教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)の新着ブログ記事

  • 教育随想 28回  学級づくりは 風をつくることかな

     レストランに行くことがありますね。 入店した瞬間、すでにレストランの風が吹いています。張りつめた風、わくわくする風、なんとなくけだるい風・・・・。 すっきりとさわやかな風が吹いているレストラン。この風はどこから吹いてくるのだろうかと考えます。 見えるものは、ごみ一つ落ちていていない床。清潔でてい... 続きをみる

  • 教育随想 27回  集団の空気に支えられて 学ぶ  

     近所に行列ができるラーメン店ができました。  新しいものには目がない私は、その店に行ってきました 食券を買ってから細い通路を通り、のれんをあげるとカウンター席がずらりと並んでいます。 席は、両側はついたてで仕切られており、食事中の様子が見えないようになっています。前は、小窓になっていて、店員が注... 続きをみる

  • 教育随想 26回    時を 守り 時を 生かす子

    学校における時間のしつけは大切なことです。 しかし、時間を守りなさいと言葉だけの指示では到底身につくものではありません。  時を守ることが時を生かすことになるという意識を育てたいものです。 授業開始のチャイムが鳴ってから何分後に授業を開始できますか。 5分間ぐらいかかっていませんか。 子どもたちが... 続きをみる

  • 教育随想 25回 最初の授業は 教科書の表紙から始める

    子どもたちは新しい教科書を前にして、うきうきしています。 新しい教科書は、子供たちにとってまさにリセット気分ですね。 さて、最初の授業は教科開きの授業です。 子どもたちは、授業が始まると表紙を開いています。 先生はこう言います。 「さあ、国語の勉強の出発だね。あれ、どうして表紙を開いているのかな。... 続きをみる

  • 教育随想 24回 前の担任の賞味期限は 長くて一か月

     「今年は、いい学級を受け持つことになりました。前の先生がしっかりと子どもたちをしつけているので手間がいらないです。楽勝ですね。」という先生。 気の毒なことに、連休明けぐらいから、学級の子どもたちへの愚痴ばかり。 前の担任の指導が生きているのは、長くて1か月ぐらいです。 2年生は、一週間で崩れてい... 続きをみる

  • 教育随想 23回 家族絵テスト 家族の中の子どもの位置がわかるかも

    心理テストはあくまで、先生の所見の参考にするためのものです。決して、鵜呑みにしないようにします。 その中で家族絵テストはおもしろいです。 A4の用紙に、「今、家に一緒に暮らしている人の顔を書いてください。その下に、だれなのかもかきます。そして、あなた自身、自分も書きなさい。もちろん、ペットも書きま... 続きをみる

  • 教育随想 22回  急がない ゆるりと始める 新学期

    新年度が始まると、学級生活の準備という名目で、大掃除、学級のめあて、学級のルール、係活動分担、当番活動の割り当てなど、新学期の三日間は大忙しですね。 先生としては、最初にきちっとした型作りをしたいものです。容器をつくってから液体を流し込みます。液体は漏れることはありません。しかし、液体は、その枠組... 続きをみる

  • 教育随想 21回 子どもの成長母胎 家庭環境に関心を

    先生の三大技術は  子ども理解 教材研究 授業技術だと考えています。  授業技術は、子ども理解と教材研究の深さに比例します。 教室は知識を満たすことだけではなく、人間関係を学ぶ上で最も重要な場所です。 家庭でも人間関係を学ばなければならないですが、学校は、生育歴、家庭環境、価値観の異なった子どもた... 続きをみる

  • 教育随想 20回 先生の持っておられる感性を信じてスタートしましょう

    ある先生がこんなことを言われました。  「4,5月ぐらいまでは、力が入って子どもたちに関わるのだけど、6月ぐらいになるとダウンするように思う。」 この気持ちはとてもよくわかります。 4月の先生と子どもの姿は活気にあふれています。にこやかに挨拶を交わす先生と子どもたち。 運動場では、先生と子どもたち... 続きをみる

