教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 131回 授業実践を通して、生徒指導も学級づくりも

今回は、学級経営、学級づくりの核になる考え方をお話します。
今までにも何回もお話してきたことですが、やはり、何度も原点に立ち返ることが必要だと考えます。重複するところはお許しください。


学級経営とは
学級という集団を高める中で、子どもたち一人一人の自立、自律と社会性を育てることです。
「自立」とは、自分のことは自分でできるという習慣から自分の考えや意思を持って行動できることです。
そして、「自律」は、字のごとく自分を律することができることです。
欲望との戦いと言えるかもしれません。
「したいこと」を周囲の状況を考えて、感情を自己抑制できることです。
おとなでも難しいことですが、子どもにとっては、さらに困難なことです。


集団を高めるとは、子どもと子どもの関わり合いや励ましあいを育てることです。
関わり合いとは、力をあわせる・力を分ける・支えることです。
集団機能は三つです。
助力  合力  分力
助ける 合わせる  分担する


高まっていく学級は、子ども一人一人の自主的な活動から生まれ、高まりのある学級は、自主的な子どもの活動、成長を育んでいきます。
学級の風が一人ひとりに対して、支持的なものになっていきます。
一人の願いをまわりの仲間たちが育てたり叶えたりします。
個人にとって安心できて居心地のよい集団に育てるようにします。
安心できる集団は、子どもたち一人ひとりの心を開放していきます。
わからないと言っても仲間が教えてくれます。
失敗しても仲間が支えてくれます。


(相乗効果)
子どもの願いや目的(一人でできること)に向かって、自分を育てていく(自己教育力)過程が学級づくりであり集団づくりです。
自己教育力は、自分を正しく見つめ、理解することから始まります。
そして、自分の願いや夢を持ち、それに向かって自分を推し進める力でもあります。
自分を振り返る力、自分を凝視する力が根底にあります。



学級経営は、授業を通して行います。
よく言われるのは、学級経営がうまくいかないので、授業ができないと聞くむことがあります。
生徒指導があって授業づくりがあるのではありません。
学級づくりをしてから授業づくりがあるのでもありません。
授業実践を通して、生徒指導も学級づくりも行います。
授業、学び合いを通して人間関係を深めます。
学び合いを通して、友達の良さに気づきます。
このあたりのことについては、授業論のところでお話したいと思っています。

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