教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 161回 学級全員の意見を出し入れできる 実行委員会

係活動は年間を通しての組織活動です。
しかし、学級全員の課題を考えるのは、実行委員会制度のほうが効果的でした。
学級の課題を設定して、全員の意見を出し合える場をつくるのが実行委員会です。
学級に実行委員会のしくみをつくると、全員の子どもたち全員の意見が集約され、お互いの考えの差異を意識しながら結論をだしていくことができます。


4年生以上であれば実行可能です。
学級で何かを成し遂げようという目標ができたら、この実行委員会を組織して達成できるようにします。


具体例をとりあげます。
お楽しみ会を開こうということで実行委員会を組織します。 
まず、各班で話し合いをもちます。お楽しみ会は学級文化の創造です。
テーマをどうするか、内容をどうするかなど、具体的な事柄を話し合います。
班の話し合いと全体の話し合いを行ったり来たりします。


班の中から実行委員会に送る代表を決めます。
そして、6班あれば、6人の子どもたちでお楽しみ会委員会を結成します。


実行委員会では、各班の提案を出し合って話し合いをします。それをもとにして、実校委員会としての案をつくります。
その結果を各班に持ち帰ります。
2回目の班会議を開き、実行委員会の提案を検討します。
班の中で全員の一致がなく一人でも納得がいかなければ、それを班の意見として、再び、実行委員会に提出します。
このようにして、班会議と実行委員会を交互に開き、考えが煮詰まるまで実行します。
数回会議を重ねると学級全体としての案が決まってきます。
ここで大切なことは、班の話し合いにおいて、全員の意見が出されていることです。発言力の強い子どもだけの意見で進められないように指導します。
全員の意見がすべて実現されることはありませんが、少なくとも、その過程において全員の意見が出し入れされています。そうすることで、子どもたちがお互いにしっかりと自分の意見を言うことの大切さ、それを受け止めてくれる仲間がいるという安心感が生まれてきます。
他に実行委員会でとりくんだことを簡単に名前だけあげておきます。
運動会 成功実行委員会
音楽会 心をあわせるための実行委員会
修学旅行 心に残す実行委員会
係、当番活動を元気にする実行委員会


学級に問題があるときも、この実行委員会を組織して全員で検討します。
実行委員会は班の代表で組織され、課題が解決されるまで解散することはありません。
実行委員会は、あくまで、一つの目的を達成するための組織です。
学級において、当番、係、そして、実行委員会の組織が活動できるようにします

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