教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 43回  自治能力を高める 朝の会、帰りの会 その1 


目的は何か


どの学級にも朝の会、終わりの会(帰りの会)があります。
会はなくても生活できるのではないかと先生自身が問い直します。


問題は、何のために朝や帰りの会を設けるのかです。
ほとんどの場合、指導のねらいがありません。
惰性的に行われていないでしょうか。
前学年からの習慣として行われています。
先生からの連絡の場として使われることも多いです。


朝の会や帰りの会、はじめの会や終わりの会などが学級によって名称はいろいろあると思いますが、私は、この2つの会を学級づくりにおいて、特に重視してきました。
朝の会や帰りの会の指導のねらいは、「自治能力の育成」だからです。
子どもたちに自治活動の力を育てるために実施します。
自分たちの学級のくらしを自分たちで管理運営(もちろん学年に応じてですが)をねらいとします。
さらに言いますと、子どもたちを先生から離していく(解放していく)ために2つの会を指導しました。


新学期、会の運営上、生じる問題の一つとして


進級したとき、子どもたちは、前の学級で行われていた内容を習慣的に設定しようとします。しかし、学級の成員は違っています。どんな学級なのか、どんな学級にしたいのかもわかっていないなかで、形式的に入れる会は子どもたちの実態にはそぐわないのです。


前の学級で培ってきた、習慣化してきた会の運営の仕方を踏襲しようとします。
「前の学級とは違うわ」「私たちは、こんなこともやってきたよ」など。
そのような状況がでたときは
「そうだね、みんなはいろいろな会の仕方を経験したんだね。前の学級でよかったことを続けたいと思うのは当たり前だね。(肯定)」
「でも、今の学級のみんなは、クラスがえをした新しい仲間ですね。どうだろう、新しい学級には、新しい朝の会、帰りの会をつくつていきませんか。」
「その中で、みんなの今までがしてきたことを生かしていくようにしませんか。」
と、子どもたちに話します。
今までの経験を肯定して、それをいったん忘れて、今の学級にあった新しい決まりをみんなの意見をもとにして作っていくことを提案します。




 子どもたちにとって、朝の会と終わりの会、とらえかたが違います。
 終わりの会はできるだけ短い方が早く下校できます。朝の会は、できるだけ長めがいいです。授業時間が短縮されるからです。

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