみる

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  • 教育随想132回 厳しさは やさしさの裏返し

    1学期・・育てる、入れる 「育てる」ということについてイメージを持ってください。 花を育てる。野菜を育てる。 いきなり花で咲きますか? いきなり野菜ができますか? できませんね。 まず、土づくりです。子どもを取り巻く環境づくりです。 土に肥料を入れて花を育てる環境をつくります。 花を直接的に大きく... 続きをみる

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  • 教育随想 131回 授業実践を通して、生徒指導も学級づくりも

    今回は、学級経営、学級づくりの核になる考え方をお話します。 今までにも何回もお話してきたことですが、やはり、何度も原点に立ち返ることが必要だと考えます。重複するところはお許しください。 学級経営とは 学級という集団を高める中で、子どもたち一人一人の自立、自律と社会性を育てることです。 「自立」とは... 続きをみる

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  • 教育随想 130回  先生はぼくの家来や 学級のボス

    指導記録より 5年生男子 自分の思いどおりにしようとする。 自分が友達よりも先に聞いていないとおこる。 いわゆる学級のことをしきりたいのである。 問題集の誤答直しを要求しても「パス」と言ってしようとしない。 まわりの子も、暴力を振るわれるので、その子におびえている。 前担任もその子のいい分を聞いて... 続きをみる

  • 教育随想  129回 働きかけるものが 働きかけられる

    子どもたちを指導していくとき大切だと思うことがあります。 子どもたちに話しかけられることはあっても、先生が自ら子どもに話しかけることは何回あるだろうかということです。 朝、子どもたち一人ひとりに挨拶をします。 その時に、少し言葉を添えるようにします。 「今日も天気だね」「気持ちのいい朝だね」「昨日... 続きをみる

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  • 教育随想 128回 黒い服しか着ない少女

    指導記録より いつも黒の服しか着てこない女子 心の中を見せまいとする。 すべての感情を閉じ込めてしまっている。 「先生 わたし 黒しかきないの」 「いいじゃない 落ち着いていいよ」 目の下に表情がなく硬い。 彼女からからのサインは多い。 すねる きつくなる 言葉が乱暴 「どうしたの 何かあったんだ... 続きをみる

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  • 教育随想 127回 漢字練習 何回書いたら覚えるのでしょうか?

    宿題を子どもたちが家に持ち帰る場合、すべての子どもが自力で解決できることが前提です。 ある子どもはできないので、保護者に家で教えてもらっています。 少しならいいのですが、大部分を教えてもらっています。 その子は言います。 「ぼくは、頭がよくないから学校と家の両方で教えてもらわないとだめなんだ」 ま... 続きをみる

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  • 教育随想 126回  促す 示唆 諭す 注意 叱るに至るまで

    できるだけ叱らないほうがいいといわれることがあります。 でも、私などは、どちらかというと待てないで叱ることがありました。 だめ先生ですね。 それでも叱ることは、時によっては必要だといわれることがあります。 しかし、先生が叱ったあとで、自分の行為を正当化していることがありま とがあります。私もその一... 続きをみる

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  • 教育随想 125 回 知識より皮膚感覚で学ぶ

    夏休みに入ります。 山や川に出かけると、子ども連れの家族に出会います。 川に足を入れて、魚を追いかけている子ども。 釣りをしているお父さんの横で、小さな竿をのばしている子ども。 森林の中を息をきらしながら歩いている子ども。 渓谷を流れる透き通るような水に足を委ねている子ども。 山頂での早朝、雲の間... 続きをみる

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  • 教育随想 124回   苦手な板書 授業の核

    板書は、私にとって苦手なものの一つでした。 文字を書くことが苦手でした。 字があまり上手くなくて苦労しました。 初任者のとき、はじめて黒板の前に立って、板書した時に、子どもたちから「先生、字が下手ですね。」と言われました。 前の担任の先生が、とても上手な先生でした。 その時から、放課後、授業の予習... 続きをみる

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  • 教育随想123回 先生、ぼくは絶対に宿題しないからね

    かつて宿題をしないことを始業式の時に宣言した子どもがいました。 「先生、ぼくは絶対宿題しないからね。むだなことはしないでください。」 と私に面と向かって伝えてきました。 彼がいうには、4年生まで宿題をしたことがないということでした。 5年生も同じようにするとのことでした。 正直驚きましたが、内心、... 続きをみる

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  • 教育随想 122回 夏休みの宿題の成果は 先生の学習指導の評価

    宿題が画一的に子どもたちに与えられています 保護者も宿題がなく遊んでばかりいる子どもを見ることが耐えられないようです。 一応、机に向かっていたら安心している保護者も多いかと思います。 だから、先生も一応、宿題の用意をします。その宿題で学力をどのくらい伸ばそうという思考は曖昧です。夏休み即宿題という... 続きをみる

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  • 教育随想 121回 明日の授業に直結する宿題

    ある先生が「保護者懇談会の時に、同じ学年で宿題の出し方が違う」という意見があったのでどのようにしたらよいかという相談でした。その学年は、計算ドリル、漢字ドリル、音読練習を課しているとのことです。  計算・漢字・音読は、それぞれ基礎的訓練的な宿題として定番のものです。  先生もその宿題をしておけば安... 続きをみる

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  • 教育随想 120回 親(先生)がよく使う否定表現   強制と押しつけ

