教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 207回 話す・聞く 指導 くどくど言わずに結論から先に

 「くどくど」とは、
「聞き手がうんざりするほど同じことをしつこく繰り返して言う様子」
                                   (新明解国語辞典より)
 子どもの話は要領を得ないことが多いです。
 言いたいことを後から後から付け足すことがあります。
 一度話したことも忘れて、何度も繰り返して話していることもあります。


 子どもたちの話は、読点ばかりで句点がありません。
 句点をつかって、止めることなく長々と話します。
 指導として、「句点を多く使って、文を短くして話す」


 しかし、大人も同じことが言えます。
私は、職員会は、自分の話し方を研究するのに都合のよい場所でした。
提案や意見を出される先生方の話し方をいつも参考にしました。
職員会の先生方の話は、わたしにとって参考になることばかりでした。
結論がいつ表れるのかを予想しました。
付け足し的な発言がとても多かったようです。
ノートをいつもだして職員会の内容、感想をメモしていました。
このノートが子どもたちの前に立つときの私の話し方に大きな影響を与えました。


句点までが長い話し方は、とても聞きづらかったです。
あるいは、最後まで聞かないと、一体何が言いたいのかわからない話もありました。毎日、子どもたちを前にして話しているはずなのに、話に要領を得ません。
きっと、教室でも同じ話し方をされていると感じたものです。


同じ言葉「えっと」「あのう」を言葉の間に無意味に挟む話し方は、聞き手にとって聞きづらくなります。次に話すことを考えるための間をつくるために「あのう」「えっと」などの言葉を挟まれるのでしよう。
 だからと言って、私自身はどうかといえば、あまり上手ではありませんでした。
でも、子どもたちにどのような話し方をしたらうまく伝わるかをいつも年頭においていました。
私が自分で一番注意したのは、センテンスを短く。言葉で間合いをとるのではなく、沈黙(少し時間をあけて)をおいて静かに話すようにしました。
声の大きさも一番後ろの子どもが聞き取れるぐらいのものです。
毎日、子どもたちの前で話しているわけですから、いつも、子どもたちが私の話し方の練習の場を提供してくれていました。


指導例
朝の会によくなされる一分間スピーチがあります。
私は、この時間を最初のうちは30秒にします。
30秒という短い時間にすると、前置きの言葉を入れることができなくなります。
とにかく30秒で切ります。言いたいことを先に短くして話す必然性が生まれてきます。試しに、15秒から始めるのもいいですよ。


ここに「結論から先に」という指導を入れていきます。
最初に言いたいことが分かるような話し方を指導します。
結論から始めるというのは、話の全貌を明らかにすることです。
映画の予告編のようなものです。


指導例
できる限り短い言葉で意思表示するくせをつけます。
授業の中では、全員起立させて、一人ずつに自分の意見を一言で伝える練習をします。一言発言から二言発言というように進んでいきます。先生からの連絡、係からの連絡もできるだけ短く言い切るように話します。
「あのう」「ええっと」などの言葉を禁止にします。


子どもに対する先生の話し方が変わっていけば、子どもの話し方も変わってきます。

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