  • 教育随想 19回 子どもの名前よりも 表情を焼き付ける

    新学年に先だって、子どもの名前を覚えられる先生がおられます。 始業式の日にさりげなく子どもを見て、その子の名前を呼びます。 子どもたちは「えっ、ぼくのこと、知っているの?」と驚きの表情を見せます。 そして、「私は」「ぼくの名前を知っているの?」とせがむようになります。 サプライズを期待しています。... 続きをみる

  • 教育随想 18回 子どもたちの「事実」を集めることから 子どもの「真実」を

    児童資料や保健資料、指導要録などが引き継がれます。 子どもたちの指導にあたって必要なものですが、取り扱い方によっては、これからの指導に大きく影響します。 指導要録。 前学年の担任が子どもの学習と生活、行動の特徴について明記しています。 これは、前の担任の目を通してかかれたもので、子どもの全体像では... 続きをみる

  • 教育随想17回  4月は 先生のお試し期間です

    担任紹介のあと、教室に入ります。 この時は、先生も子どもたちもなんとも言えない新鮮な気持ちになります。 わくわく感とほどよい緊張感がわいてきます。 お互いによく知らない者同士のお見合いなものでしょうか。 子どもたちは「どんな先生かな」と不安と期待をもって先生を見守っています。 子どもは先生の言葉や... 続きをみる

  • 教育随想16回 担任になっても 先生にはなれない

    先生が新しく学級の担任になります。 「最初が肝心だ。だれが先生かを子どもに理解させなければならない」と言われた先生がおられました。威厳をもって先生の指示に従わせる方針をたてて指導にあたられていました。 これも先生の一つの生き方でしょう。 ただ、一年間の子どもたちは伸び悩むことになります。 学級を維... 続きをみる

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  • 教育随想 15回 新教室  その最初の印象が教育の始まり

    前の学級の掲示物や押しピンをはずします。 新しい気持ちで入室する子どもたちを想像してください。 古い掲示が張られていたり、無意味な押しピンがささっていたりすると、気持ちが色あせてしまいます。 一人一人の児童机にすわって、座り心地、がたつき、机の表面の凹凸の有無を点検してから、机の中の雑巾掛けをしま... 続きをみる

  • 教育随想 14回  教科書は子どもと仲良くなるための媒体

    やがて学年担任が決まります。 先生がたは、緊張の中、子どもたちの一年間を想像されることでしょう。 担任を持ちたかったのに、教科専科を任された方もおられるでしょう。 そして、子どもたちを迎えるための準備に着手されることでしょう。 何をどのように準備されるかは、人それぞれ違います。 ただ、煩雑な事務が... 続きをみる

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  • 教育随感随想 13回  新学年 最初の一歩

    三学期の終業式の時の子どもたちの顔を覚えていますか。  明るい顔をして教室を後にした子ども。  走るように教室を去っていった子ども。  少し暗い顔して、退室したくないという子ども  教室の掲示を惜しむようにながめながらでていく子  この時の子どもたちの顔は、学級に対する子どもたちの評価です。一年間... 続きをみる

  • 教育随感随想 12回 小学校の先生 専門は何ですか?

    先日、外国の医療ドラマを見ていると、二人の優秀な医師が話し合っています。  その中で、若い優秀な医師が、相手のベテラン医師に対して「先生の専門は何ですか。神経外科ですか、それとも胸部外科ですか」と尋ねています。 すると、ベテラン医師は、諭すように若い医師に言います。 「君はどうして専門性を大切にす... 続きをみる

  • 教育随想 11回 イチローに想う 個性を生かして  

    イチローが選手生活を終えました。 かつて、国民栄誉賞の話が出されとき「今は過程ですので・・・」と言われて断られました。 そして、今、「後悔していません」という言葉で締めくくられました。 マスコミは例のこどく、イチローの話題にすがりつき、興奮気味に報道しています。かつての野球の恩師と言われる人たちが... 続きをみる

