教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想999回一学期実践(13) 学級と自分の進行方向を重複させる

3の段階
 一人ひとりの子どもの心を拓く


4月において、新しい学級の子どもたちは、それぞれの勝手な風を吹かせています。
たまたま、一緒になったという友だち集団です。
そうしたなかで、一か月、二か月・・・と生活していく上で、自分の行動や意識を周りの友だち(集団)と合わせる必要がてできます。


周りと合わせられないことがあることに気付きます。
周りに合わすことで、自分の生活がしやすいことに気付きます。


授業において考えましょう。
自分の考えを発表してみんなに聞いてもらいたいという願いがあるとします。
それぞれが自分勝手に話していたのでは、自分の意見を聞いてもらえないことに気付きます。
自分の考えを聞いてもらうためには、友だちの意見も聞かなければなりません。
聞くことで自分の考えも伝えることができると実感します。


やがて、学級のなかでお互いの考えをどうしたら伝え合うことができるかを考えるようになります。
この時に、自分の考えを聞いてほしいという願いが、周りの友達と重なるようになります。
個人と集団の願いの進方向が一致するときです。


高校野球が始まっていますが、選手一人ひとりの優勝したいという願いと集団としてのチームの願いが重なっています。
その時が個人もチームも生き生きする時ですね。
選手とチームの願いが重なり合って同じ方向に進みます。



学級と自分の進行方向が重複するようになるには、
①お互いの気持ち、願いを知る機会を増やす。
②お互いが理解しあうための葛藤の場面を恐れずに設定する。
③学習場面において、学習のめあてを意識化して、それに至る方法を
 共有できるようにする。
④対話において、お互いの考えが違い、なぜ、違うかを話し合える
 ようにする。(子ども同士の葛藤を恐れない)
⑤給食、掃除、学級活動において、つねに、共通の目的をもてるように指導する。


それぞれの子どもから吹く風が同じ方向に流れる時を少しず増やしていきます。
学級づくりとは、子どもがだしてくる風を同じ方向に吹かせることです。
ただし、強制してはいけません。
自然にそうなるようにするのが指導のポイントです。
そのためには、学級生活において、いろいろな場面を設定することです。
自然にというのは、「子どもたちに気づかせる場面」をつくるということです。

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