教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

2022年3月のブログ記事

  • 教育随想 718回 教育 昭和の輝き 平成の衰退

    かつて、私の師匠よりうかがった話です。 昭和20年代、敗戦のショックで世の中は混沌としていた時です。 立ち直ろうと国民が必至になっていた時代です。 教育界もほとんどの教員は、子どもたちのために必死に頑張っていました。 都市では、午前、午後の二部制の授業が行われていました。 田舎でも昼食を持参できな... 続きをみる

  • 教育随想 717回  教育雑談 校長の講話は 授業

    校長は学校の長(おさ)です。 卒業式、入学式での式辞は、来賓に対しては、学校に対する信頼を得ます。 教職員には、仕事の社会性、子どもの一生に深く関わることの重要さと使命感を呼び起こすものです。 校長の教職30年にわたる集大成が式辞に表れるものです。 一人の教師としての知性、理性、感性、徳性に基づい... 続きをみる

  • 教育随想 716回  花びらを マスクで包む少女

    街を歩いているときです。 一人の就学前の女の子が地面に腰を下ろしています。 何をしているか不思議に思い様子を見守ることにしました。 自分のマスクを道路の上に広げています。 その上にピンク色の花びらをマスクにのせようとしていました。 大切に花びらを包み込もうとしています。 やがて、マスクの両端のひも... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想 715回  先生の 二つ目遣い

    宮本武蔵の「五輪書」の中に立ち会う時の眼の動きについて書かれた一節があります。 「囲まれた敵を見るのに、見るようにしては見ず、見ないようにして見て、合間合間に油断なく、盗み見ることである」 これは、私が授業の時に、たえず意識してきた眼の使い方です。 子どもを見ているが、その視点を固定しないようにし... 続きをみる

  • 教育随想 714回   心の眼が先 見た目は後から

    一人の子どもが授業中にぼうっとしている。 先生は、ぼうっとしていることを注意して、子どもの行動を是正する。 見た目だけで子どもを見ている。 まず、その子を心の眼でとらえる。 勉強に関心がないのか。 何か悩みごとがあるのか。 親に叱られて登校したのか。 体調が思わしくないのか。 心の眼で子どもをなが... 続きをみる

  • 教育随想 713回  学校教育目標は 金太郎あめ

    教育反省は、すでに終わっている。 ある学校の教育目標を例として考える。  「進んで」 「やさしく 」「たくましく」 どこの学校でも教育目標に関することは、次年度に引き続いて目標を継続しようという結論でスルーされる。 学校の教育実践として、最も根幹に関わる内容なのに、毎年、踏み込んだ検証はない。 今... 続きをみる

  • 教育随想 712回  学校が問題児童をつくっているのでは

    3年生のA君は、けんか、授業妨害のトラブルが多い。 学校は、その学級に対して、専科の時間に空きの先生がサポートする体制づくりをした。 学習も遅れているA君の補助をする。 授業妨害の行動を起こした時は、教室外に連れ出して指導する。 ところが、サポート体制、その内容について、職員会で話し合ったにも関わ... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想 711回 子どもは 授業者の教え 以外のことを習得

    先生は、授業において教科指導をする。 ところが、先生が教室で授業を行っているときに、先生の意図しないことのほうが、子どもたちは習得しているようだ。 私は、かつて3年生の授業を参観したことがある。 30代ぐらいの女の先生であった。 社会科の授業をしておられた。 教室に入らせてもらった時、教室は和やか... 続きをみる

  • 教育随想 710回  意味のないことを させる意味があるのでは

    学校生活のなかには、本当に意味がある指導なのか、疑問をもつことがある。 朝会のとき、校長先生が朝会台にあがると、子どもたちから挨拶をするという慣例をつくっている学校がある。 どちらから先にしてもいいのにと思うこともあった。 しかし、目上の者に対する礼儀を自然に教えているという見方もできる。 そんな... 続きをみる

  • 教育随想 709回  自立とは 友だちを頼ること

    自立とは、友だちを頼らないで自分ひとりで生きることではないのか。 親は、自分ひとりでできるようになりなさいと言う。 先生は、自分のことは自分で周りに頼らないでできるようになりなさいと言う。 どれも間違っていない。 私たち大人が道に迷ったとき、なんとか自分で地図を頼りにたどり着こうとする。 その時に... 続きをみる

  • 教育随想  708回 発言、質問禁止の授業の試み

    社会科の専科の先生の指導。 「発表していない子は立ちなさい。」 発表していないのかできない子なのか。 していない子は、必要性を感じていない子。 発表できない子は、今の授業内容に自信がない子。 そのような子をいきなり立たせてもよいのだろうか。 指導者は、全員参加の授業に発表は不可欠であると考えている... 続きをみる

    nice! 2
  • 教育随想 707回  あと一週間の楽しみ 冒険、試み

    あと一週間で一年の学習が終了する。 おそらく教室は、授業の消化試合だろう。 復習と称して、プリントばかりが机上に配られる。 一年間で、子どもたちを指導して学び方を育ててきたと自負する先生ならば、最後の一週間は最高の時間になる。 教材も終了している。 だから、いろいろな投げ込み教材を入れることができ... 続きをみる

