教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 127回 漢字練習 何回書いたら覚えるのでしょうか?

宿題を子どもたちが家に持ち帰る場合、すべての子どもが自力で解決できることが前提です。
ある子どもはできないので、保護者に家で教えてもらっています。
少しならいいのですが、大部分を教えてもらっています。
その子は言います。
「ぼくは、頭がよくないから学校と家の両方で教えてもらわないとだめなんだ」
ますます、その子は学習に自信を失っていきます。
先生は、時々、授業で残してしまった練習問題を自宅学習にさせますが、必ず、一人でできると判断できる場合のみだと考えます。


漢字、漢字ノートに練習をさせます。
その時に、なぜ、漢字をノートに書くのかという目的意識が希薄になっていること
があります。
子どもは、とにかく1ページを埋めようとしてます。
まるで書き方の宿題です。
いや、乱雑に書いているなら書き方でさえありませんね。


ノートには、「考えるためのノート」「なれるためのノート(練習)」「まとめるためのノート」「覚えるためのノート」「忘れないためのメモノート」などがありますが、漢字ノートは「覚える」ためです。


同じ漢字を一行書くようにに指導していますが、子どもは漢字をいくつ書いたらおぼえているのでしょうか。
右脳の優れている子は、1,2回書けば覚えています。
逆に、苦手な子どもは2行ぐらい書かなければならないこともあるでしょう。
子どもには、自分の覚える力を理解させるようにします。
「何回、漢字を書いたら覚えるのか」、この指導は、授業の中で実施します。


子どもたちのだれもが知らない漢字を黒板に書きます。
その漢字をノートに何回書いたら覚えられるか、自分の考える回数にしたがって漢字を書いて覚えさせます。
そして、時間をあけてテストをします。
その結果をもとにして自己反省をします。


漢字によって、覚えるために書く回数は異なります。子どもによっては、2ページになることもあります。
ノートを単に埋めることが目的なら、1日に1ページでいいです。
しかし、そうでないのなら、子どもによって書くページ数は異なります。
覚えるのが得意な子どもには「できるだけ少ない回数で覚えるのがいいです」という示唆を与えます。本来なら、書かなくても漢字全体を写真のように写し取れる子どもはいます。


できるだけ少なく書いて覚えるという指導がある一方、反対の指導もあります。
「漢字一万字をめざせ」ノートにして100ページですね。

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