教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 46回 自治能力を育てる朝の会・帰りの会 その4「今日の見通し」


自分たちの生活は、自分たちの手で管理させるというねらいのもとに実施していきます。
その中に「今日の予定」「今日の見通し」(高学年)というコーナーを置きます。
先生の連絡の中にあった今日の活動予定を子どもたちの手に少しずつ、一年間をかけて移行していきます。


登校して下校するまで(朝の会)、そして、明日の見通し(帰りの会)までを見通していきます。あくまで少しずつでいいです。一年間をかけて、子どもを育てるということを大切にします。


時間割に従って前日に予定が組まれています。
その確認と変更です。
特別教室の移動も明らかにしておきます。
体育は「何を、どこで学習するのか」を共通理解して、運動場のどこに集合して、どんな準備が必要かを子どもなりに考えさせます。


体育館で跳び箱、マットの用意(準備するものの数)、運動場ではボールや器具の用意を共通理解します。
理科では、観察や実験における準備も考えさせます。
高学年では、理科室に入ったら自分たちで準備できるようにしていきます。
ゆっくりと、ていねいに指導していきます。
今の子どもたちが考えられる程度でいいです。


高学年になると、学習の内容の中身を具体的にしていきます。
単なる単元名ではなく、どこから学習するのかを意識させます。


学校行事等においても、歯科検診や視力検査等の進め方も子どもたちが自然に知り、そのための注意事項も全体で考えます。
予定の見通しになれてくると、小黒板に前もってその内容を日直が記入しておくようにします。
小黒板は、教具室から古くて使われなくなったものに、時間割と学習内容の記入欄を作っておきます。


大切なことは、今日は、何を学習するのか、できるだけ詳しく把握できるように指導していきます。
学習内容に伴う準備物を「明日の見通し」(帰りの会)のコーナーで共通理解します。もちろん、最初のうちは、先生が中心になりますが、少しずつ子どもたちにゆだねるようにします。


見通しをもって生活する、させられる生活から自ら計画していく生活に、焦らず、じっくりと進めていきます。
一年をかけて育てるのです。
先生に与えられた猶予期間は一年間です。

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