教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想123回 先生、ぼくは絶対に宿題しないからね

かつて宿題をしないことを始業式の時に宣言した子どもがいました。
「先生、ぼくは絶対宿題しないからね。むだなことはしないでください。」
と私に面と向かって伝えてきました。
彼がいうには、4年生まで宿題をしたことがないということでした。
5年生も同じようにするとのことでした。
正直驚きましたが、内心、私の目標、バロメータ(学習指導の成果)ができたことにうれしくなったものでした。


宿題は、子どもが求めたものではありません。
先生の都合で強制的にだされるものです。
宿題をしない子どものほうが当たり前ではないでしょうか。
ほんとうにしたくてという子どもは何人いるでしょうか。
多くの子どもは、先生や親にしかられるので仕方なくしているにすぎません。
宿題をだしても家ではしないので親に叱られ、登校すると先生には注意され、つらいですね。
それでもしない子どもはなかなかの強者ですね。


宿題をさせるために先生は苦労します。
宿題をしたらシールをはらせて、まるでお買い物のシールのようにためていきます。
してこなかったら居残りさせる場合もあります。でも、そのことで、子どもたちが勉強を好きになったという実践は聞いたことがありません。もちろん、一時的におもしろくなることはありますが。


算数の勉強、学校で理解できないのに、それを家に持ち帰ってもできるわけがありません。一人でやれというのは酷です。
そもそも宿題が一人の力でできなくて親の手を煩わせるようでは意味がありません。
家で宿題をしていると、親が「そんなこともできないの」と叱ることがあります。
子どもたちが家で叱られる原因をつくっていることになります。


子どもたちは、宿題をしたら自分にとってどれだけの利益をもたらすのかが見えてこないとしないです。役に立つか、効果があるかということが先に意識されます。
本当は、勉強というのは、決して即効的なものではないのですが・・・。


 宿題を子どもと相談して決める方法。
 班で相談して決める方法。
 あるいは、一週間から三日間ぐらいの間に自分のペースでこなしていけばよい宿題もあってもいいですね。


オランダの教育では宿題がありません。
勉強はやらされてするものではなく、自分がやりたいと思ってするものだという意識が徹底しているそうです。
だから、宿題もない、受験もないので塾もないです。
教育において育てたい能力は、自分で調査、友達と議論、そして全体に報告する実践的な能力です。
社会に出て実践に耐える能力が育成されています。
宿題=勉強という考え方を見直す必要があります。

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