教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 589回 ITを活用する授業 本当に必要か?

勉強会で研究授業を予定されている先生が、指導案を持ってこられました。
見てほしいということで相談にのりました。
国語のポスターの引き付ける工夫を考える授業でした。
2つのポスターがあり、どちらのポスターを見て(内容は二つとも同じ)出かけたいと思ったかを表示します。
その理由もタブレツトに各児童がうち込みます。
そして、Aのポスターを選んだ子どもの理由がひとめで画面上に表れます。


この方法によると、各個人の選択したこととその理由が全員の子どもたちに提示されます。
黒板に一つ一つ書いていたことが一度に済まされることになります。
学習効率を意識されている方法です。


子どもたちがキーホードに打ち込む時間に大きな差があるようです。
5分間の時間をあげても、自分の考えをすべて表示できない子もいるとのこと。
ノートに書いたほうが早いかもと言われていました。


IT活用(教育機器)の授業は今に始まったことではありません。
むかしむかしから新しい教機器育が入ると、それを活用した授業発表会、全国の研究会が実施されました。
それを指導される先生は、現場の花形でした。
しかし、どの教育機器も長くは続かなかったようです。


それは、教育機器の必要性が現場の先生から要求されたものではありませんでした。
企業から「これを使ったら便利ですよ」という提案で導入されたものが多いからです。


先生の授業の必要性からIT活用を求めてはいません。
教育現場の流行から、それを使った授業を考案することを強いられています。
なかには、喜んで取り入れられている先生もいます。
その先生は、自分の授業プラン、構想のなかに、ITがあったからです。


学習効率が優先されることが多くなっています。
世の中の流れとして、「効率、便利」の方向にすすんでいます。
教育は、人間を育てることは、効率を必要としません。
もっと地味でゆっくりと、泥臭いものです。

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