教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 591回 タブレット端末で いじめが助長?

悲しいニュースです。
「小6自殺、チャットの陰口丸見え」(読売ニュース)
子どもたちにタブレット端末が配備されました。
その児童の端末に「うざい」「きもい」「死ね」と中傷されていたそうです。
しかも、その中味を学級の子どもたちが自由に見ることができました。
チャットは、当人同士しか閲覧できないのですが、全員共通のパスワードのため、当事者になりすまして内容をのぞき見ることができたのです。


父親の話によると、娘さんに対するいじめは以前からあったのことです。
タブレット端末の配備により、その女子への陰口が拡散されました。
パスワードは他人に知られないようにという文科省の指導があったのですが、その学校では、基本的な対策が取られていなかったようです。


先進的な教育実践校であっても、つまるところ人間を育てていないことが暴露されました。
タブレット端末が配備されることで、それを使う子どもたちの心が育てられていません。
見かけ上、先進的なように見えます。
過去においても、新しい教育システム、機器が導入されるとき、それについていけないと「先生は遅れている」と言われたものです。


教育は「教えて」「育てる」から教育です。
それが「教える」ことに偏っています。
教育は「育てるために教える」とも言えます。
目標は、子どもたちの思考力、感性を育てることです。


ニュースになってしまった学校。
このあとどうするのでしょうか。
教育委員会は今後どうするか適切な対応をするように指導をすると言っています。
先生は明日からの子どもたちの指導をどのようにされるのでしょうか。
この事件も一部の子どもたちの問題として処理されるのでしょうか。

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