教育随想 29回 無駄のある 教室づくり
家では、食事をしたり睡眠をとったりします。それが家に求められる最低限の生活です。
ですから、台所と調理器具、布団があれば事足りることになります。
しかし、それだけではなんとなく寂しいものです。
いろいろな家具をおいたり、額をかけたりします。でも、それらのものは、生命維持に絶対なくてはいけないというものではありません。そういう観点にたつと無駄なものですね。
教室も同じです。
教室は学習者が学ぶための空間です。
学びに必要のないものは不要です。
しかし、家でも教室でも必要なものだけでは、何となく冷たく寂しいです。
「ぬくもり」に欠けてしまいます。
「ぬくもりのある教室」「新鮮さを感じさせる教室」そして「無駄のある教室」にしてみてはどうでしょうか。
教室に季節感
4月には、教室に桜が咲き、花の芽吹きがみられるようにします。
そのような掲示をつくります。
そして、野草を摘んで、コップにさしておきます。
低学年を担任したときは、水を入れたコッフを並べておきます。
そして、私が道端に咲いている野草をとっていけておきます
子どもたちは、野草の名前に関心を寄せます。
野草事典を横にならべます。
あらゆるものに季節を感じさせるようにします。
季節感をだす掲示は、子どもたちと一緒になってつくりだします。
もちろん、先生の服装も季節ごとに変えます。
これは、子どもたちの感覚を新鮮にします。
服装を変えることで子どもたちの感覚は変化します。
置物や地方のおみやげをちょこっと置いてみます。
旅行先で見つけたものを教室に飾ります。
こうしておくことで、教室の空気が柔らかくなります。
やがて、子どもたちも持ち込むようになります。
私は、そういった人形、こけしも含めて、専用の棚をつくりました。
ぬいぐるみも現れました。
その棚に、人形たちが増えてきます。子どもたちは、その人形から毎日物語をつくります。人形の配置を変えながら想像の世界に入ります。想像の世界を共有します。
すべてのものに「命」があると考えてみることも必要です。
鉛筆や消しゴムの命を考えると、最後まで大事に使います。
物を大切にするということは、その「命」を感じることから始まります。
教卓にガバーをしきます。
季節ごとに、季節感をだすようなカバーにします。
棚や台の上にカバーをするだけで変わってきますね。
次に花です。
おもしろい実験をしてみてください。
教室の後ろの目立つところに空の花瓶を置いてください。
花瓶の下には敷物をひいておきます。
1か月か2か月の間に、子どもたちが花をもってくるようになります。
ただし、「自分の教室」という親近感が育たなければだめです。
私は、この花瓶を4月に置きます。
6月ごろになると、いつのまにか花が生けられています。
花瓶は小さいものを用意します。野草も生けることができるからです。
子どもたちが、いつ、教室に親近感を持つようになるかがわかります。
花は生きています。
決して、枯れたままの花を置きっぱなしにしないようにします。
教室の小動物も同じです。
アオムシが干からびないようにします。
教室を落ち着ける場所、なんとなく楽しい空間にしてみるのもいいのではないでしょうか。