教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2019年10月のブログ記事

  • 教育随想 204回 話す・聞く指導(3) 簡単にうなずけない話し合いを

    子どもたちの話し合い学習で「うなずく」ことを求めた授業をいくつか目にしてきました。 私が最も印象的だったのは、話し手が話していると「うん」「うん」・・・と声に出して聞き手がうなずいている様子でした。子どもたちは、本当に了解して「うん」と言っているのか、きわめて疑わしかったからです。 さらに、話の合... 続きをみる

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  • 教育随想 203回  話す・聞く指導(2) 「はい」の意味は 

    返事とは、呼びかけに対して はい という答えを返すことです。 でも、なぜ「はい」だけなのでしょうね。 返事は、「返りごと」に漢字をあてて、それを音読みにした和製漢語らしいです。 以前は、贈り物の返礼という意味もあったそうですが、今では呼びかけに対する答えになっています。 呼びかけられたら「どうした... 続きをみる

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  • 教育随想 202回  話す・聞くのアイウエオ(1)

    学級づくりとは「仲間づくり」を意味します。  「お互いを支持しあえる子どもたち」を育てることをめざします。  そのための学習指導でもあります。  以前にお話ししましたように、学習指導には2つの意味を含ませています。  「自主学習」と「協同学習」です。合わせて「自主協同学習」です。  学習指導(授業... 続きをみる

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  • 教育随想 201回 話し合い学習を通して子どもの学びを育てる

    当時の記録から 「私と子供たちとのふれあいは、ほんのりと温かいものであった。それだけで毎日が充実しているように思った。しかし、これだけでは、子供も私も高まっていかない。子供たちの見方、考え方、感じ方を高めて自立させなければならないと考える。その一つの方法として、かねてから考えていた集団による話し合... 続きをみる

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  • 教育随想 200回 リーダーを育てる(5) 最後に動くリーダー

    今回は、「リーダーを育てる」の最終回です。 子どもたちには、誰でもリーダーになれることに気づいてほしいです。 今回の「最後に動くリーダー」は、子どもたちにとって難しいです。 それは、陰で動く仕事だからです。 だれにも目立つことのない活動です。 清掃当番の子どもたちが掃除を終了して用具をロッカーに入... 続きをみる

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  • 教育随想 199回 リーダーを育てる(4)  空気をつくるリーダー

    いくつかのリーダーをあげてきましたが、子どもたちに、誰でもリーダーになれることを伝えたかったのです。 決して、人の前に立つことだけがリーダーでありません。 世の中は、すべての人々がなんらかのリーダーとしての振る舞いをしています。 まず、やってみようと思って先頭に立ってまとめる人がいます。 人知れず... 続きをみる

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  • 教育随想 198回 リーダーを育てる(3) まとめる、まとめない子 

    子どもたちは、話し合いや活動の中で友達をまとめることがリーターとしての役割であると思っています。学級会などの話し合いでいろいろな意見がでた後、一つまたは複数にまとめるようにします。 体育のチームづくりをするときも「ぼくがします」と言って極的に活動する子がいます。うれしそうに活動しますね。集団をまと... 続きをみる

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  • 教育随想197回 リーダーを育てる(2)  支えるリーダー

    支えるというと、すぐに助け合いとか教えあいという言葉がかえってきます。 困っている友達に親切にするとか、わからないことがあったら教えてあげるという行動を「支える」としています。 しかし、私が大切にしたいのは、そのような表面的な支えではありません。 親切にしなければと考えてお年寄りに席を譲ることでは... 続きをみる

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  • 教育随想 196回 リーダーを育てる(1) 飛び出すリーダー

    リーダーを育てるというテーマで何回かに分けてお話します。 子どもたちは、リーダーになることに憧れています。 友だちの前にたって、話し合いをまとめたり、指示を出したりする場があると生き生きしています。かっこいいのでしょうね。 学級の中に中心になる子どもがいないと、なんとなくまとまらない集団になってい... 続きをみる

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  • 教育随想 195回 学級崩壊にあった先生に出会って

    多くの学級崩壊を目の当たりにしてきました。 崩壊に出会った先生に共通するのは、とてもまじめな先生でした。 中には、すばらしい発想と実績を重ねておられる先生もおられました。 にもかかわらず、突然、学級が崩れ出しました。 私は、どうしてそうなったのか最初は不思議でした。 しかし、その学級の様子を見守る... 続きをみる

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  • 教育随想 194回  合唱の指揮は 子どもと共振すること

