教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1011回 小学5年「たずねびと」② 文と文との間を読む

一場面 不思議ポスターが目に飛びこむ(きっかけ)


言葉と言葉の間を読むということ。
この場面は二つの文を押さえる。
その間を子どもたちが読み解くことになる。


最初に「すごく不思議なポスターだった
後に「本当に不思議な気がした
最初は「すごく」が「本当に」とポスターを見て納得している。
「すごく」が「本当に」変わっていった理由は。


「すごく不思議なホポスター」どんなことが不思議なのか
さがしています
名前だけ、何段も何段も
あんなにたくさんの人がいなくなったのか。
・・・かべまで歩いて行った・・・


楠木アヤという自分と同じ名前(文字は違う)
死んだをさがしてるんだ。
何十年も前からだれも心当たりがないのだろうか。
どうしてだれもこの子のことを覚えていないのかな。


いろいろな事実から「本当に不思議」と納得している綾。
不思議さを追究していく読みである。


その晩の夢
ポスターに関する夢を見る綾。


「目覚めたあと、もう一度ポスターを見にいくことに決めた」
この言葉をたたく。
なぜ、ポスターを見にいくと決めたのか。
その理由は夢のなかにある。
もう一度行くと決めた夢のなかの出来事は何か。
子どもが何回も読み直して見つける。
夢はいつもいいところ、大切なところで覚める。
ということは、「アヤという名前・・・ふいにうかんで・・・とどく寸前で目が覚めた」
夢の最後に原因があることになる。


名前が「とめどなく」「宙にういた」「羽虫のように」「ひょいひょい」という言葉の様子を想像させる。


翌日の放課後 その夜
お母さんに相談して広島に行ってみたいと話す綾。
最後の二行がポイント。
広島に行けば、きっとアヤちゃんを見つけられるような気がしたのはどうしてだろうか
どうしてなのか子どもたちも一緒になって考える。
このあたりから子どもたちは綾に寄り添っていくことになる。


ポスターとの出会いから広島に行くと決めた綾。
その綾の気持ちの経過を読み取らせる。


その3に続く

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