教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 14回  教科書は子どもと仲良くなるための媒体

やがて学年担任が決まります。
先生がたは、緊張の中、子どもたちの一年間を想像されることでしょう。
担任を持ちたかったのに、教科専科を任された方もおられるでしょう。
そして、子どもたちを迎えるための準備に着手されることでしょう。
何をどのように準備されるかは、人それぞれ違います。
ただ、煩雑な事務が新年度に待っています。
どうして、こんなにややこしいことをしなくてはという思いを持つことがあります。
子どもたちに関わることではあるのですが、中には、どうでもいいものもあります。


まず、教科書です。
子どもに近づくもっもとよい方法は授業です。
その授業の主役は教科書です。
教科書を子どもと先生の間に入れて、子どもと仲良くなります。
教科書を通して子どもに語りかけることで、子どもたちは先生に近づいてきます。
まだ、面識の少ない子どもたちとの間の話題づくりは教科書に限ります。
教科書ならどんな子どもとでもお話ができます。


新年度の事務的な準備で忙しいですが、私は、まず、教科書を持ち帰りました。
そして、すべての教科書を一読することから始めました。
教科書を挟んで、先生と子どもたちと出会います。
教科書は子どもと仲良くなるためのアイテムです。
教材内容を読みながら、まだ出会わない子どもたちの顔が浮かんできました。
この教材は、子どもたちは自分から飛び込んでくるだろう。
この教材は、難しそうで顔をそむけるかもしれない。
初めて教材に出会った子どもたちの表情がなんとなく浮かんできます。


さらに、教材に関する資料、実地学習(見学)、写真やビデオなども思いつくままメモをします。
先生にとって、おもしろくない(指導が苦手)教材もあれば、得意とする教材もあるでしょう。
いずれにしても、すべての教材の概要を頭に入れることです。


次に学校にある書く学年の教材年間計画をだしてきます。
そこには、単元名と時数が書かれています。
これを参考にしながら、重点教材とそうでない教材を大まかに選択します。
これは、どのような力を子どもたちに育てたいかという観点、あるいは、社会科のように地域の特徴から考えていきます。


一学期は子どもたちとゆっくりと学んでいきます。
年間計画どおりですと、子どもたちが離れていくこともあります。
特に5月の連休までは、ゆっくりとていねいに学ばせるようにします。
教材の進度よりも、子どもたちの学習意欲を優先させます。
子どもたちの学びの様子を確かめながら、授業を進めることになります。

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