  • 教育随想 10回  教育のヒントは お店にあり

    私は、若い頃から、スーパーマーケットに行くのが好きでした。そこで、学ぶことが教室や子どもの指導に生かすためのヒントがあるからです。  教育もお店も人間相手です。  人間にどのように対応していくかを実践する場所ですね。  スーパーマーケットに入店する瞬間(どのお店でも同じですが)が好きです。  入っ... 続きをみる

  • 教育随想 9回 学級づくりは授業を核として

    学級づくりは、一人一人の子の学習意欲を中核として、集団生活の働きを高め、学習効果の発展をはかることです。  学級づくりは、仲間づくりとも言い換えることができますが、それは、あくまで、学習意欲を増幅させる授業をとおして実現可能なものです。  子どもたちが勉強にやる気を持ち始めると、不思議に、生活意欲... 続きをみる

  • 教育随想 8回 学級通信の意義に迷う

    学級通信を毎日発行されている先生がおられました。  続けることの努力はすばらしいものでした。 でも、私は、同じ学年にいて、その先生の姿を横目にしながら仕事をしていましたが、私自身、学級通信を発行しようという気持ちは芽生えませんでした。入学したての1年生の保護者への連絡に一時、不定期に学級通信を発行... 続きをみる

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  • 教育随想 7回 子どもたちが 先生を育てる

    いよよい最後の週になりましたね。 子どもたちと別れるのはさみしいと感じることもあるでしょう。 やれやれ、しんどかったなあ、やっと別れられるというほっとした思いもあるでしょう。 もう一年、子どもたちを担任したら、どうなるのだろうという想いにふけることもあるでしょう。 ここまで子どもたちが成長したと思... 続きをみる

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  • 教育随想 6回  学校の責任 保護者対策

    昨今、学校が保育園化しています。  ひたすらけがのないように、問題を起こさないように心がけて、子どもたちを託児所のごとく預かっている場になっているところがあります。  そうではないという学校も多いかと思いますが、一方では、保育園化が進んでいます。  問題というのが、ほとんどが保護者対策です。 子ど... 続きをみる

  • 教育随想 5回 授業の三つの目標

    人気レストランがあります。いつも列ができていました。やがて、その列も短くなり姿を消します。人気店にありがちな奢りがさらなる改革、改善を求めなくなります。そして、閉店です。  先生の教育実践も同じです。この方法は成功したと思った瞬間から下降線をたどることがあります。 最高だなと思った瞬間から下ってい... 続きをみる

  • 教育随想 4回  追試もいいのですが・・・

    名人と言われる人の実践書が書店にならんでいます。一時は、教育技術法則化運動の参考書が山積みざれている時もありました。  実践報告の会やサークルに招かれて参加したこともありました。若い先生の熱意を感じました。  実践家の授業実践をそのとおりに実践します。  「こうすれば、子どもは変わる」「子どもを意... 続きをみる

  • 教育随想 3回 もう 終わったよ  やっと 終わったよ

    まもなく一年の活動が終了します。 そして、終業式、卒業式を迎えます。 それぞれの当日の子どもの様子がおもしろいですね。 「もう 終わった」「やっと 終わった」 子どもたちの終業式や卒業式を迎える子どもたちの気持ちです。 「もう 終わった」 楽しいクラスだったのに もう終わった みんな仲良しだったの... 続きをみる

  • 教育随想 2回 春休みは 学校から離れましょう 忘れて忘れて

    一年間の担任、専科の仕事が終わりほっとされていると思います。送り出した子どもたちとの余韻に浸っている先生、あるいは、子どもたちともう一つうまくいかずに悔しい思いをされている先生もいることでしょう。  4月に入ると、学校は忙しくなります。  新学期を迎えるまでの過ごし方が大切になってきます。  新し... 続きをみる

  • 教育随想 1回  3月から 新学期が始まる

    新学期は3月から始まっています。 えっ、まだ、今年の子どもたちとの活動が終わっていないのにどうしてだろうと思われるでしょう。 新学年が決まっていないのに、なぜ、始まるのでしょうか。 先に結論を言います。 3月は先生の指導の反省と次への課題を見つける時期だからです。 一年前の4月にたてた学級経営案を... 続きをみる