教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年11月のブログ記事

  • 教育随想 223回 授業の成果は 子どもの表情が語る

    授業参観をさせていただくときに、私が観察するポイントがあります。 教室の後ろから参観しないことです。 子どもたちの表情がほとんど見えないからです。 教室の横、できれば前よりに参観の位置をとります。 子どもの表情のみを観察します。 先生の言葉やしぐさは、背中で聞くようにします。 先生が何を根拠に授業... 続きをみる

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  • 教育随想 222回  かけこみ授業

    学期末になると多くの学校にみられる風景です。 「もう時間がないから、この場面はとばしましょう」 「ここは、2時間分の学習を1時間でしましょう」 終業式までには、教科進度がどんなに遅れていても、きちんと終わっています。終わらせています、この不思議な現象。 教材内容を簡単に割愛してもいいのでしょうか。... 続きをみる

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  • 教育随想 221回  問うことを学ぶ授業(実践を通して)

    ヒントは答えを求めさせるだけではありません。 むしろ、考えさせるためのヒントを与えるべきだと考えます。 どのような時にどのような問いをだしたらいいのかということを大切にします。 物語文などを学ばせる場合、主人公の視点から読みとる学習が多いですが、主人公を取り巻く人物から主人公を眺めたときの彼の思い... 続きをみる

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  • 教育随想 220回 授業とは、問いかけて一歩踏み込むように導くこと

    以前にも正答を求める授業が多いとお話したことがあります。 子どもたちは必死に、先生の求める正答に近づこうとしています。 特に、気になるのは、先生のやらせとしての質問、助言です。 先生が子どもたちに言ってほしいこと、先生の求める答えを子どもたちに求めるための質問、助言です。 先生が子どもたちに正解を... 続きをみる

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  • 教育随想 219回 授業者の手腕とは 子どもに身を委ねること

    自宅の周辺の緑道は、紅葉であふれています。 人生の秋と紅葉を重ね合わせるところから、紅葉が人気なのだと聞いたことがあります。 しかし、紅葉は「秋の終わりですが、やがて来る春の始まり」ですね。 春に備えて体の中に栄養を蓄える時期でもあります。 研究会等で言われる授業者の評価をいくつかあげてみます。 ... 続きをみる

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  • 教育随想 218回 話し合い学習で 話し合いが目的化する授業

    私は、長年、話し合い学習を目指してきた一人です。 私が若い時に、話し合い学習と称する参観授業でいつも疑問に思うことがありました。話し合いにこだわるあまり、その学習内容が深まっていかないことでした。おしゃべりだけで終わっていることも多くありました。 でも、子どもが話し合っていると、子ども中心の学習の... 続きをみる

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  • 教育随想 217回 先生の無表情が 子どもを束縛から自由にする

    「どうやれば正答が出せるか」 子どもたちは、教室で正答を求めにきています。 参観授業をみていますと、子どもたちは、先生の言葉の中から、表情の中から、先生の指示や思いを見つけだそうとしています。 一人の子どもが発言します。 すると先生が「それでいいのかな」正解が他にあることを示唆しています。 「そん... 続きをみる

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  • 教育随想 216回  学びは 学び手がわかることではなく 迷い揺れ動くこと

    先日  勉強会での話です。 ある先生が研究授業をされました。 算数の授業です。 時間が足りずに10分以上、授業が延長されたということでした。 私は気になったので、そのあとの職員の反省会でどのような内容の反省がでたかを尋ねました。 自力解決に時間がかかりすぎて時間がたりなかった。 深い学びあいができ... 続きをみる

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  • 教育随想 215回 授業は  教科書を見ないで子どもを見る

    授業するとき、教科書を持って子どもたちに向かいます。 しかし、できるだけ教科書は教卓の上におかれるほうがいいです。必要に応じて見ることはありますが、できる限り教科書を自分から遠ざけるようにします。 その理由は子どもたちから目が離れるからです。 授業している時は、子どもたちに指導している時は、子ども... 続きをみる

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  • 教育随想 214回 学習に子どもを近づける? 子どもに学習を近づける?

