教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 61回 授業の 縦軸 横軸

授業の縦軸とは、教科目標、教材目標に向かって、主体的に学ぶ能力です。
そして
授業の横軸とは、集団の中で自分を律する自己能力。
共に学び合う仲間を意識して、自分を律することを通して学びます。
相手の考えをじっくりと「聴く」ためには自分を律することが要求されますね。


集団の中に自分を投げ入れて養う社会力。
 社会力とは、集団の中に自分の力を寄与させる能力
学習において、自分の考えをしっかりと伝え、仲間とともに話し合い、考え合っ ていく能力です。


 集団から学びとる能力
 友達の考えに謙虚に耳を傾けて、学び取ることを通して自分を高める能力です。
  
学習の場面
集団学習では、自分の力を学級のために、友達のために発揮できる場面が多いです。自分が発言したことが、友だちの考えを深めるきっかけになったり、課題に新しい視点を提供したりすることがあります。
授業の最後に子どもたちに問いかけます。
「今日の勉強で、みんなの勉強を広げたり深めたりした考えをだした人はだれでしょうか」
友だちから自分の考えや行動を認められたとき「ぼくもみんなの力になれるんだなあ」という喜びを感じます。
学習場面は、自分の考えをみんなのために発揮しようという意欲を生み出しやすい環境です。


係・当番活動の場面
係活動が学級の友だちのくらしを楽しいもの、便利なものにしたという実感をもつことができたなら、彼らは、係・当番活動に意欲を膨らましていくことでしょう。


一週間の終わりの朝の会か終わりの会、あるいは学級会などで、「各係からの報告タイム」のコーナーを設けて、実践と反省を報告したあと、学級の友だちからよかったことや要望を聞きます。
係でも当番活動でも、実践・反省・提案などを常にオーブンにする場の設定が必要です。


集団から学びとる能力
社会生活を営む上で、とても大切な能力ですね
学習場面で友だちの意見を聞きながら、自分の考えを組み立ていく営み。友だちの発表に自分の思考のきっかけを見いだすとき、みんなで考えあうことの、学びあうことの楽しさを満喫します。


友だち同士のコミュニケーション形態を多様化、ペア、班、有志、学級全体で話し合いをします。
話し合いは、話すことではなく、聞き合いの活動です。
話すことは大切ですが、それ以上に、友だちのの考えを吸い取るように聞く姿勢を学ばせたいものです。
授業の中で、子どもたちが発言したとき、それが「誰の考えがヒントになったのか」と聞いていくことで、自分の考えが常に、友だちの考えに刺激されたり、土台になったりしていることを意識させていきます。


子どもは、話すことよりも「聞く」ことが「聴く」ことが苦手です。
話すことは、自我をだせぱいいのですが、「聴く」は、自我を少し小さくしなければなりませんね。
聴くことは、自分の心を「空」にすることです。難しいことです。友だちの心のうちに、自分を投げ入れることが「聴く」という意味ではないでしょうか。
話し合いをつなげられるようにするには、「聴く」という行為をしっかりと指導することが必要です。

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