教育随想 202回 話す・聞くのアイウエオ(1)
学級づくりとは「仲間づくり」を意味します。
「お互いを支持しあえる子どもたち」を育てることをめざします。
そのための学習指導でもあります。
以前にお話ししましたように、学習指導には2つの意味を含ませています。
「自主学習」と「協同学習」です。合わせて「自主協同学習」です。
学習指導(授業)を通して、「自主的学習態度」の育成。
もう一つは、学習指導(授業)を通して、「気づき合い、支え合える学習集団」の育成をめざします。支持的風土の育成です。
要するに、生徒指導を核とするのではなく、授業を核として子どもたちを育てようとする考え方です。
これについては、6年生にかぎらず、その他のどの学年においても実施できることです。子どもに合わせて内容と方法を変えていけばいいです。
何度も言い直します。
「どのようにして、子どもを鍛えるか(個の育成)」
「どのようにして、子どもたちをつないでいくか(集団の育成)」
協同学習、仲間づくりを育てるためには、どうしても子ともたちのコミュニケーションを育てる必要があります。
個に対する指導目標に「話す・聞くアイウエオ」というものがあります。
これは私が考えたのではなく、尊敬する師匠から教えていただいたものです。
それを紹介します。前面に掲示して指導します。
ア 相手の顔を見て
イ いつでも返事
ウ うなずきながら答えて
エ 笑顔でこたえて
オ おかしくても笑わない
カ かならず答えて
キ 聞きやすい声で
ク くどくど言わない
ケ 結論から先に
コ 言葉をはっきりと
サ さわやかにごめんね
シ 質問に答えてくれたらお礼
ス 素直に聞こう
セ 正確に聞き取ってから
ソ それた話はしないように
ざっと(ア)から(ソ)までのことは先生方はすでによく知っておられることばかりです。目新しいものはありません。
しかし、わかっていることをもう一度、その意味を探っていく必要があります。
だから、これらのことをお題目として、言葉だけで指導してはいけません。
言葉だけでは、指導ではなく単なる指示(目標を示したこと)にすぎません。
これらを授業の中で具体的に指導していく必要があります。
指導は「指示して導く」ことです。
導けなかったら指導したとは言いません。
話す聞くの指導は、授業を通して指導します。
学習集団を育てます。
次回から「話す・聞くのアイウエオ」を実践を交えながら何回かに分けてお話しします。低学年でも、使えることがあります。