教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 594回  子どもの一人ひとりを学級社会で活性化

一学期は、子どもの観察時期でもありました。
二学期は、子どもと子どもをつなげていく時期です。
子ども同士の関係を形成していく時期です。


教育は、学級社会(集団)への参加を通して、子どもの人間性を育てます。
目の前の子どもたちは、やがて、社会の一員として役割を担うことになります。
社会という集団のなかで自分を生かしていくことが必要です。
子どもたちの未来を考えていく時、今、どのような力を育てたらよいのかが見えてきます。
子どもたちは無人島に住むのではありません。
人がうごめく世の中で、確かに生きていける力を育てたいものです。


学級という集団も小さな社会です。
さらに、小さな社会が班です。
はじめに、指導しなければならないのは、子どもたちに集団に参加していく実績を積ませることです。
当番、係、班という集団で、友だちとの関わりを深められるようにします。
集団参加の機会を多く持たせます。
異年令集団への参加、地域活動への参加も大切にします。


次に、集団に自分が参加して、どのようなメリットがあるのかを納得させる必要があります。
授業における学習集団の果たす役割が大きいです。
自分の考えを集団に投げ入れることで、みんなの学習が広がり、深まっていく実感を持たせます。
話し合い学習のねらいのひとつはそこにあります。
学習材を媒体として、友だちと意見をぶつけあうことで、自分が深まっていくことを自覚させます。
集団、みんなと関わることで、自分の学習も深まっていく喜び。
自分が集団に参加する喜びを味わえるようにします。


もう一つは、集団の中で、自分を制御する力を育てます。
言いたいけど、今は、友だちの話に耳を傾けよう。
自分がやってみたいけど、今は、友だちに譲ろう。
体育のサッカーのようなボール運動は、決められたポジションのなかで自分の動きを制御します。
学級社会において、友だちに譲ったり、自分が言いたいこと今は我慢したりすることで、集団に参加する仕方、姿勢を学びます。


さらに、学級社会のなかで、お互いの決めたルールを守り合うことで、お互いが楽しい生活を営むことができる実感を味わえるようにします。
学級(班)という集団に所属することで、自分が生かされ、活動的になるようにします。
集団は、個人の願いや考えを実現します。
個人は、自分の力を集団に寄与することで、自分も成長することを学びます。

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