教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2023年7月のブログ記事

  • 教育随想994回 一学期実践(8)  怒らない 怒れない

    2の段階 一人ひとりの子どもの心をひきつける 新学期に子供たちが試してくるのは、先生を怒らせることです。 椅子や机のガタガタという音、どの程度で先生は怒るかを試します。 授業中のごそごそ、手悪さ、姿勢、隣とのおしゃべり・・・ 先生の怒る基準を見つけようとします。 子どもたちの生活の自由度を探るため... 続きをみる

  • 教育随想993回 一学期実践(7) 子供が自力で克服、修復できるために

    2の段階 一人ひとりの子どもの心をひきつける 「学習を含む学校生活のなかでグダグダ注意を乱発しない。」 どんなことがグダグダになるのか。 どこまでがグダグダ注意になるのか。 これはとてもあいまいです。 それでも、内容と程度によっては必要な時がありますね。 用具の使用法 筆箱の中身についての注意。 ... 続きをみる

  • 教育随想992回 一学期実践(6)たかが返事されど返事「先生のはい」

    今回から2の段階入ります。 2の段階 一人ひとりの子どもの心をひきつける 2番目のこと 「先生」という呼び声に「はい」と明快に受け止める。 子どもに「先生」と呼ばれたら返事しますね。 これを取り上げたのは、先生と子どもとのつながりにおいて重要だからです。 子どもに「先生」と呼ばれたら、「はい」とし... 続きをみる

  • 教育随想 991回 一学期実践(5) 子どもからの話 どこでも聞く

    今回から2の段階入ります。 2の段階 一人ひとりの子どもの心をひきつける 1番目のこと 子どもからの話 どのような場合でもその場面で聞く 子どもが先生に対して話しかけるのと、子どもが先生に話しかけるのとでは大きく違います。 先生は何気なく話せても、子どもは緊張感を伴います。 まして、学習に関する質... 続きをみる

  • 教育随想 990回 一学期実践(4)  笑いよりも 笑み 微笑み

    前回に引き続き、 1の段階 一人ひとりの子どもの心を捉える 4番目のこと  一人ひとりの子と笑顔が交わせられるようになる 教室に笑いがある学級は和やかな空気を醸し出します。 授業において笑いがあるのはさらにいいですね。 ただし、ギャグの笑いではなく学習に関する自然な笑いです。 この学習に関して子ど... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想 989回 一学期実践(3) 一人ひとりの特質を把握する

    前回に引き続き、 1の段階 一人ひとりの子どもの心を捉える 3番目のこと  学習、生活のなかで一人ひとりの特質を把握する 子どもの特質について少しずつ把握します。 他の子に比べて、その子だけに見られる性質、行動についてつかむようにします。 これは決して難しく考える必要はありません。 まずは、一人一... 続きをみる

  • 教育随想 988回 一学期実践(2)  何気なく言葉を交わす

    前回に引き続き、 1の段階 一人ひとりの子どもの心を捉えることです。 1の段階 2番目の手だてとして 一人ひとりの子と何気なく話をかわす。 初日から三学期終了まで。 全員の子と毎日、話をかわすことは難しいです。 できない日もあります。 かなり意識的に実行する必要があります。 登校時、私は、教室で子... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想987回 一学期実践(1) 名前よりも顔(表情)を覚える

    もうすぐ夏休みで一学期が終わろうとしています。 子どもたちにとって、かけがえのない学級を少しは生み出せたでしょうか。 今回は、4月から7月までの実践の骨組みをまとめます。 4月から始まり7月までの実践を5段階に分けてお話します。 私の個人的な実践にもとづいたもです。 今まで書いたことと重複すること... 続きをみる

  • 教育随想 986回  子どもに沈黙で伝える 以心伝心

    究極の言葉は沈黙ではないだろうか。 沈黙から沈黙へと伝える。 言葉を介さないで伝える。 以心伝心とは 「言葉によらず、互いの心から心に伝えること。  言語では説明できない深遠、微妙な事柄を相手の心に伝えてわから   せること。」 先生は子どもたちに言葉を通して教える。 言葉で理解させ、言葉でできる... 続きをみる

  • 教育随想 985回 記号として言葉 心をのせる言葉

    今年も教員試験の指導をさせていただきました。 そこで、最も強く感じたことは、言葉の問題です。 言葉に深みがなく、メールをうつように記号化しているように感じました。 言葉の裏にある感情、思想が見えてこないのです。 日常生活において、言葉は重要なアイテムです。 少なくとも作業・伝言などの要件を伝えるた... 続きをみる