    「学習に子どもを近づける」 指導案どおりに授業が行われます。 少しぐらい子どもがわからなくても、自分の考えた案にしたがって学習が進められていきます。 これは、学習を中核に授業を進めるやり方です。 教材という列車に子どもたちを無理矢理に乗せて走ろうとします。 そして、「わかったね」「どうしてわからな... 続きをみる

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  • 教育随想 213回 授業の導入 あれ? ひっかかりをつくる

    4年生の算数の学習に「大きい数のしくみ」があります。 「億や兆の単位を知り、十進位取り記数法について理解を深め、数を用いる能力を伸ばす。」というのが単元目標です。 大きい数は、子どもたちにとって量感を伴って理解するには限界があります。 しかし、社会科の資料を読み取るときもそうなのですが、日常生活に... 続きをみる

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  • 教育随想 213回 子どもの頭上を滑っている言葉

    先日、次のような授業風景を目にしました。 3年生の鉄棒の授業です。 子どもたちがそれぞれ鉄棒に向かって、自分の技を練習しています。 それに対して、先生が声をかけられています。 上手にできた子どもに対して、叫ぶような声で「うまかった、うまかった、うまかった」と言葉をつなげていました。誰に対しても同じ... 続きをみる

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  • 教育随想 212回 かこまれ、よびかけ、たずねる季節を求めて

    どの学年の教科書にも季節に関する言葉の学習があります。 高学年では短歌や俳句として登場します。 季節を捉える言葉の学習は素敵だと思ってきました。 先日、勉強会に来られている先生が国語「秋を見つけた」という学習のお話をされました。その中で、秋を見つけようと校庭に出たけどカエデの葉っぱが赤くなっていな... 続きをみる

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  • 教育随想 211回  「話す」ではなく「話しかける」指導を

    「みんなにわかるように話しなさい」 「みんなに向かって話しなさい」 「はっきりと話しなさい」 「きちんと話しなさい」 「ていねいに話しなさい」 このようなことが子どもたちに指導されています。 必要なことですね。 しかし、これは話す訓練です。 聞き手が誰でもいいわけです。 特定の聞き手を意識していま... 続きをみる

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  • 教育随想 210回話す・聞く 指導 誤解し合ってわかり合える話し合い

    今回は、「話す・聞く」ことについて少しだけ掘り下げてみます。 話すということについて、再度考えてみます。 話すというのは、自分の思いを伝えることではないです。 話すというのは、常に、聞き手が前にいます。 その聞き手に「気配り」「配慮」することではないでしょうか。 自分の言いたいことがうまく伝わって... 続きをみる

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  • 教育随想 209回 話す・聞く 指導  さわやかに  ごめんね  ありがとう

     さわやかにごめんね   質問に答えてくれたら ありがとう  この2つの内容は、コミユニーケーションにおいて、最も大切なことかもしれません。話し合いが無機質なものに終始するか、それとも、ぬくもりがあり、お互いに気配りしあえるものになるかの分かれ道です。 「ごめんなさい」は「御免」の丁寧語で、こちら... 続きをみる

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  • 教育随想 208回 話す・聞く 指導 話し手に気づかせる 聞き手の指導

    「言葉をはっきりと」当たり前のことで申し訳ありません。 そんなことわかりきっていることだよと言われそうです。 しかし、子どもたちに気づかせるように指導することは難しいものです。 「はっきり言いなさい」という指示のみで終わっていることがあります。 わたしも含めて、自分がはっきりと言葉を発しているかは... 続きをみる

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  • 教育随想 207回 話す・聞く 指導 くどくど言わずに結論から先に

     「くどくど」とは、 「聞き手がうんざりするほど同じことをしつこく繰り返して言う様子」                                    (新明解国語辞典より)  子どもの話は要領を得ないことが多いです。  言いたいことを後から後から付け足すことがあります。  一度話したことも... 続きをみる

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  • 教育随想 206回 話す・聞く指導(5)  答えられないも答えている

    たずねられたら「かならず答えて」(聞き手として)  先生と子どもの場合から考えます。 先生が子どもに質問します。その子がなかなか答えようとしません。 先生は、その子に向かって「黙ってないで早く答えなさい」という要求をだすことがあります。  誰かに尋ねられたら必ず答えるというルールですが、果たして、... 続きをみる

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  • 教育随想 205回 話す・聞くの指導(4) 笑顔でこたえる・おかしくても笑わない

    笑顔でこたえる 友達に質問されたり、頼まれたりしたら、いやな顔をせずに笑顔で「いいよ」「わかった」「やってみよう」とこたえるられるとうれしいものです。 しかし、笑顔で返すということは難しいことですね。 笑う(笑顔もふくめて)という行為は、その場の雰囲気を明るく和やかにします。 さらに、人と人がつな... 続きをみる

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