教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 203回  話す・聞く指導(2) 「はい」の意味は 

路傍の石

返事とは、呼びかけに対して はい という答えを返すことです。
でも、なぜ「はい」だけなのでしょうね。
返事は、「返りごと」に漢字をあてて、それを音読みにした和製漢語らしいです。
以前は、贈り物の返礼という意味もあったそうですが、今では呼びかけに対する答えになっています。


呼びかけられたら「どうしたのですか」「なんだね急に「「うるさいねえ」も呼びかけに対する答えになりますね。
それにも関わらず学校では「はい」という返事を指導します。
メールの返事に「はい」と書いたら味気ない返事だと叱られることがあります。
返事の言葉も「へい」「はっ」という言葉でもいいように思います。 
しかし、明るく元気な返事は、エネルギーが伝わってくるように思えます。


そもそも返事は、なぜ「はい」なのか気になります。


・・・「民俗と地名」(谷川健一)の中に「ハイはハエという地名から始まっている。」地名のハイ、ハエは「せりだした広い地形」だそうです。
ハイの「ハ」は「歯、刃、羽、葉」に辿るとこれらはいずれも出る状態で力を持って立ち向かう姿を現している。
返事のハイは、人々のエネルギーの突出と活力の表出する状態から発する言葉という。・・・・抜粋


このような返事の由来を子どもたちに聞かせてみるのもいいですね。


さて、話を戻します。
実践例
「はい」というひらがな二文字を黒板に書きます。
「ハ」と「イ」の間隔を変えたものを板書します。
「は・・・・・・・・・・い」「は・・・・い」「はい」などの返事を全員で言ってみます。
どのように感じが違ってくるかを考えます。
実際、日常生活のどのような場面で使うかも出し合ってみます。
話し手の気持がいろいろ話し合えることでしょう。


聞き手の立場で考えさせます。
「用事を頼んだ時の返事は」「遊びに誘われたら」などの返事は、聞き手にとっては「はい」と元気な返事が返ってくることを期待します。


気持ちのよい返事は「はい」です。
「ハ」と「イ」の言葉の間隔を短くすることでエネルギーが出てきます。
「ハ」という言葉を強く発することでさらにパワーアップします。
さらに、「ハイ」を「ハッイ」と「ッ」を入れることでさらに短く力強い返事になります。
このようなことを子どもたちと楽しみながら遊んでみます。
低学年での返事指導に使います。


必ずしも元気な返事を強制するものではなく、「はい」という短い言葉にも多様な気持ちを吹き込むことができるということに気付いてほしいです。
そのうえで、「はい」という返事のあり方を考えさせます。
そして、このモデルになるのが先生の返事であることはいうまでもありません。
「先生」と呼び掛けられることが多いですから、子どもたちにとって良きモデルになりますね。


返事は「間を置かない」ようにします。
これも先生が実践されると、子どもたちに「返事の気持ちよさ、快感」が伝わっていきます。間をおいてしまうと「ためらい」「嫌悪」などの気持が伝わってしまいます。(伝える場合は意識して間をおくこともありますが)


子どもが先生と読んだら「はい」と、間をおかずに返事してみてください。
それだけで、子どもは、にこっと、安心した表情になります。
子どもにとって「ぼくの呼びかけにまっすぐに向かい合ってくれる先生」という印象を持ちます。
特に、先生が教卓で事務仕事をしているときに、子どもに呼ばれたら、すぐに顔を見て「はい」と笑顔で返事を返されたらどうでしょうか。
これだけで子どもたちは先生についてきます。
人として子どもに向き合う姿勢を子どもが感じとるからです。
名前を呼ばれたら返事。
相手に聞き手としての言葉「はい」を大切にします。
もちろん、「はい」と返事した時の表情がさらに大事ですね。
繰り返しますが、先生が気持ちのよい返事をすれば、子どもたちの返事の仕方もかわります。常に、先生は教室のモデルですね。(ヘッドシップ)

実践者としての道を求めて

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