教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想585回 対話指導 相手の考えを代弁

対話はリレーです。
話し手と聞き手が順番に代わるのが対話です。
野球のキャッチボールと同じです。
投げ手は受け手になり、受け手は投げ手になります。


そこから考えられるのは、ペアによる話し合いも、交互に話し合うことを基本にします。
一方的に話すだけ、聞くだけに終わらないようにします。
ペアの一方があまり話せない子であっても、片言でもよいことを確認します。


実践例 ペアで
全員起立。
一つの問題でお互いの考えや感想を出し合います。
最初は考えを出し合うのが難しいてす。
だから、教科書の写真を見て感想を出し合います。
交互に自分の感想を出し合います。
リレーが続かなくなったら着席させます。
どのペアが長く立っていられるかを問題にします。
この時に、早く座ってしまったペアは問題にしません。
最後に残ったペアだけを問題にします。


そのペアに質問します。
「どんなことを出し合ったのですか」
「どうして長く話し合いが続いたのですか」
まわりの子どもたちの参考になるような問いかけをします。
この時の話し合いの資料は、誰もが興味をもって出せるようなものにします。


さて、対話の仕方がわかりにくい場合があります。
時々、先生は、話すのが得意な子どもと二人で対話をしてみせます。
その時にお互いが顔を見ていること。
さらに、聞き手の時に話し手の内容に頷いている様子を他の子どもたちに観察させます。
「そうなんだ」「へえ、そんな感想もあるんだね」「いっしょだね」などの言葉も入れます。


聞き手は話し手が話しやすい空気を作っていることに気付かせます。
ある時は、話し手が聞き手に「どう思う?」と聞き手に感想を求めることもあります。
さらに、起立して対話を続けているペアを他の子どもたちに観察させます。
これは、とても効果的です。
先生が教えるよりも、子どもにとって最良の先生は子どもです。
仲間の行動が友だちに刺激を与えます。


話し手と聞き手があたたかい空気に包まれるようになったらいいですね。
子どもたちの行動が雰囲気をつくり、その雰囲気が子どもたちの行動を活発にします。


さらに、進めます。
聞くことに重点をおいていきます。
自分の考えをペアで話し合ったあと、全体の場に発表します。
その時に自分の考えは発表しません。
ペアの一方が相方の考えを発表します。


最初は簡単な答えを発表するにとどめます。
やがて、意見を深めあった相手の考えを全体の場に公表します。
「〇〇さんの考え(感想)は・・・です。」
全員が自分の意見を発表しません。
しっかりと相手の意見の要旨を把握していないと代弁できないです。
このような場を10分間程度、授業のなかに取り入れます。
1,2週間継続します。
教育実践は、結果がでるまで継続です。

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