教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年9月のブログ記事

  • 教育随想183回 「ごんぎつね」と私 物語文の教材研究とその指導8回

    5場面  「おれは引き合わないなあ」と思うごん 「ごんぎつね」の作品のクライマックスは、最後の6場面、ごんの死のところとされています。私にとっては、(あくまで私の思いとして)ぢかぅように思います。 ごんの行動の事実としては、「うたれる」という事実はクライマックスですが、ごんにとっての心のクライマッ... 続きをみる

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  • 教育随想182回 「ごんぎつね」と私 物語文の教材研究とその指導7回

    4場面 兵十と加助の会話に寄り添うごん 「月のいいばん」 月のいいばん、あたりは、月明かりで照らし出されている。 シルエットがくっきりと見える場面である。 松虫の鳴く声。静かな場面である。 人の話し声。 逃げるのではなく、「道のかたがわ」にかくれているごん。 兵十と加助であることを知ると、もう、気... 続きをみる

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  • 教育随想181回 「ごんぎつね」と私 物語文の教材研究とその指導6回

    3場面 ごんの償いの始まり 1.教材の研究 再び、ごんは兵十の家を訪れる。心配になったのだろう。 「物置の後ろから見ていた」ごんは、兵十の家の敷地の中に入っている。 ごんが兵十に近づき始めている。兵十に対するごんの心の距離でもある。 しかし、ここでも、彼は大きな誤解を生むことになる。 「おれと同じ... 続きをみる

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  • 教育随想180回 「ごんぎつね」と私 物語文の教材研究とその指導5回

    1.教材研究…兵十のおっかあの死 「ああ、そうしきだ」と、ごんは思いました。 どこで、葬式だとわかったのか。 ごんの観察力はすばらしい。 「家内がかみをすいて」・・・ふふん、村に何かあるんだな。 「秋祭りかな。たいこや笛の音がしない。お宮にのぼりが立つにはずだが」 「家の中には、おおぜいの人が集ま... 続きをみる

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  • 教育随想179回 「ごんぎつね」と私 物語文の教材研究とその指導4回

    今回は、「ごんぎつね」の一場面の後半です。 1.教材解釈 一場面後半 「ある秋のことでした。」 「二、三日雨がふりつづいた」「ごんは、外へも出られない」「あなの中にしゃがんで」 あの暗いじめじめした穴の中に体を動かすことなくしゃがんでいるごん。 三日間、ごんは、どんな気持ちで穴の中にしゃがんでいた... 続きをみる

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  • 教育随想178回「ごんぎつね」と私 物語文の研究とその指導 3回

    一場面の前半の指導です。先生によっては、一場面を一時間で指導されるようですが、私は、どうしても前半で切ることにしました。 最初に、ごんの境遇、住んでいる環境、そして、ごんの行動から、ごんについての理解を深めさせたいと考えました。 ごんの原点は、しだのいっぱいしげった森の中のほらあなにあります。 こ... 続きをみる

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  • 教育随想177回「ごんぎつね」と私 物語文の研究とその指導2回

    今回は、1場面の前半の指導過程についてお話しますが、その前に漢字と感想発表の指導も入れます。 国語学習には、準備学習、読み取り学習、振り返り学習の3つに分けています。準備学習は、読み取りのために必要な言葉や漢字そして、感想をもつ学習をいいます。2,3時間程度使います。 授業 漢字の下調べをする。 ... 続きをみる

  • 教育随想176回「 ごんぎつね」と私 物語文の研究とその指導

    国語学習において、物語文の指導ほどおもしろいものはないです。 かつては、読解指導が中心でしたが、そこに偏りすぎているということで、読んで作文、読んで発表、話し合いの指導が教科書の中心を占めるようになっています。 さらには、教科書の本文のあとにある手引きが詳しくなりました。 国語指導を苦手とする先生... 続きをみる

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  • 教育随想 175回  「ためこまないではきだそう」中学校の校門の掲示

    「ひとりで ためこまないで はきだそう」 ある中学の門のところに掲示されていました。 自分一人で自分の悩みを抱え込まないで、友だちや周りの人に思い切って話してみようということだろうと思います。 ためこんだだめに、悲しい事件が起きています。 しかし、私は、この言葉を読んで考えてみました。ひっかかる言... 続きをみる

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  • 教育随想 174回 情報の洪水の中を 泳いでいる子どもたち

    子どもたちが調べ学習をしていると、課題に関係のありそうな資料を集めるのですが、それは課題を解決するための資料でないことが多いです。ネット資料で調べるときは、そのことがさらに顕著になります 子どもたちは、調べるということの意味を理解していないように思えます。 知識を得るということが、テレビのクイズ番... 続きをみる

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  • 教育随想 173回 先生は人気スター、黒子、パートナー

    先生誰しも子どもに好かれたいと思うものです。 特に、若い時は、子どもたちの人気者になりたいという気持ちはどこかにありました。 そのために、子どもたちの要求を無条件に受け入れることもありました。 自分から子どもたちと一緒に遊ぼうと誘うこともありました。いわゆる、子どもにいい顔をすることでした。 しか... 続きをみる

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  • 教育随想 172回  先生は 沈黙で子どもに語る

    テレビをほとんど視聴しなくなりました。 たまに、テレビをつけると、バラエティ番組の騒がしさに困惑します。 言葉が流されてしまっています。 言葉に重みがなくなり、ひたすら、刺激的な口調だけが番組を支配しています。 会話の中に沈黙がありません。 先生が子どもに話すときはどうでしようか。 授業において、... 続きをみる

