教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 584回  ペアによる話し合い 背中合わせの指導

子どもたちを隣同士で話し合わせます。
いわゆるペア学習です。
対話の基本的な形式です。
もちろん。ノートに書いて自問自答することが前提です。
話し合いの一番小さなかたちです。
しかし、全体の話し合いよりも対話のほうが難しいです
1体1は、話し手か聞き手かのどちらかの役割から逃げられません
全体の話し合いのように、なんとなく聞いて過ごすことができません。


子どもたちは、話すことよりも「聞く」「聴く」ことが苦手です。
自己主張は好きですが、人の話に耳を傾けることは苦手です。
話すことで自分を認めてほしいという気持ちが強いです。
低学年は、「ぼくの意見聞いて」の自己主張の嵐です。


聞く指導については、先生方はいろいろな方法を試みられています。
ただし、聴く指導と話す指導は切り離せません。


子どもたちに指導を試みることで、自分の実践力がつきます。
どんな方法でも、まず、子どもたちにアプローチしてみます。
そのなかで、「いい加減」な手立てを発見します。
教育はやってみないとわからないことが多いです。
風呂の湯加減を調節することに似ています。
私もいい加減な実践に取り組んできました。
だから、いい加減な先生なのです。


話す聞く指導において、よく行われるのは、相手の顔を見て話す、聞くです。
どうしても形式的な所から入ります。
これは悪くありません。
ただ、形式には根拠を持たせる必要があります。
なぜ、顔を見なければためなのか、その理由子どもに納得させます。


顔による表情は、言葉よりも伝える力が大きいことに気付かせます。
ペアによる話し合いをお互いに背中を向けて実施します。
これは、子どもたちが戸惑います。
ふだん、面と向かって話している時に比べると、伝わり方が違うことに気付きます。
何度か実施します。
これは、全体や班で話し合う時にも背中を向けて話し合わせます。
コミュニケーション力の三分の一は表情であることに気付かせます。
あとの三分の一が言葉です。
最後の三分の一はボディ表現です。


このようにして、子どもたちは、相手の顔を見て聞く・話すの大切さを理解し始めます。
時には、先生が前にたって、後ろ向けで話してみるとおもしろいですね。
どれだけのことが伝わり、どれだけのことが伝わらないかがわかります。

×

非ログインユーザーとして返信する