教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 312回  子どもがいない教室に 子どもの姿あり

バロメーターは先生によっていろいろ考えられていると思いますので、今回で終了します。私が力点をおいてきたものだけをお話しています。
最後に二つだけお話します。


例(1)子どものいない教室に秩序が見られるようになる。
人間の行動には3つの過程があります。
取りかかり(行動開始)➡実際に活動する➡振り返り(後始末)です。
私は、片づけが得意ではありませんが、自分に課してきた三つの動きです。


子どもたちがいない時間は3つです。
一つめは、休憩時間に外に出て遊んでいる子どもたちがいる時です。
椅子が机の中に入っているか
机の向きがいがんでいないか。
次時の学習の用意ができているか。
これらを観察します。
次の時間への授業への関心の高さ、低さが表れています。
先生は、椅子と机を整頓してから教室をでます。


二つ目は、音楽や図工など特別教室にでかけたあとの教室も観察します。
そこに、子どもたちの小さな事実が顔を出しています。
事実については、上記と同じです。


三つ目です。
これが最も大事にしてきました。
下校したあとの教室です。
そこには、子どもの成長の実態と変化が表れています。
試しに、放課後、各教室を巡回してみてください。
そこから学ぶことは多く、子どもたちの姿が見えてきます。


さて、私の教室、4月はひっくり返っています。
後ろの棚もひっくり返っています。
机の中には忘れ物をしています。
前学年でしつけられているので大丈夫だと思わないでください。
前学年の指導は、一か月で崩れることが多いです。
放課後の状態、混沌としている教室、翌朝、子どもたちが登校して教室に足を踏み入れた時のことを想像してみてください。
さわやかな気持ちで朝を迎えさせたいものです。
今日もやるぞという気持ちを持たせたいです。


そうなると、自然に先生が教室を片付けます。
机やいすをきちんと縦横にそろえるだけでもちがってきます。
後ろの棚も整理します。机の中も点検します。
これを継続します。
やがて、ほとんど先生の手を使わない日々が訪れます。
子どもにさせないのでは、一年間、先生がすることにならないのか、よく質問を受けました。
放課後の様子は、子どもたちの成長のパロメータです。
体温計のようなものです。
体温計に無理に息を吹きかけて上昇させても意味がないですね。
体温計は、病気の有無を知るためのバロメータです。
体調管理を整えたら自然に体温は正常になります。
放課後の様子は体温計のようなものです。
子どもが授業で学習意欲が膨らみ、集団生活が楽しくなると、自然に自分を振り返ることができるようになります。
放課後の様子が変化してくるのが楽しみになります。


大きく乱れている席に座っている子どもが先生の当面の指導相手です。
学級崩壊のあとの学級を担任すると、これらのことが顕著にあらわれているものです。
子どもを指導するとき、直接指導することと、直接いじってはいけないものがあります。

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