教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1008回 7月の印象に基づいた学習は避ける

始業式から二週間、遅くても運動会までには一学期の学びの水準を
とりもどします。
そのための授業のあり方についてお話します。
二学期の始めは、4,5月の授業の形をとります。


〇進度はあせらない。
 子どもたちを夏休みの疲れから回復させるものは授業、学習です。
 学習を一学期の前半ぐらいのペースに戻します。
簡単な班の作業や話し合いをいれます。


〇落伍者をつくらない。
 学ぶ意欲の差が大きいのがこの時期の子供たちです。
 それぞれの家庭生活にどっぷりとつかってきた子どもたちです。
 学習内容と進度をおとすことで、一人ひとりの子どもを学びの道
 に乗せていきます。
 難しいようですが、子どもの事実に基づいて授業を進めることです。


〇わからないことを大切に
 全員が教材に対して、わからないことをだせる、できたら発表でき
 るようにさせたいものです。
 そのためには、時間をかけて教材を読ませるようにします。
 独り学習に力を入れるようにします。(自分のペースで進む)


〇よくわかる学習の提供
 教材目標のレベルを少しさげます。
 レベルをあげて学習意欲を落としても意味がありません。
 それよりも、学習の内容を精選して、少しレベルをさげて学習意欲
 をふくらませるようにします。
特に、授業の導入の内容を下げます。


〇話し合い学習(発表も含めて)で不参加者をつくらないようにします。
 誰でもが発表できる、参加できるような場面を意図的に設定します。
 子どもにとって、学習集団への所属意識を回復させます。


〇話す機会を独占させない、友だちの話の腰を折らないようにします。
 子どもの自我が強く出ていた一学期とはちがいます。
 聞くことに重心を置いて、話し合いに参加させます。
 参加のさせ方は、話し合いの中に意図的に指名して導きます。


〇簡単に結論をくださないようにします。
 問題から答えを導くとき、だすまでの過程を大切にします。


他にもあるとと思いますが、一学期に実践してきたことの復習、繰り返しをします。
実は、この繰り返しが子どもたちを蘇らせるのです。


今のきびしい暑さが続いている間は無理をしません。
暑さが落ち着いて、少し過ごしやすくなったかなと思われるまで
ゆっくまりと進めます。

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