教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 47回 自治能力を育てる朝の会・帰りの会 その5 最後に


「今日の反省」


一日の反省はむずかしいです。
子どもたちを観察していると。形式的な反省が多いです。
マイナスの反省が多すぎるようです。
反省とは、物事を振り返り、次に乗り越えるための具体策をもつことです。
たとえば、「教室の掃除がおそくなりました」という反省があると「今度からは気を付けます」という言葉で終わります。


掃除が遅くなった原因は何かを考えなくてはいけません。
したがって、反省とは、原因と次の手立てを考えることだと指導します。
反省内容については、学級会の議題にすることもあります。
大切なことは、結果よりもそれを乗り越える手立てを具体的に考えることが生きることだと意識させます。


「係・当番からのお願い」


係活動や当番活動は日々の営みですので、常に、連絡や依頼事項がでてきます。その発表の場を朝、帰りの会の中にコーナーとして設けるようにします。


「提案コーナー」


子どもたちが学級や友達に関心をもつようになると、「提案コーナー」を作ります。
係を含めて、生活班、学習班からの提案、あるいは、個人からの提案も出せるようにしておきます。


「先生へのお願い」


さらに、「先生へのお願い」ということで、子どもたちの先生に対する要望、意見をだせるようにします。最初は抵抗がありますが、お互いを理解し合う空気を生み出していきます。


朝の会は、先生が教室に来なくても、チャイムとともに始めるようにします。
職員朝集でどうしても遅れます。
子どもたちの意思で始めるようにしていきます。
朝、会が始まっているときは、私は、教室の後ろから入るようにしました。
少しでも会の邪魔にならないように、そっとドアを開けて静かに入ります。
そして、子どもたちの話し合いに耳を傾けます。


一番、最後に「先生の話」のコーナーの時に、会の感想や意見も含めて話します。
先生の話については、また、別の回でくわしくお話しします。


会の内容についてさらに付け加えます。
子どもたちに自治能力を育てる場、さらに、特定の能力形成の場(訓練を含めて)
を設けていきます。
学年や子どもの実態、学期によって、その内容は違ってきます。


「今日の発見」


気づいたことを発表する場です。
登校のときに、水たまりに氷がはっていました」「へちまの芽が出ていました」「しおれていました」など、気づきを出し合います。
特に、季節の発見は大切です。
情報の共有であり、気づく力の育成です。


その他としては
「発音練習」「今日の歌」「一分間発表」なども入れることがあります。
「一分間発表」は、多くの学級で取り組んでおられることだと思いますが、時間制限をしたり、共通テーマで発表したりします。
時間制限は、最初は30秒にします。慣れてくると1分間にします。
主張したいことを言葉を選んで伝える訓練です。


2学期後半になると、会の運営については、子どもたちに任せます。
先生は「先生のお話」の時だけ参加します。
子供たちに時間をもらって参加しているという形をとります。
だから先生の話は、子どもたちによって時間制限を受けることもあります。
2分、3分にするようにという注文がつきます。


学校、学級の生活は、自分と、仲間たちと深く関わっているという意識とその集団の一員であるという所属意識をしっかりともたせるようにします。


もちろん、一年間かけてゆっくり、ていねいに指導します。

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