教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 755回 3年国語「まいごのかぎ」 想像しあう 共通の仲間意識

指導目標
     
「お魚にかぎあななんて」とへんだと思いながら、かぎを差し込んで起こったあっけにとられた出来事の様子と りいこの気持ちを想像する。
指導にあたって
 キーワード2つ
② 「あっけにとられて」してしまう。りいこは悲しくなりました。」
②「わたし、やっぱりよけいなことばかり
★りいこの気持ちが鮮明に表れている言葉である。


導入の言葉
前場面から場面をつないでいく。
前回はベンチが動くお話でしたね。
今日は、魚です。おもしろいですね。
「お魚に、かぎあななんて」あるわけないですね。・・・でも、あったのです。
場面を音読する。


問いかけ
・かぎをさしこんだ。
・「いつしかすいこまれるように」というのは、りいこのどんな気持ちを表していますか。※難しいようだったらパス。
★前の場面では、かぎあなを前にして「でも、まさか」というりいこの気持ち。
 今回は「いつしかすいこまれるように」かぎあなにかぎをさしこんだ。
 もう、ためらいがなくなっているりいこ。


問題①
かぎあなをさしこんだ時、りいこはどんなことに「あっけにとられた」のですか。
① どんなことにあっけにとられたか、もう一度読み返して線を引く。
 ★「あっけにとられる」の意味  大きな口を開いて驚きあきれること。
②発表する。
・かもめみたいにはばたきはじめる。
・ふわふわととびあがる。
 ★あじの開きの様子を具体的に想像する。
  楽しくて仕方がないですね。
  子どもたちは、共通の場面、言葉からお互いの想像を重ね合わせることで
  友だちとの連帯感、親密感が生まれる。
 ★「友だちと仲良くしなさい」という指導がなくても、授業を通して仲良くなってい くものである。


問題②
「やっぱりよけいなことばかりしてしまう」
とあるが、りいこは、どんなことを余計なことと思っているのだろうか。その理由は。

  ★「よけいなこと」だと考えるとき、りいこが悲しくなるようなこととはどんなことかを考えさせる。
①本文を再読する。
② ノートに考えを書く。
③ 発表➡話し合い


④ 感想を書く。
「悲しくなったりいこに声をかけてあげよう」というテーマで書く。


どの場面もそうであるが、子どもたちの立場は二通りである。
自分もその場面にたって、りいこと同じ体験をしている子。
りいこを第三者的な立場で楽しく眺めている子。
できるならば、両方の立場を行き来できる子どもを育てたいものである。

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