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  • 教育随想 171回  子どもは 教えた以外のことを学ぶ

    「今、説明したでしょ」「何回も教えてきたでしょ」「何回、教えたらわかるのよ」 子どもたちは、その先生の姿、威圧的な姿、言葉をまねるようになります。友達に話す言葉「今、言ったのに聞いていなかったのか」と、友達を責めます。 修学旅行で水族館の見学をした時のことです。 ある都会の小学6年生が、水族館の中... 続きをみる

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  • 教育随想 170回 先生の言葉は  実践に裏打ちされている

    「先生は、自分の実践の中から言葉を発しなければならない。」と、若いころから尊敬する先生によく言われてきました。 自分が成し得たこと、成し得なかったこと、失敗したことなどの中から、自分の理論を構築しなければならないと考えます。 参考書の理論は出発ではなく、いろいろと実践されてきたことをつなげる時に活... 続きをみる

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  • 教育随想 169回   教育 その虚しさ

    子どもが学習に積極的になってきた、忘れ物をしなくなった、発表するようになってきたなど、先生にとって、そのような子どもの姿を目にするとうれしいものですね。 目に見える形で子どもが変容していくとき、先生という仕事にやりがいを感じるものです。 子どもの小さな変化に心を砕いています。どうすれば今の現状を打... 続きをみる

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  • 教育随想  168回  まずは子どもありき、教育は臨床

    子どもたちに「根性がたりない」とか「今ごろの子どもはやる気がない」などとぼやいたことがありました。 しかし、そのようにぼやいている私自身が「教師根性」があったとは言えません。 自分の理想に合致しないからといって愚痴をこぼすこともありました。 合致しなかったら、教育に対する考え方や方法を思い切って改... 続きをみる

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  • 教育随想167回 運動会終わった後の 意欲の落差に注意

    運動会と音楽会、その他学校によって大きな行事があると思います。 各地で運動会が実施されることでしょう。すでに終わったところもあるでしょう。 行事に向かって、子どもたちが真剣になって日々取り組んできた学年、学級は、運動会において大きな成果をだします。 先生も子どもたちも満足、納得します。 こうして、... 続きをみる

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  • 教育随想166回 音楽室から飛び出して 音を楽しむ音楽教育を

    かつて、ある市の音楽部の研修会で、音楽の先生の質問にお答えする形で研修会をお話させていただきました。その内容の一部を書きます。 これからの音楽教育にのぞむこと 学校現場で音楽専科に期待すること、意識してほしいこと 音楽教育には、他の教育に比べてハウツ-が少ないのではないかと思います。人間の感性を入... 続きをみる

  • 教育随想 165回 先生と子どもの関係「信頼」「尊敬」「新鮮さ」

    先生と子どもの関係は 信頼 尊敬 新鮮さ 先生がどんなに優れた技能と知識を持っていても、学習する子どもが心を開いて,耳を傾けてくれないと学習はまったく成立しません。すばらしい教材研究も無力に等しいものになります。  今、先生の肩書き、権威がなくなっている時、子どもと心を求めて開きあってつきあってい... 続きをみる

  • 教育随想 164回 先生の肩書は役に立たない

    「学校の先生の言うことを聞いて、しっかりきたえてもらいなさい」と言われて、親は子どもたちを家から送り出したあのなつかしい日々。先生は、何も言わなくても、「先生」という肩書きだけで、子どもたちを思いのまましつけることができた日々。 先生という看板だけで、親も子どもたちもついてきた時代は遠い昔のことで... 続きをみる

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  • 教育随想 163回 練習の習熟度を確かめ合う 運動会

    今は、どこの学校も運動会の練習に取り組んでいます。 ある学校では、校長先生自ら、各学年の運動会の練習の指導をしておられます。体育の好きな校長先生だそうです。 リーダーシップを発揮して、頑張っておられます。 ところが、その学校の先生に運動会の練習の様子をお聞きすると、以下の意見が出されました。 「ダ... 続きをみる

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  • 教育随想 162回 学習意欲の広がりとしての学習研究会

    学習をさらに主体的なものにするには、子どもたちの学習のあり方を少しずつ自由にしていくことが必要です。  研究会は、子どもたちが運営する教科学習の自主的グルーブです。 研究会は子どもたちの学習意欲が学級全体として高まってきたときに始めることができます。しかし、一年間の前半に実施しても逆効果です。 で... 続きをみる

  • 教育随想 161回 学級全員の意見を出し入れできる 実行委員会

    係活動は年間を通しての組織活動です。 しかし、学級全員の課題を考えるのは、実行委員会制度のほうが効果的でした。 学級の課題を設定して、全員の意見を出し合える場をつくるのが実行委員会です。 学級に実行委員会のしくみをつくると、全員の子どもたち全員の意見が集約され、お互いの考えの差異を意識しながら結論... 続きをみる

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  • 教育随想160回 日記指導 字数制限から時間制限へ 書き出しから文末提示へ

    日記に自分の思いをしっかりと表現できるようにするためには、いくつかの方法があります。 私の実践した方法を紹介します。 一行日記 子どもたちのなかには、書くことが苦手な子がいます。そのために、最初は「一行日記」から始めます。それ以上書いてはいけません。自分の一番書きたい思いを一行で表現させます。 書... 続きをみる

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