教育随想 124回 苦手な板書 授業の核
板書は、私にとって苦手なものの一つでした。
文字を書くことが苦手でした。
字があまり上手くなくて苦労しました。
初任者のとき、はじめて黒板の前に立って、板書した時に、子どもたちから「先生、字が下手ですね。」と言われました。
前の担任の先生が、とても上手な先生でした。
その時から、放課後、授業の予習をするときに、板書の練習をするようになりました。
下手な板書を少しでもカバーする方法として次のようなことをしていました。
①水性ペンの緑色のもので、細い線を引いてみたことがあります。
ノートの線と同じように黒板全体に線引きします。
緑色は、離れてみるとほとんど目立ちません。
最初は少し目立っても、水性ですから少しずつ薄らいできます。
②直接黒板に書く字数を減らすために、短冊に切った画用紙に、タイト
ルや見出しを書くようにしました。
③羅列的に板書するのではなく、文字数を減らすために、構造的な
板書にしました。
コンパスで円を書いて、学習内容を構造的(関係が一目でわかる)
になるようにしました。
④字は上手くないですが、板書するときは、ていねいに書きました。
「ていねいに書く」という姿勢を子どもたちに伝えるために。
そして、板書について留意する点をあげます。
①野球でもバレ-でも、さらにサッカ-においても、球技するためのグラ ンドがあります。黒板は、学習者が学ぶためのグランドです。端から端までがグランドです。
だから、黒板の両端には、学習に関係のないものを貼らない、書かない
ようにしました。
よく、黒板の右端に「〇月〇日 〇曜日」と書いてありますが、書く必要のないものですね。黒板をていねいに消しておきます。
美しい詩の指導をしているときに、黒板の端に「明日の用意」「忘れ物をした人」とか「提出していない人」など、学習内容とは関係ないものが書かれていることがあります。
映画館に行って、感動的な映像を見ている横に、雑巾やタオルがかかっていたらどうでしょうか。
②学習の道筋が見える板書
黒板を見ただけで、どのようなねらいのもとに、どのように学習してきかが一目でわかるような板書が好ましいです。子どもたちは、黒板を見て、学びを整理します。
そのためには、囲みや矢印を多用します。色の使い分けも必要ですね。
③ノート指導においては、ノートと同じ形式で板書します。
ノートの書き方を指導するために、黒板を子どもたちのノートと同じ
形式にします。
④メモとしてノートを使う場合は別として、ふだんは、ノートの時間を
与えます。「聞きながらメモ」を使う前に、まず、ノートをまとめる時間
をつくります。そして、板書を写すことも大事です。
その時には、黒板を見る回数を減らすように努力させます。
覚えて写す力を育てます。
⑤子どもたちの意見は、学習の流れに必要なものを書きます。
すべて書いてしまうと、子どもたちは混乱します。
最後に、こんな黒板の使い方もあります。
それは、「みんなの考えで、黒板をいっぱいにしよう」という目的を
もたせます。独り、班の考えを子ども自ら板書します。
子どもたちが「今日は、黒板がいっぱいになったね。」という言葉を
だすように頑張ります。
板書されている内容を振り返った時、子どもの考えと先生の考えのどちらが多いでしょうか。
学習の視覚化を大切にしていました。