教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想995回 一学期実践(9)  「分かりません」を喜び、激賞

3の段階
 一人ひとりの子どもの心を拓く


「わかりません」と言える子どもは学習が進んでいます。
「わかりません」という言葉を出すには勇気がいります。
「分かりました」ならかっこよく思える子どもも多いです。


しかし、「分かりません」は、学問の出発なのです。
分かる、分からないの弁別ができた子は素晴らしいです。
「分からない」ことを分かろうとするのが探究心です。


学習が苦手な子の「分かりません」を先生は喜びます。
先生は応答します。
「先生は、あなたのその言葉を待っていたんだよ」
「あなたが分からないと言ったときの顔がとてもいいですね」
「分かりませんを言うのに勇気をだしたね、そのことがうれしい。」
「これで、あなたは、勉強ができる人のスタートラインに立ちましたね」


この子供たちは「分かりません」と言いづらい環境のなかで生きてきました。
「どうして」「こんなことが」「何回も説明したでしょ」
「簡単でしょ」「みんなはできているよ」「もっと努力しなさい」
先生から小言を言われてきました。
その気持ちから解放させてあげることです。


次に、学習が得意な子の「分かりません」です。
学習が得意な子は、「問題」即「解答」の学習の道を歩んできました。
そのなかで、分からない、できないとつまずくことを良しとしません。
プライドが許さないのです。
だからこそ、学習の得意な子が「分かりません」と言葉を発したとき、
先生は、強くほめます。
ほめられることで、その子の勇気を認めます。

彼らの疑問を「全体の課題」にすることもあります。


授業において、「疑問をもつ」「質問する」ことが早い時期にどの子からも出せるようにすることが大切です。

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