  • 教育随想 984回  学校の先生が 期待する 都合のよい子

    先生が期待している子どもがいます。 先生と話しているなかで、はっきりとは言われないですが、話の奥に求めている子どもの姿を感じます。 その例としてあげてみます。 何事も ハイハイ と言える子    素直な子 いつも ニコニコ している子    明朗な子 いつも ハキハキ している子    社交的な子... 続きをみる

  • 教育随想 983回 企業が期待する人間像と 指示待ちの子供

    企業が期待する人間像 あるトップ企業の重役の談話より・・・・・これも10年以上も前の話 これからは頭がいいだけでは困るんです。 というよりは、頭のいいことの弊害のほうがめだつのです。 つまり、秀才というのは試験の成績のいい人間です。 これは、言い換えると、答えのわかっている問題を上手に解く能力があ... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想 982回 先生の自己満足 子どもの有難迷惑

    中学校の子どもから聞いた話です。 学級担任の先生の教科の時間です。 勉強を止めて卒業を前にした生徒たちの行動について説教をしたそうです。 長々と説教したあと、「先生は君たちのことを本気で心配していることをわかってくれ」と言葉を結んだそうです。 その時、一人の生徒が立ち上がって先生に向かって言いまし... 続きをみる

  • 教育随想 981回 「居残り勉強」(残して)から「残り勉強」(主体的)へ

    ある作家の少年時代のことがのっていました。 その方は、通産省の高級官僚だったそうです。 その方の小学校時代のお話がのっていました。 「学校の先生は不得手な科目ばかりを教えて、私の好きな科目はあまり教えてくれませんでした。不得手な科目は当然嫌いな科目で、その時間が増えて好きな時間が減るという残酷な話... 続きをみる

  • 教育随想 980回  先生の二学期も 夏休みから始まる

    夏休みも近くなってきました。 先生方は、どのような気持ちで夏休みを過ごされるでしょうか。 夏休みは休暇ではありません。 自己研修期間です(有給) 「やれやれほっとしました」 子どもたちとうまくいかないことも多かった。 学級に少し乱れが出てきて修復に時間がかかったなあ。 集団になじめないA君の対応に... 続きをみる

  • 教育随想 979回 夏休み前に 二学期の学級生活 開始

    今までのお話は、4年生以上の子どもについて実践してきたことです。 今回、お話するのは、夏休みに空白をつくらない。 子どもたちの意識を少し学校生活に残しておくのがねらいです。 夏休みという期間を9月からの活動のために生かせるようにします。 夏休み前の二日間で二学期の学級づくりをします。 まずは、二学... 続きをみる

  • 教育随想 978回 夏休みは二学期の始まり 前回の続き

    前回、夏休み前から二学期は始めると伝えました。 そのために、夏休みに入る前、今からすべきことがあります。 そのことを前回に続きお話します。 前もって掲示する場所を子ども一人ひとりと相談します。 特に、絵や自由研究、工作については、どのくらいのスペースがあるかを相談して決めます。 そして、そのペース... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想 977回 夏休みは二学期の始まり その1

    一年間の見通しを以前にお話ししました。 一学期は、学級の始まりで揺籃期でした。 二学期は、充実期です。 三学期は発展期です。 さて、夏休みをどのように位置づけますか。 一学期と二学期の間の中休みとして捉えられることが多いでね。 夏休みの生活は、一学期に培ってきた結果、成果が表れます。 特に、学習に... 続きをみる

  • 教育随想 976回 授業 児童と教材のお見合い 児童理解

    現場の先生と授業についてお話すると、あることに気づきます。 質問の多くは「どうしたらいいか」という方法論が多いです。 先生に質問します。 「この国語の教材、何回読まれましたか」 最低、一週間前から毎日読む。 読むたびに、教材に対する新しい認識が生まれる。 読むたびに、以前の理解と異なってくることが... 続きをみる

  • 教育随想 975回 授業 想定外のことが子供たちからの贈り物

    授業は子どもと先生との協同的な営みである。 同じ目標をもちながら、子どもたちと切磋琢磨していく物語である。 指導者が一方的に、自分の都合で子どもを引き回すことではない。 指導者は、自分の到達目標とそれに至る道筋を持っている。 その目標にたどりつくように子どもを導いていく。 子どもたちの意見を切り捨... 続きをみる