教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 978回 夏休みは二学期の始まり 前回の続き

前回、夏休み前から二学期は始めると伝えました。
そのために、夏休みに入る前、今からすべきことがあります。
そのことを前回に続きお話します。


前もって掲示する場所を子ども一人ひとりと相談します。
特に、絵や自由研究、工作については、どのくらいのスペースがあるかを相談して決めます。
そして、そのペースを紙テープを使って枠組みしておきます。
こうすることで、子どもたちの意欲が膨らみます。
ただし、夏休みに入って挫折することもありますので、それもよしとします。
決して、子どもたちの学びを強制的に枠組みするものではありません。


計算・漢字練習は学年として共通のプリントを作る場合が多いです。
計算が苦手な子どもには、プリントを見せて自力でできるかどうかを判定させます。
できづらいところの問題を夏休み前にできるように指導します。


さらに、得意な子に対しては、自分の家の問題集や少し難易度の高いプリントや本を紹介します。
6年生の子どもには、中学受験の計算問題を提案すると喜びます。


漢字の問題については、
漢字が読めない子
読めるが書けない子
書けても文章のなかで使えない子
発展的に難読漢字に挑戦する子


それぞれに応じて、自分の弱点補強になるような学習の仕方を一緒に
考えます。


自由研究の場合は、前もって計画的に進めさせます。
研究を最後まで見通せるようにしておくと、学ぶ意欲が膨らみます。
課題⇒課題設定理由⇒予想・仮説⇒研究手順⇒研究の資料や材料
道具等の準備⇒学びの困難点 (つまずく可能性)⇒まとめ方


子ども一人ひとりによって上の内容は異なります。
あくまで基準とします。


子どもが学習に意欲的になるのは、車の渋滞予想に似ています。
渋滞の終点がわからないと、低速運転する車に不安が出ます。
ところが、どこまでの渋滞でそこまでに何分かかるかがわかれば
見通しをもって運転できるものです。


学習も同じようなことが言えます。
自分でもできるという見通しを持たせること。
めあてまでの手順を理解していること。
もし、夏休み中にわからなくなったら先生に相談できる場があればいいですね。(昨今は難しくなっているようですが)


だからこそ、前もってつまずく場面を予想させて事前に切り抜ける方法を考えさせます。
まずは、「夏休み学習計画表」をつくることから始まります。


次に学習ではなく生活面でのことです。
健康増進や趣味の展開なども計画表のなかに入れます。
私は、ふだんできないことは、この生活・趣味にあると思います。
ゆっくりと時間をかけて実践、それを夏休み明けに発表できる機会を与えます。(励みになるので)


以上、夏休みを迎えるにあたっての事前準備についてお話ししました。


次回は、夏休み前に二学期の学級生活を始めることです。
私は高学年を受け持った時は、必ず実行していました。
その点について、次回でお話します。

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