    先生が指揮台に上がります。 子どもたちは声をだしていません。口も閉じています。 しかし、まなざしは揺れています。 観客に気を奪われ、そこに親を探しているまなざし。 体育館のあちこちに散っているまなざし。 音楽以外のことを考えているまなざし。 緊張感で真っ白な心。 指揮者は、声さえでなければ、指揮を... 続きをみる

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  • 教育随想 193回 音楽会 国語の学習としての合唱指導 

    私は、音楽の専門家でもないし合唱指導のベテランでもなかったですが、子どもを合唱を通して育てるという点においては強い思い入れがありました。 合唱指導は、学級づくりであり学年づくりです。  毎年、合唱の指揮に取り組んできました。  小学校の合唱指導は、音楽性も必要ですが、どちらかというと子どもを育てる... 続きをみる

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  • 教育随想 192回 思い通りにならないから 子どもかな

    ある先生が、「私には子どもがなくてよかったかもしれないなあ」と言われたことがあります。 先生という仕事をしていると、自分の子どもさえ教育できないのに、どうして他の子どもたちを教育できるだろうかという意味だそうです。 親を長くやっていると、子どもの教育、躾に自信がなくなるときがあります。 それでも、... 続きをみる

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  • 教育随想 191回  両手の心で

    坂村 真民さんの言葉です。 両手を合わせる 両手で握る 両手で支える 両手で受ける 両手の愛 両手の情け 両手合わせたら けんかもできまい 両手にもったら こわれもしない 一切衆生を 両手に抱け 自然学校などの宿泊訓練のときです。 ご飯を給仕の人に入れてもらって受け取るとき、子どもたちの多くは片手... 続きをみる

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  • 教育随想 190回 石を持ってくる子ども

    庭いっぱいに花や野菜を育てています。 今年はキュウリとトマトの収穫が好調でした。 でも、トウモロコシの成長が去年に比べると思わしくありません。猛暑で花によっては疲れをだして元気がありません。 種をまいたけど、その成長がうまくいかないです。 逆に、ぐんぐん背丈をのばしている花もあります。 元気な花に... 続きをみる

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  • 教育随想 189回 集団2:8の論理

    昆虫学者のおもしろい話があります。 「蟻はみんな働き者のように見えますが、全部の蟻が働き者ではないようです。働き者の蟻は全体の約2割で、あとの8割はちょこまか動いているだけでちっとも働いていないのです。これは、どんな集団で調べてもそうなります。」 さらに興味深いのは 「それぞれの集団でまじめに働い... 続きをみる

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  • 教育随想188回  授業は わかりやすさよりも わかりにくさを意図的に

    勉強会での話です。 学年のある先生が研修として全体授業を実施されるとのことです。 その授業の予行演習を同じ学年の別のクラスですることになりました。 4年生の算数で、「式のきまり」の学習です。 計算の約束を知って一つの式にまとめる学習です。 24個の〇が正方形の形に並べられています。 これを一つの式... 続きをみる

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  • 教育随想 187回 授業の雰囲気 情的な風 知的な風

    授業をするにあたって大切なことがあります。。 多くの参観授業において、知的な雰囲気ばかりで、しっとりとした雰囲気、情的な雰囲気に乏しいことが多いです。 かつて、6年生の研究授業をしたとき、外部からこられた先生が「研究授業であんなに笑い声を聞いたことがないですねえ。」と驚かれていました。 笑いといっ... 続きをみる

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  • 教育随想 186回   授業は おふくろの味

    おふくろの味でなくても、誰かに作ってもらった料理の味、手料理はいいものです。 ある料理研究家が「料理レシピだけでは、うまく料理することができないものです」 レシピには方法があるけれど、食べてもらう相手を思いやる心まではパターン化できないということらいしいです。 料理は愛情です。 料理をおいしく食べ... 続きをみる

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  • 教育随想 185回 教材研究 学問的な追究が最初にある

    子どもたちに教材を使って指導するわけですが、その学問的な背景を知っておくことは大切です。 中学、高校ならともかく、小学校で教える内容は簡単なものだから、別に、学問的な背景をもとめなくてもいいという人もいます。 しかし、私は、小学校の学習内容ほど、その教科に対する学問的な造詣が必要だと考えてきました... 続きをみる

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  • 教育随想184回 「ごんぎつね」と私 物語文の教材研究とその指導 最終回

    6場面  ごんの死 とうとう、ごんは、兵十の家の中に入ってしまった。 兵十の視点で語られる。視点の転換 転換しないと、一方的にごんの悲劇として終わってしまう。 「いたずらをしに来たな」「あのごんぎつねめが」 そうなのだ、ごんに対する兵十に対する思いは、一向にかわっていなかったのである。 自分の生活... 続きをみる

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