教育随想 706回 教育雑談 きちんと指導しています
近所の母親
たまたまその子の家の子どもの話になった。
母親は、二学期の懇談会で、担任の先生から次のように言われたとのこと。
「お宅の子どもさんは、学習は優秀、友だちからも慕われています。最高ですね。
もう何も指導することはありません。」
これはどういうことでしょうね。
母親は疑問をもった。
私の子どものすべてを見ているのだろうか。
何も指導することはないとは、指導放棄ではないか。
このたぐいのことはいくらでもある。
反対に、懇談会で次のような担任の発言がある。
「○○くんは、算数の筆算がうまくできないことがあります。家で見てあげてください」
あれれ、うまくできないのは担任の指導の結果である。
そのしりぬぐいをどうして家庭に求めるのだろうか。
職員室では、管理職が「家庭、保護者との連携を」と言われる。
連携できるものとそうでないのがある。
学習については、責任の押し付け合いをしていいものただろうか。
ある時。職員室に一人の父親が入ってきて怒りをあらわにした話を聞いた。
「先生、うちの子どもはテストの点数が悪かった。それを担任が強く責めたんですよ。
おかしいでしょう。うちの子どもの勉強が足りないのはわかります。
でも、この悪い点数は、先生の授業の評価でもあるはずです。・・・・」
この時、担任の先生は言われる。
「きちんと指導しています。教えています。」
その結果は関係ないのでしょうか。
おそらく企業では、このようなことはないでしょう。
もっと厳しい環境ですから。