教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 587回 対話指導 まとめることをめざして まとめない

対話を通して、子どもたち同士がお互いを尊重し合えるようになります。
人間の思いを理解しあうことは、お互いに相手に歩み寄ることです。
お互いに相手への思いやり、気遣いができるようになることです。


しかし、学習における対話は、常に、学習内容を進展させることにあります。
ただ、話し合うのでは意味がありません。
対話は、学習目標に近づくための方法にすぎません。
学習課題を吟味して、答えを求めることです。
そして、個人的な立場からみると、自分の考えを広げ、深めることです。


さて、一つの課題があるとします。
お互いが自分の考えを確立させます。
なんとなくしかわからなくてもいいです。
「なんとなく・・・」も考えてた結果です。


対話において、お互いの異なった考えをまとめることを前提にします。
まとめようとすると、まとまらないことが見えてきます。
まとめることが目標ではありません。


意見を強く言った子どもの考えが結論になることがあります。
そうではなく、まとめようとして、まとめられないことがでてくる、それがお互いの個性的な考えです。
その個性的な考えをお互いが理解しあうことが重要です。
最終的にまとまらなくていいのです。(世の中も同じ)
子どもたちが発表する時に
「私たちの話し合いでは、ここは同じだったけど、他はちがっていました。」
何が違っていたのか、歩み寄れたのか、寄れなかったのかを発表します。


授業において、話し合いをさせる時、明確な結論で終わらせることが多いです。
しかし、学ぶことは、決定的な結論がでないことです。
わからないまま終わることがあっていいです。
考えがいくつかに分かれて終わることがあっていいです。


まとめることを強制しないようにします。
大切なのは、まとめようとしてどれだけの話し合いをしたかです。
誤解を重ねながら、それでも、分かり合おうとする子どもたちを大切にしたいです。

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