教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 242回 オランダの教育に学ぶ

オランダでは、子どもの自立がとても早いことが知られています。
子どもが自立することを念頭においた子育てや教育が早い段階から始まっています。
日本の場合は、大学に入学してからどんな仕事をしようかなと考える若者は少なくありません。とりあえず、大学に入っておこうという考えがあります。


オランダでは、自分のことを自分でやる、自分のことは自分で決める、ルールや約束を守る、自分の責任を果たすということが、勉強ができる、できないことよりも重視されています。


4才から小学校に入学し、8年間通学することになります。幼児教育と小学校教育が連続して行われています。
おもしろいことに、その小学校も自分で選択できることです。
学校の数だけ教育方法があるといわれているので、子ども一人ひとりにあった教育方針に出会います。


 親が子どもをつれて、その学校の校長先生に会い、子どもがその学校に向いているかどうかを話し合った上で決めるようです。
 定員が超えない限り学校は受け入れます。ちなみに、校長先生は日本のように3,4年で転勤にはならずに、10年以上勤務することができます。自分の学校にしっかりと根をおろすことができます。


教育の形が多様であるので、先生が前に立って説明し、それを子どもたちが聞くというのではなく、子どもを主体とした教育の形が実施されています。


 実際に手を動かしたり体験したりして学ぶ
 10人グルーブで自分が学習したことを発表する
 優れた教具を用いて縦割り教育を実施
 自主性を重視して一週間かけてする課題を提出
 身体表現、芸術的表現の学習。
 さらには作文の学習を重視。壁新聞や本づくり


全国一律の教科書がありません。
先生が選んだテキストを使うようです。こうした、自由な教育ができるのは、受験がないからです。中学・高校・大学受験がないことです。逆に先生の教育方針がしっかりとしていないとできないことです。保護者が学校を選択するのですからなおさらのことですね。


高校の卒業資格があれば、志望するどこの大学にでも進めます。ただし、志望者が多いときはくじ引きで決めます。
受験がないということは、子どもたちにとって勉強はやらされるものではなく、自分でやりたいと思ってするという意識が徹底していきます。
宿題なし、塾なし、受験なしの社会です。


社会的スキルを学ばせることを重視し、友達との遊び、役割分担、自分を守る、けんかの処理、男女交際の仕方までも教えるそうです。


これらすべては、国にとってどのような子どもたちを養成することが必要かという見通しをもって計画実施されています。
教育は国づくりの一環であり、根幹です。


日本においても自主性を大切にしようという目標が掲げられますが、かなり縛りのある自主性です。子どもを信頼して突き放す、任せるということが少ないです。もちろん、心ある先生はなさっているのですが・・・

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