     「しなさいといったらしなさい」  「先生がだめだと言ったらだめでしょ」  「母さんの言うとおりにすればいいのよ」 先生や親は子どもにとって、権力者です。 先生は、学校という看板を背景にして権力をもつことができます。 試しに、町中で子どもたちに注意してみてください。どんな言葉が、態度が返ってきま ... 続きをみる

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  • 教育随想 119回 先生や親が、よく使う否定表現 

    無意味な言葉だとわかっていても、つい、習慣的に使ってしまいます。しかし、よく考えると、それでいいのかという疑問が生まれます。 「はんかち持った?」「ちり紙は?」(世話) どうしても細かいところで世話を焼いてしまいます。妻は、大人になった長男にも同じような言葉を発しています。長男は「わかってる、うる... 続きをみる

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  • 教育随想  118回 悪(わる)と言われ続けた子ども 

     A君は、新学期が始まってから6月の中旬ごろまでは、友だちとのトラブルがたえませんでした。特に、すぐに手がでる子どもでした。 しかし、その原因は家庭にありました。 彼の父は家を出ていました。母子家庭として、母親が毎日、勤めておられました。問題なのは、大学浪人3年目の兄がいたことです。ほとんど、ひき... 続きをみる

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  • 教育随想 117回 ストレスをかかえる子 暴力をふるう

    先日、私の家に勉強に来られている現場の先生から伺った子どもの話です。 4年生の男の子。学級の友だちをける、たたくの暴力をふるう。 特に、自分よりも体力的、知的な面で下位にある友だちに対して、攻撃的な言動がみられる。自己中心的で、授業中、自分の意見が受け入れないと不機嫌になる。勉強は優秀で有名私立中... 続きをみる

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  •  教育随想 116回  緘黙の子ども 言葉を求めない

    手のかからない子どもよりも手のかかる子どもの指導の方が、私自身を成長させてきたと思います。 先生は、手のかからない子ども、素直な子、勉強のできる子、元気な子などを求めがちですが、果たして、先生にとって本当に役立つことなのでしょうか。 医者が毎日、風邪などの比較的軽い患者を治療していたら、その医者の... 続きをみる

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  • 教育随想 115回   教育現場に はたらくことを入れよう

    算数ができること、雑巾掛けが上手なこと、どちらが上ですか。 掃除が上手にできること、計算が得意なのとではどうですか。 漢字をよく知っていること、友達にやさしいことではどうですか。 勉強と生活に関わることを比較すると一瞬、躊躇しますね。 学校は、教室は、どこまでも勉強できる子が優位の社会です。 職員... 続きをみる

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  • 教育随想 114回 教える側のほうが楽です

    教える側から考えると どうしてあの子は宿題をしてこないのだろうか。 授業中、ちっとも勉強に関心を示さない。 テストしてもあれだけ一生懸命教えたのにできていない。 あの子にもっと勉強させたい。 そして、少しでも興味あるものを提示しようとします。 母親 食べたくないものがあると、細かく刻んで食べさせま... 続きをみる

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  • 教育随想 113回  厳しさ(突き放す)と優しさ(引き寄せる)のなかで

    叱ると比較される言葉が「怒る」ですね。 「怒る」のは、自己中心のただ単なる感情の表れです、これに対して「叱る」ことは子供に対する目的をもっています。 しかしながら、叱る行為の裏側には単なる自己中心的な怒りがないとは言えないです。 叱るときに使う言葉があります。 「あなたのことを思って言うのですよ」... 続きをみる

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  • 教育随想 112回 指導とは 言葉を出し惜しみすること

    「子どもをしつけるとき 言語を用いること強く戒しむるべきなり」(福沢諭吉) 「しつけ」が先生の言葉、助言、指示、命令によって「お」+「しつけ」で「おしつけ」になっています。 子どもに自分の思いを強く押しつけるからです。 なかには、しかって、どなって、おこってさせようとすることもあるでしょう。 それ... 続きをみる

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  • 教育随想 111回  獣医と人間の医者の違い

    韓国ドラマ「馬医」を視聴していると、次のような言葉を耳にしました。 「人間の医者は、患者を診る→症状を聞く→必要なことを問いかける→それから触れるけど、馬医は、動物は言葉をださないので、診る→触れるの二つしかないのです。」 ふだんの教育に置き換えます。 診る・・・子どもの事実を詳細に観察 聞く・・... 続きをみる

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  • 教育随想 110回  6月から7月 表れる学級の小さな事実を大切に

    4月と比べて、学級が変化してきたこと、小さな変化でもいいので列挙してみます。その事実の中に、先生の財産となる指導の技術があるはずです。それらの事実は、単なる偶然なのか必然なのかということです。 小さな小さな事実、そこから先生方は、子どもの現実の姿にたどりつき、そこから指導方法なるものが生まれてきま... 続きをみる

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  • 教育随想 109回  6月 学級の中に潜んでいた問題 表面化

    先日、勉強会に来ておられる先生から伺った話です。  前の学年の時からくすぶっていたけんか、いじめが表面に表れたということでした。もともと、仲のよい男女だったのですが、いつのまにか、お互いを責め合うようになったそうです。 先生のいない時に、その罵りあいがでていたようです。 一方の子どもが、家で母親に... 続きをみる

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