教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 196回 リーダーを育てる(1) 飛び出すリーダー

リーダーを育てるというテーマで何回かに分けてお話します。
子どもたちは、リーダーになることに憧れています。
友だちの前にたって、話し合いをまとめたり、指示を出したりする場があると生き生きしています。かっこいいのでしょうね。


学級の中に中心になる子どもがいないと、なんとなくまとまらない集団になっていることもあります。だれかが友達を引っ張っていけばいいのにと思うこともあります。
先生の中にも、リーダーに自分の仕事の肩代わりをさせる方もいます。


リーダー育てるのは、烏合の衆から一歩抜け出せる子どもを育てたいと考えるからです。いつも周りの様子を見て、横並びに歩く子ども(それも大切ですが)ではなく、周囲にとらわれることなく、必要に応じて、自分の意思で動ける子どもであってほしいと思いました。
それが、集団の起爆剤になったり変革のきっかけになったりします。
集団が成長していくためには、リーダーの役割は大きいです。


したがって、リーダーにもいろいろな役割があります。
「飛び出すリーダー」「支えるリーダー」「まとめる、まとめないリーダー」「空気をつくる子」「最後に動くリーダー」の5つを設定しました。
これから4回に分けて、そのお話をします。


今回は「飛び出すリーダー」です。


給食当番の様子をみてみましょう。
一番最初にエプロンをつけて列につくのは誰ですか。
掃除が始まります。
教室の掃除のとき、掃除用具ロッカーを最初にあけて用具を取り出す子は誰ですか。
専科の教室出かけるとき、一番最初に廊下に並ぶ子は誰ですか。
班での作業をします。
課題が与えられたら一番最初に作業に入る子は誰ですか。


これらが「最初に飛び出すリーダー」です。
最初に行動を起こすことで集団を牽引しています。
掃除の時に、だれも用具ロッカーに行こうとしないことがあります。清掃活動は遅くなりますね。


さらに例を上げます。
先生が問題提起して、最初に手をあげて発言する子もリーダーです。
あとに二番手が自然に続いていきます。


友達がけがをしたとします。
最初にかけよって対処しようとする子がいます。
「ぼくが保健室に連れていきます」と言ってその場を離れます。


常に最初に行動を起こす子どもがリーダーです。
先生は、これらの事実を観察して記録しておきます。
すぐにはほめないようにします。
ほめてしまうと、同調して同じことをする子がでてくるからです。
ほめることで、子どもたちの行動を先生の思いで束縛しないようにします。


集団の中で一番に行動を起こす子どもに注目してください。
その中で「最初に飛び出す」のは、先生であることも多いです。
先生のヘッドシップです。
ゴミを見つけたら子どもに拾わせないように自分が実行する。
子どもたちと作業や掃除をするときは、先生が一番に動くようにします。
体育の準備、一番に運動場に出て用意します。
子どもたちは、その様子を見て、準備の仕方を自然に覚えます。


私は、週一回の全校朝会のとき、先に出て自分のクラスの前で気を付けをして待っていました。子どもたちに指示しなくても子どもたちは、早く整列するようになります。
集団においては、飛び出すリーダーの存在が大きいです。
子どもたちを観察してみてぐたさい。
多くのリーダーがいるものです。

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