教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 364回   学級経営と学級づくりは 違いますね                              


生徒指導は必要ありません。
必要ないと言ってしまうと反論がおこります。
少なくとも学校教育において中心になるものではありませんね。


生徒指導の実情
子どもを個室に呼んで、問題を起こした子どもを指導します。
その子の事情、言い訳などを聞いて、「これからはね・・」と注意します。
学校によっては、担任、生徒指導の担当、教頭などで行われます。
生徒指導は子どもとの対話を大切にするように言われます。
しかし、子どもたちは、自分の都合のよい話を伝えます。
高学年になると、「謝ったらいいや」と思う子どもが多いです。
先生方は、指導しておきましたと言われます。
それは、悪いことだと言い聞かせたということです。
子どもが納得したのではありません。
先生の権力に従ったというだけです。
もちろん、そうでないケースもありますが・・・。
しかし、また、子どもたちは、同じことの繰り返しが始まります。
先生は愚痴をこぼします。
「あれだけ指導したのに」
指導できていないから問題を繰り返す子どもたち。
生徒指導は学級経営の核ではありません。


学級経営の核は授業(学習指導)
よく、あれている子どもたちの学級があると、「まず、生徒指導を徹底しよう」と話し合われます。
生徒指導ができていないと授業はできないと言われることがあります。
あるいは、学級経営ができていないと授業ができないという声もあります。


授業(学習指導)で子どもたちを教え育てることで、子どもたちの変容があります。
あくまで、生徒指導は、子どもの指導を補うものです。


順序が逆なのです。
子どもたちの学校生活の中心は学習です。
最も多くの時間を割いて子どもたちを指導します。
授業で教えるという行為と育てるという行為の結果として、学校教育目標に求める子どもの姿が達成されます。


学級経営とは何か
学級をどのような集団に育てるか。(先生の願い)
学級に何を望んでいるか。(子どもの願い)
この両方のことが合わさったものが学級づくりです。
学級経営における学級づくりです。
学級づくりとは仲間づくりです。
仲間づくりとは子どもたちの社会性を育てるものです。


学級経営は、学級づくりを含みます。
学級経営とは
「一人一人の学習意欲を中核にして、集団の生活機能を高め、学習効果の発展を願う教師の活動の総括をさしています。」


「授業における学習意欲を中核」
授業において最も大切なことは、「教えること」ではなく「学習意欲を育てる」ことです。
いかにして、学習に対する学びの関心を高めるかです。
さらに、おもしろいから学び続ける姿勢を引き出します。


「集団生活機能を高める」
子どもたちが自分のことだけを考える集団から「みんなを第一にしている」集団に高めることです。
「ぼくが」「わたしが」を主張する子どもたちから、「あなたにとって」どうなのか、「みんなにとって」どうなのかを子どもたちが考えあう集団に育てることです。
ただし、その最初にあるのは「ぼくが」とそれぞれの子どもたちが自己主張する野性化集団です。

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