  • 教育随想 706回 教育雑談  きちんと指導しています

    近所の母親 たまたまその子の家の子どもの話になった。 母親は、二学期の懇談会で、担任の先生から次のように言われたとのこと。 「お宅の子どもさんは、学習は優秀、友だちからも慕われています。最高ですね。  もう何も指導することはありません。」 これはどういうことでしょうね。 母親は疑問をもった。 私の... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想 705回  教育雑談 よくあることなんだ

    学校に接している住民からの苦情。 生徒が菓子のからを民家に投げ入れて困る。 学校の対応。 「学校の規則として、勝手な校内飲食は禁止していますので、そういう事実はありません。」 学校は、生徒がルールを守っているという前提にたって応対している。 「一度、調べてみます。」とは言わない。 その時の町内会の... 続きをみる

  • 教育随想 704回 教育雑談 先生の前だけ 学校内だけの自立

    ある学校の風景。 劇場に子どもたちを引率して出かける。 劇場に行きつくまでは、 「歩き方、無言、よそ見しない、列の等間隔、信号での待ち方・・・」 子どもたちは、電車のなか、駅構内においても整然と行動している。 ところが、劇場に入った着席した途端、子どもたちは自由行動を開始。 声高なしゃべり声、立っ... 続きをみる

  • 教育随想  703回 若い先生「どうしたらいいてすか」を問う前に

    若い先生は、その若さだけで子どもたちが近づいてくる。 うらやましい限りである。 新しい担任が若い先生であると子どもたちの表情は明るい。 若さは、教育技術よりも大きな力になる。 少しぐらい失敗も「先生大丈夫だよ」ときにしない子どもたち。 そんな若い先生が質問されることの共通性。 「どのような方法があ... 続きをみる

  • 教育随想  702回 教員6年目の分かれ道 ベテランの道を進むのか

    勉強会にこられている先生からお聞きした話。 同じ学年で6年目の先生がおられる。。 教材進度が遅れていてもいつのまにか進度通りになっていることが多い。 以前使ったワークシートをそのまま使うことが多い。 「ここの勉強、先生はどのように指導むされるのですか」と尋ねると 「さっと読んで終わりましたよ」と軽... 続きをみる

  • 教育随想 701回 教育雑談 先生の口癖 なんでもありの研究会

    「宿題しなさい」「忘れ物はだめですよ」「廊下を走るな」を言い続けてきた学校教育。 「おしゃべり学習」が子どもの参加をもたらすと信じている世界。 「対話的学習」ともったいぶってみても、従来と同じ相談しあう学習。 対話は、対等な関係において成立するもの。 できない子どもがいれば、「やればできるよ」と言... 続きをみる

    nice! 2
  • 教育随想 700回 寺に祈りがない 金銭のにおい

    2つの寺を紹介する。 一つは、有名な寺で参拝客が多い。 各建物においては、拝観料と称してお金を徴収する。 そのなかで参拝客の方が、合格祈願はどこで参拝したらよいかを尋ねていた。 社務所のかたが横柄な受け答えをしていた。 その方は、子どもの合格祈願のために来ておられた。 大きな寺に参拝したいという気... 続きをみる

    nice! 2
  • 教育随想 699回  国語 感想の交流の仕方 「初雪のふる日」を通して

    最後に物語を読み終わって、子ども同士の感想を交流する学習がある。 お互いの感想文を読み合うこともある。 発表会形式で感想を交流することもある。 今回は、音読を通して交流を深める方法を提示する。 教育方法には、ベストの方法はない。 その時々に応じて、子どもたちの学びの実態に応じて変化させる。 方法論... 続きをみる

    nice! 1
  • 教育随想 698回 4年 国語「初雪のふる日」 6,7,8場面 よもぎの葉 なぞなぞ

    ねらい‣・・6,7,8場面   石けりの途中で見つけたよもぎの葉をきっかけに、どのようにして、女の子が元気を取り戻していくのか、その様子を言葉に注意して読み取る。 指導にあたって  「ばあちゃん、助けて」・・・「ああ、助かった」の間にある女の子とうさぎの変化を読み取らせる。  足を入れた輪の中に見... 続きをみる

  • 教育随想 697回 「初雪のふる日」 4,5場面「唱えることができない」「助けてー」をキーワードとして

    ねらい  女の子は、うさぎから逃げる手段を思い出すものの、それを実行することができない。 やめられない石けりのせいで、女の子は遠くの町まで来てしまい、女の子がだんだんと衰弱していく様子とその女の子の気持ちを読みとる。 4,5場面 指導にあたって   キーワード    4場面・・・女の子は、どうして... 続きをみる

    nice! 2